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悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第一章 逸般人な悪役令嬢、好き勝手過ごす
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10 私の執事なのに!!

 読者の皆様どうもこんばんわ!そして感想とブックマーク有難うございます!


 さて、今回一瞬だけウォルターがスクリーン上からドロンします。それでは本編をどぞ!

 プンスカ、プンプン…


 私は滅茶苦茶機嫌が悪いです。どれ程悪いか?そうですね……少なくともストレス発散の為に今なら大体ブルガリアの国土と同じ位の不毛地帯を攻国魔術ブッパして量産できそうです。


 ああもちろん今の所やりませんけどね……せいぜいジャンクリ使って拷…模擬戦するだけですよ…


『グスン…何で相棒はこんなに外道何だ……』


 五月蝿いです。それにわざわざ軟弱な負け犬ならぬ負け竜の為に強くなる切掛けを作っているこれ程心の広い私を鬼畜扱いするなんて……ああ悲しい。悲しすぎて後で竜鱗を剥がしちゃうかも……


『扱いが理不尽過ぎ!!?!つか、これ以上は真面目に止めて!?!!!最近何か背中の装甲が薄くなっている気がするんだよ!!!』


 ああ……この前戦闘服仕立ててもらった時に剥がれていた鱗は貰ったからね。涼し気になってよかったね♪


『お前か〜!!!何だってこんな外道…御免なさいもう言いませんだからその魔術式解いて?!』


 まあいいや。後で適当に締めればいいだけだし。


 さてと。改めて何が有ったか説明しよう。


 今朝、父上から呼び出しされた。そしてウォルターを私の専属から外し、兄貴達の教育係にする事を告げられた。


 まあつまり、優秀な執事を兄貴達が私から取り上げる形になる訳だ。


 当然そんな突然出て来た話しに納得がいく訳が……案外行っちゃうんですよね。だって知っていたし?


 この前隠密行動の訓練として屋根裏をウォルター監修のウロチョロしていたんだけど、父親の書斎でカールと兄達の教育係任されていたベルハザード爺さんが頭抱えて話し合っていたんですよね〜。


 そこでウォルターと私に黙って、勝手にウォルターを兄貴達の教育係にしようって話しに纏まっていた訳だ。


 勿論ふざけるなだよね〜…本人に承諾を得てから決定せずに勝手に決めるってさ、まるで人権無視だよね?


 まあ確かに最終決定権は父上に有るけど?でも私の意見は何で無視する訳?だって現在ウォルターの主人は私なのですよ?


 本人も承諾しているし、公爵家の支払う給金以外に私が冒険者活動で稼いだ分はきっちりウォルターの金庫へ何%か入る様に契約したしね?


 何よりも、だ。私は現在これでもウォルターの弟子だって知っているはずですよね?


 まあそんな訳で、ウォルターと色々話し合って“一時的に貸し出す”形を取ったのだった。


 その他にも色々条件付けて親父に承諾してもらったよ…大人相手に論破するのが色々大変だった……まあこっちも精神年齢はいい歳だけどね(アラフォー)。


 そしてまあ、結局2年貸し出す事に決まった。


 これが5年とかだったら多分ウォルターと一緒に家出していたと思う…クレセント家の養子として親子になる事もね。


 実際、父親よりウォルターと一緒に居た時間の方が長いし、私の考える親らしい事をしてくれているのもウォルターだったりする。


 そも、父は宮廷で王や宰相の相談役としての仕事。母も茶会で情報収集と人心掌握の仕事。それらで滅茶苦茶忙しいから仕方が無いけどね。


 ……だから兄貴達もいい歳をして遊んでいるんじゃネェよと私は言いたい。


 本当に勉強して下さい……割と切実に。


 そう。実は今回教育係をウォルターに緊急で指名した理由がるのだ。


 何とあの馬鹿共……………国内有力商人相手に色々やらかしてくれたらしい。具体的な内容は屑過ぎるので恥ずかしくて出せない…


 本当に馬鹿なの?いや、馬鹿だったね…うん、馬鹿でしょ?


 幸い私の顔見知り兼ビジネスパートナー兼此方がスポンサーの関係だったので、何とか関係修復も出来たけど……一歩間違えればもしかしなくとも公爵家は終わっていた事は間違いなかった。


 まさかとは思うが、主にあの2人のせいでゲームの時既に家は没落していたのかも知れない……


 ちなみに一応彼らの言動で公爵家がどんな状態になったのか猿でもゴブリンでも分かる様に説明したら……最初は馬鹿にしていたけど、最後の方は無言で蒼白になっていた。


 今頃こうやって人に言われて気付くようじゃ遅いんだってば!


 そしてこれは流石にイカンと言う訳で…再教育に定評の有るウォルターが大抜擢された訳だ。まあ確かに人材育成は折り紙付きだからね……


「……済まないルーナ。」


「分かりました。その代わり…私が今後例えどんな選択をしてもお父様は決して反対しない事を約束して頂けますか?」


「……………ああ。」


「それならそうですね……











 安心してウォルターを貸し出し出来ますよ。


 もう一度言いますが、あくまで私は貸し出すだけですからね?手放すつもりは一切御座いませんから。


 馬…いえ、愚……阿呆な兄達への再教育にはカールよりも適しているでしょうから今回は仕方が無く、本当に残念ながら貸し出しますよ…飴と鞭の使い分けが彼より上手ですからね。」


「……全然言い直せていないからな?!」


「うん、我が妹ながら…酷い……」


「兄様達は黙っていて下さい。」


「「………ハイ。」」


「全く…余計な事したら”ごみーちゃん”とこれから非公式の場では永遠に呼びますよ?勿論公式の場では他人の振りしますが(ニッコリ)」


「ご、ごみ………酷い…酷過ぎる……」


「…最近妹の僕達の扱いが酷い件について…………」


 何かブツブツ言っているが全部無視だ。


「父上。そう言う訳ですから宜しく御願い致しますね。それとこの会話は全て録音されているので言い逃れは出来ません。」


「「「?!」」」


「何驚いた顔をされているのですか?


 口約束でこの世の中信頼出来る程良く出来ていませんから自分の利益を損ねない為には当然の其方だと思いますよ?


 家族だからってそんな理由で私は妥協するつもりも無いですしね……兄達の私の事を何度か追い出そうとかしていましたよね(ニッコリ)。それに今回の話しも父上達は黙って勝手に決めましたよね(ニッコリ)。


 これから私の信頼を取り戻すのはもう少し時間がかかりそうですよ?」


 明らかに項垂れている父上、ビビりまくっている兄×2……知〜らない。


「さて、それでは皆様御機嫌様。」


 私はウォルターと共に退室し、自室に一旦戻った。そして私の優秀で信頼出来る執事兼師匠に対して言った。


「ウォルター、これは命令です。2年ではなく、1年3ヶ月でけりを付けて来なさい。」


 一旦言葉を切り、私は紙束を異空間から取り出した。そして紙束に施した封印を解き、再度掛け直した。


「そしてその間に私の思いついた魔術の理論を……一応論文形式にまとめてみたのでそれを使って完璧にしておいて欲しいかな?出来ればだけど……ああ、勿論この書類は極秘扱いしているから取り扱いは十分に注意してね?特に馬鹿兄2人等含めた公爵関係者に対しても絶対秘密にしておくように。


 ……後はそうね、体調や怪我には気をつけてね?絶対無理はしない事…多分その辺りは大丈夫でしょうけど。1年半後に一緒に冒険したいから、腕訛らない様にね?」


 言い終えて、ウォルターを見た。すると、何故か物凄く驚いた顔をしていた。そして私の視線に気付くと、いつもとは違った笑みを見せた。


 此方が少し恥ずかしくなるくらい何と言うか……優しい笑みだった。


 うん、ギャップ萌えヤバス……とか不純な事が一瞬頭をよぎったけど、流石に年齢差的に無いと思う…精神年齢は兎も角、無く肉体年齢を考えた場合ね。


 そして……


「Yes, your highness.」


 執事…と言うよりも、どこかの王侯貴族の様な奇麗な一礼。


 その直後、窓際に向かって歩いて行き……


「ジャン・クリストファー・ナイトロード。俺はお前を認めた訳ではない。だが、元は黒い邪竜の姿で暴れ回っていた世界最強の一角を司っていた”存在”であった事には変わらない……だから俺が居ない間はお嬢様の守護竜としてしっかり守れ。さもないと………………」


 そして窓からはいつもよりも低めの声で…


『言われなくても守って行くさ……俺みたいな奴と契約しちゃう面白い奴をみすみす逃す訳無いだろう?ま、俺が守る以前に奴は強いが…少しは自分の弟子を信じてやれ。無茶だけはさせない様にしておいてやるから。』


 そして会話が終わると、ウォルターは私に今度は執事としての礼をして、部屋を退室した。











 今何かさらっとジャンクリの事を”邪龍”って呼んでいた様な記するんだけど、あんなショボい腹ぺこポンコツドラゴンがそんな存在な分けが無いよね?つか、奴が世界最強ならウォルターと私はどうなる?


 まあいいや………


 世の中ままならないもの。そしてルーナちゃんも公爵家では最強と言う訳ではないです。また、これは今後死亡フラグを折るための活動の1つと本人は考えているので仕方が無いと納得はしています。


 それでは次回も宜しく御願い致します。



P.S. ムーンライトの方の作品も今日更新しましたので、もし宜しければどぞ!



10/25: 採取決定権 → 最終決定権 訂正致しました、ご指摘有難うございます。


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