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悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第一章 逸般人な悪役令嬢、好き勝手過ごす
101/142

99 え、まさかの……

 読者の皆様どうもこんばんは。


 前回、何気に100話越えました!と言う訳で記念として登場人物の紹介を明日投稿したいと思います!!アイディア下さいました芳寛様、本当に有難うございます。


 さて、今回は全てルーナちゃん視点です。それでは本編をどぞ!




 所々怪我があり、更に相当疲れた顔をしているクリスもといジルヴァ…


 現在私の膝の上で爆睡している…所謂膝枕って奴ですよ、本人たっての希望だったので何となく断れなくなったので。



 しかし手当をしてみたが、結構全身傷だらけだったな……



 まあ無理も無いだろう…


 決闘で2人の負った傷を致命的なもの以外は全て引き継いでしまったのだから……つまり、2人分の傷痕ってことだ。


 相当激しい戦闘だった事も怪我の状態と防具の壊れ具合から容易に想像出来た。



 きっと麻酔の切れた明日は全身激痛で一日中悶え苦しむのだろうな……


 うわぁ、私も経験有るだけに痛みとか色々想像出来るよ……暫く痛み止めが続けないとあの怪我は地味に辛いね、確実に…


 ま、雨期の怪我では無い事とここの医療とかが発達している事が救いだね。だってあんな怪我の状態で今みたいな治療を受けられなかったらきっと破傷風とかで死んでいただろうから。


 それ以前に戦闘とか無かったかな…そも、亜空間自体を作れなかったしね。



 ま、でも今は取り敢えず麻酔効いているからしっかり休んでもらいたい…と心配しなくても平気か。


 とっても安らかに眠っている……とても平和です。


 今まで見た中で1番穏やかな寝顔だし、どこか安定した、満ち足りた表情を現在しているからね…多分足りないピースが揃ったからだと思うけど。


 一定のリズムの鼓動と静かな寝息が聞こえ、また彼の温かな体温を間近に感じる……生きていると分かるのでとても安心する。



 そして、魔力が安定して来たのか少しだけ髪の色が薄くなって来た。


 まるで身体へ魔力が吸い取られるかの如く、端からどんどん黒色が抜けて行く……根元から吸い取られる様にスゥーと元の灰色へ戻って行く。


 ただ、その髪は以前の様に目が潰れる様なとんでもない銀色にはならず目にとても優しい灰色だ。


 少し暗いけど、黒や銀より暖かみの有る色……


 私はクリスを彷彿とさせる彼の長い髪を手櫛で梳いた…するすると流れる髪はジルヴァ特有の相変わらずな良い手触りだ。


 軽く頭を撫でる。


 すると、彼は気持ち良さげに喉を鳴らした……クリスと全く同じリアクションへ少し笑ってしまう。同時にジルヴァにもそんな癖が有ったなと思い出す。



“やはり同一人物だったんだな。”



 ……彼のふとした言動に、その事実を改めて実感するのだった。



 彼は死んでいない……こうしてちゃんと生きているのだ。生きて私の目の前にちゃんと存在する。


 …それも不思議な事に2人が1人として。


 けど、恐らく一度は決闘で死んでしまった…本人が言うのだから間違いない。


 だけどそれも必要な過程だったのだと本人は明るく語っていた……一度死んでデータを融合させる必要が有ったのだと。



 そして、私は彼と話した内容をもう一度吟味しているのだった。


 何せ、色々爆弾投下してくれたからそうでもしないと自分の中で話しを消化しきれからね…本人に悪気がある訳でも無く、只の偶然?起こった出来事だからこそ、尚質が悪い。



 マジでどうしたものかな…はぁ……



……………………………………



「俺、いや私と言うべきか……いや、この際“僕”にするか。


 改めて、僕はこれから『ヴィンセント・ジャンクリフ・ジルヴァ・ファン・デ・ラ・フォーレンタール』と名乗ろうかと思う。」



”僕の中に有る魂はその殆どが『私』由来のデータを使っているが、記憶等の大事な部分を『俺』が殆ど占めているからどうしてもこういう配合になるんだよね…”



 完全に喋り方を変えて語るジルヴァ殿下…いや、もうジルヴァと呼び捨てでいいって改めて言われたっけ。


 本来ならこうなった時点で王位返上しているし、と悪戯っぽく笑っていた。



 そしてクリスの最後の記憶に自分の名前を残すなら名付け親の名字である『ジャンクリフ』にして欲しいとの事だったため、名前が追加されたのだと語っている。


 そして、そのお陰で彼の持っていた戦闘能力・経験、そして記憶と感情・性格等を大体引き継いだそうだ。



 いや、引き継ぐというより『戻って来た』と言った方が正確だと言われたな…



 分かり易い例えとして、私の分身体の仕組みを言われたっけ…私以外の『私』が本体へ還元された際データがフィードバックして本体へ反映される様とほぼ同じ感覚らしい。


 実際、真面目に煙が上がりそうになったそうだ……



 正直もう今となってはクリスとジルヴァは分けて考えない方がいいのかも知れない……おかしな話しだし、頭がこんがらがりそうになるが。


 その事を指摘したら、本人がいい笑顔で



「大丈夫、僕も今の状況正直分かっていないしこれからも理解出来るとは思っていないから。」



 と言われた……本人も分かっていないのかい!と突っ込んだけど、考えてみれば確かに自分の事を完全に把握するのは無理だった事に改めて気付いた。


 だからもう、深く考えるのは止そうと思う…専門家に丸投げだ!



 さて、私は不安に思った事が幾つか有ったため、それだけは真っ先に確認した。


 何が心配だったのかって?……記憶だよ、記憶。



 記憶の混濁、特にクリスの記憶を前世と今世両方一気に引き継いだから、何かしら障害が残らないか心配になったのだ。


 何せ、クリスは純粋な人外、ジルヴァは人間………なら、何億年単位の記憶を受け継いで平気で居られる訳が無い。


 特にこの世界の初原周辺から居たジャンクリの孤独な記憶に人間の脳が耐えられるとは思えなかった。


 そう鳴ってしまうと、今は良くても最悪廃人になってしまう……



 その事について心配していたら、真顔で爆弾を落とされた…



「ああ、それなら……














 僕、人間やめた見たい………ええっと、テヘ?」



 彼の言った言葉を完全に理解するのに30秒、更に理解した後一瞬にして血が一気に顔から引いて行く=顔面蒼白になっていた。


 そして、思わず頭を抱えた私は間違っていなかったと思う……これどうしたらいいって?


 いや、だって色々不味いでしょ!



「国王陛下並びに国民の皆様、王家の長男、つまり王位第一継承者は婚約者の家に遊びに来ている間に人外になりました★ミ」



 ………い、言えない…流石に恐ろしくて無理だ……



 如何に『人外マ境』と呼ばれ、実際領民の皆さんが子供含めて全員Bランク冒険者と同等かそれ以上の戦闘能力が有ろうとね…


 或いは…家臣団が色々バグっていようと、領内が既にオーバーテクノロジーで埋め尽くされて今や殆とSF小説並の近代都市と化していようが…



 まさかここで生活した結果紆余曲折あって国のトップを人間止めさせました何て、そんな不味い事は言えません!!!



 ま、まあこの領ならきっと皆さん笑って受け入れるのでしょけどね……だって既に全員超人みたいなもんだし…


 でもほら、一応そこはまだ『人』だからね……王子の現段階の状態よりはまだマシと言うか…



 そして、そんな風に心中大シケ状態の私へ、更なる爆弾が投下されたのだった……



「ちなみにルーナも既に人外だから。













 種族は多分、僕も含めて人間ではなく『人間』だったと思うよ?


 ようやく御揃いになったな……長かった。」



(*括弧付きの人間はちなみに、この世界では幻想生物として物語とか伝承に登場する現人神とか仙人みたいな人を軽く越えちゃった凄い存在の事をここでは指します。)



 こめかみを思わず押さえていた……ああ多分、ウォルターも私が小さい頃やんちゃする度にこうした姿勢をしていたのも多分似た様な気分だったんだろうな…


 思わず現実逃避した私はきっと間違っていない、間違ってないったら無い……











 拝啓前世の従姉妹殿。


 悪役の仕事を放棄して好き勝手していたら、いつの間にか人間辞めていました……テヘ(涙目)



 いやそれってどう言う状況?!といわれたって、正直私もどうなっているの?!ってなるよ…今絶賛、状態異常:混乱中だし……


 つか、マジでどうしてこうなった……




 そんな分けでルーナちゃん人外認定受けました。悪役放棄して好き勝手気ままに生きたいだけだったのに………何故にこうなった?!


 まあでも、人外とは言え見た目も細胞も大体人間です。強いて言うなら人間より自由になれる力と可能性があるって感じでしょうか?


 さてやっところで色々フラグが回収出来ました……でもまだ回収し切れていませんし、これから次々回収して行きます。


 登場人物の紹介ですが、自分用に作っていた者を見返したら色々ヒドかったので(遊んでいる所とネタバレ要素と半々くらいの意味合いで)、少し作り直してから注ぎ足して行こうかと思っております。


 それでは次回もどうぞ宜しく御願い致します。


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