106 死ニ神の事情(前編)
読者の皆様今週中々投稿出来ず申し訳有りませんでした…リアルが結構大変で、多分8月上旬までこの忙しさは続くかと思われます。ですが頑張って投稿継続して行きます。
訂正箇所についてはもう少々御待ち下さい…此方も頑張ります。
さて、今回は多分いきなり視点が変わって混乱されるかと思われます…かなり中途半端な終わり方をしていますので、申し訳ないのですが。
更に児童虐待を思わせる表現が有りますので人によっては不快感を与えてしまうかも知れないです…ここで警告を出しておきました。
それでは本編をどぞ!
……………(???)……………
やあ、はじめまして…と言う訳でもないね。
今はまだ名乗らないでおくけどきっともうボクの事は知っていると思うよ?
だって何度も登場しているからね。
え、君達の視線に気付いている理由?何でボク達の事を皆さんが見ているのか分かるのかって?
そう焦らないで一度落ち着こう。
だって、まだ話し出したばっかりだよ?
ボクが何でこうして君達に対して語りかけられるのか。
何で君達ばボクの事を知っていると言い切れるのか。
そして何故、このタイミングで登場したのか。
それはこれから語る、ある馬鹿で愚かでどう仕様も無いクズな男の話しを聞けば分かるかも知れない…
或いは分からないかも知れない……
けどまあ、少しだけボクの話しを聞いて少しでも理解してくれたらボクとしては嬉しいかも。
理解出来なくても仕方ないけどね。
そんな訳で、とある道化の演じる『茶番劇』の始まり、始まり〜♪
………………………………………
生まれた時、オレは気味悪がられた。
最初から異質だったんだと自分でも思う……今だから言える事だけど。
それでも最初はそれなりに可愛がられた。
努力してオレを可愛がってくれた両親や兄弟、親戚へオレはオレなりに何とか報えたいと思って努力をした。
沢山沢山努力した……多分愛され、認められたかったから。
けど、やっぱり気味悪がられた。
出来のいい子供だったと思うよ?
だって何をするにしても完璧にできるよう、オレをちゃんと見てもらいたいと思って頑張ったから。
ただただ『愛』されたかったから。
出来が悪い兄弟達より何事も完璧にこなしてオレは両親に頭を撫でたり存在を認めてもらえたりされたかった。
偉いねって心から褒められたかった。
得体の知れない様なものを見る目で見られたり、居ない様な存在として扱ったりされるのが嫌だったから…
まあ全部無駄な努力だったけどね。
結局『オレ』は捨てられた。
ある時…いや、オレの誕生日に食事とかへ睡眠薬を盛られて、失神した。
気絶する前に見た両親や兄弟だった人達の顔はオレを侮蔑する様な怖れる様な表情でいつもの如く見ていた。
“お前は我々の子供ではない”
両親の口から聞いた最後の言葉はそれだったっけ?
その後意識が戻ったら路上に捨てられていた……明らかに柄の悪い、いつ殺されたり略奪されたりしてももおかしくないような場所にね。
“いや〜酷い事するね、今代の親も”
『僕』は最初そんな風に自分へ語りかけたっけ?
“けど、別にあいつら僕は必要無いよね。”
“大事なものを取り戻すのに、彼らは足枷でしょ?”
“まあ、良かったんじゃないの?何の柵も無く離れられてさ。”
実際おかしな話しだけど、何故か捨てられた瞬間何か安心したんだよ……良かったって。
本当なら深く傷つく所だと思うよね。
まあ実際『オレ』単体だったらとても痛かっだろうし?
だけど僕は思ったんだ……『オレ』として愛されてもきっとその内それも終わるって。
『オレ』は確かにあの時代の両親から生まれて“個”となった存在だったけど、それ以上のものが中に眠っていた。
最初から色々異質だった『オレ』も何となく予想はしていた。
いつかその日が来ると…『オレ』が『僕』に成り代わって『オレ』が居なくなる日が。
実際生まれた瞬間から灼熱の砂漠の中水をただひたすら望む様な、そんな“乾き”が有った訳だからね…それが何かは結局はっきりしなかったけど。
だた、その事を考えるだけで僕同様オレの感情はどす黒く濁ったように渦巻いていた。
そして僕になって更にその感情が強くなったと思う……色々思い出したから。
思い出して文字通り『オレ』は『僕』の一部となったから。
そのタイミングがただ、捨てられた時だっただけ。
圧殺されそうな程膨大な情報量の波に、多分オレの身体や心は捨てられた事への悲しみとか怒りとかに浸っている暇なんてなかった。
キャパを越える様な情報処理は、多分気絶していなければ耐えられるものでは無かったと今更ながら思う……幾ら出来がよくとも間違いなく幼少の身体では耐えられなかっただろう。
実際、そうやって死んで逝った『僕』も居た。
まあでもその時の僕は結果的に『オレ』としての個を失う程度……『オレ』が『僕』に呑み込まれる程度の被害で済んだのだった。
ただ、それはある意味正しく、本来の“自然な状態”に戻ったのだと思う。
だって『オレ』は『僕』の仮初めであって主体ではなかったから。
こうして『オレ』は“温かな家族”と“個”を同時に失ったのだった。
引き換えに『僕』という歪んだ人格と僕の持つ膨大な知識と経験……そして“奪い合う殺戮の日々”を得る事となった。
捨てられた先はスラムだったから命の遣り取りが多く、直ぐに殺人童貞を卒業する事になった。
……具体的には初日、僕が殺されそうになった時。
精神的には既に経験者だったから特に忌避する事も無くあっさり殺る事ができたのは幸いだったと言えるだろう。
ま、知識だけは一人前だったし頭脳も身体能力も生まれながらに恵まれ過ぎていたからね。
…それこそ周囲から気味悪がられる程。
更に僕が幼かったお陰で皆さん油断してくれたのでらくでらくで仕方なかったな。
アハハ、あの驚いた様な絶望に染まった様な顔は滑稽で無様でとても素敵だったよ。面白くも何ともなかったけどさ。
それから僕は僕の中の“記憶”を頼りに日々生活のために略奪をしていった。
人の物も者もその人自身の人生や命まで、様々な“モノ”を僕は強奪していった。
奪わなければ奪われる、ただそれだけ。
そして僕は誰かに“奪われる”訳に僕はいかかった。
僕の探しているものを再び手にするまで生きなきゃいけないからね…どんな手段でもっても僕は再び手にするから。
少なくともそんな風に求めた。
それにその当時は求めているものが何だったのかとか、その他諸々記憶が戻っていなかったからね……
多分あれって生活に余裕が無かった事と成長期だったせいだろうな…一つの『世界』が終わってからまた誕生してそれから更に経過するまでの記憶って情報量半端無いし。
……と言うかその情報量受け止められる自体もう既に人じゃなかったかもw
ま、そんな訳で僕はスラムで暫く力を着けるべく過ごしたのだった。
日々人の命や金、時には愛情や友情も利用して…まあそれが当たり前の普通に厳しい世界だったからね。
そして僕は有る時伝説と遭遇した。
『死ニ神』と呼ばれる存在に。
誰よりも死に近かったから…とかそんな理由だったら良かったけど、そうじゃなかった。
何せ、僕自身が『死ニ神』だったのだから。
出会ったのは文献……遥か太古、いや、それよりこの惑星や次元の話しではない事を直ぐに理解した。
何せ、僕以外に読めない文字だったから。
世界のあらゆる言語を何故か最初から話せた僕は、何故かその見た事も聞いた事も無い様な不思議な文字を読めたのだった。
その文献は所詮異世界の『幻獣』について語っている本だった。
最初は何処かの頭のネジが可笑しい狂人が書いたものかと思った……と言うか、それ以外思いつかなかった。
けどそれなら初めから文字、と言うより文章として成立しない。
今の世界で言う所の所詮『厨二病』と呼ばれる病気?に掛かった奴の書いたモノを僕は当時見た事が有ったのだ。
まあ当然、相手の弱みを握……友達にする為にね。
その時相手が変な文字を使っており読めなかった事に動揺したっけ?…そんな事初めてだったからね。
よくよく考えてみたら僕の言語理解は記憶上出会った事の無い文字には対応出来ないし、それにそもそも文法とか法則皆無で混沌としていたら無理だった。
ま、だから最後は納得したけど。
そんな分けで、直ぐに誰かの創作の線は消えたのだった。
なら、その冊子は一体……と思ったけど、どう考えても異世界、と言うより別宇宙?別惑星?の品だと思ったのだった。
そして案の定別世界のものだった。
そしてその時僕は再び『記憶』の波に呑まれたのだった…
僕は僕の望むものを知り……”再び”絶望した。
”この者は一体誰なんだろうか?”
そんな感じで謎を残しつつ後編へと続きます……もしかしたら長くなって中編挿むかもしれませんが。
さて、次回辺り残酷描写注意かもです…ただ多分様々なフラグがやっと回収されるかと思われます。
それではどうぞ宜しく御願い致します。




