編集者、武器を合成させる
マンティコアは、動かない。
巨体が崩れ落ちたまま、ぴくりともせず沈黙している。
フェンはその場に倒れ込んだ。
「……勝てた……」
荒い呼吸の合間に、かすれた声が漏れる。
「……死ぬかと思った……」
天井を見上げたまま、しばらく動けない。
やがて。
空間が歪み、宝箱が出現した。
「……報酬か」
ゆっくりと起き上がる。
蓋を開ける。
中に収まっていたのは――短剣。
赤黒い刃。
細身。
だが禍々しい。
表示が浮かぶ。
⸻
武器名:災尾グラナス
能力補正
A+1580
S+800
補足効果
A+50%
S+40%
武器スキル
《災毒侵蝕》
・猛毒付与
・出血付与
⸻
「……すごいのが出たな」
手に取る。
軽い。
驚くほど軽い。
だが、振り抜いた瞬間に分かる。
“重い”。
威力が、異常だ。
「いい短剣だ……」
そのとき。
視界に通知が出る。
【編集スキル:武器合成が可能です。使用しますか?】
フェンは眉を上げる。
「……合成?」
詳細を開く。
【合成時効果】
A+580
S+300
「……ここまで伸びるのか」
一瞬考える。
そして。
「やってみるか」
選択。
蒼双剣を選択。
光が走る。
刃と刃が重なり、融合する。
次の瞬間。
表示が変わった。
⸻
武器名:災尾グラナス+1
⸻
刃が蒼を帯びる。
禍々しさと静謐が同居していた
フェンは剣を鞘にしまい、ゆっくりと息を吐く。
壁にもたれかかる。
全身の力が抜ける。
肺がようやく、まともに空気を取り込む。
「……ちょっと休憩してから、次の階層に行こう」
そういい、フェンは目を閉じた。
続く




