勇者と賢者
スキーです!
今回も手に取っていただきありがとうございます!
1.【平和な朝】
――俺は鳥の鳴き声で起きる。目を開けると眩しい光が目に飛び込んでくる。
「朝…か…」
ウーウェイド王国の景色を眺める。
「2人は起きているだろうか?」
カルナは起きていそうだが、アルウェルドはどうだろうか?昨日は酒を飲んでいたからまだ眠っているかもしれない。
そう、思いながら俺はいつもの赤マントの付いた鎧を身につける。
自分の部屋の外に出て、アルウェルドの居る部屋のドアを叩く。
「アルウェルドー。起きてるかー?魔王討伐の準備するぞ!」
出来ればもっと寝ててもいい。
すると、意外にもアルウェルドはすぐ出てきた。
「お、ナルダ。どうかしたか?」
「あ、起きているなら大丈夫だ。この国を出るなら早めの方がいいかと思ってな」
ホントはもっと長く居たいんだけどなぁ…。
「それもそうだな。カルナは起きてるのか?」
そういえば、カルナの部屋を開けてなかった。
それに、やけに静かだ。
「カルナのことだし、流石に起きてるんじゃ?」
ドアをコンコンと叩く。
――が、返事はない。
「カルナ…?寝てるのか…?」
更にドンドンと強くドアを叩くが返事はない。
「アルウェルド。少し、散歩しよう…」
「あぁ…こりゃ、少し時間かかりそうだ」
俺とアルウェルドはウーウェイド王国を少し見ながら散歩することにした。
「そういえばよ」
アルウェルドが口にする。
「この世界の最高神についてナルダは知ってるか?」
俺は聞いたことが無かった。
「最高神…?アマテラスやセイレーンとはまた違うのか?」
「あぁ…別格の神だ。起源神、終焉神、時間神、創造神、破壊神、全知全能神、森羅万象神。 この神達がこの世界を作ったとされるんだ。しかも、この世界で全知全能神の《宿神》を使える奴が居るとか居ないとか言われてるぜ」
初めて聞いたが耳にするだけでも強そうな神だ。
「そうなんだな…その神でもルシファーは倒せないのか?」
アルウェルドは神妙な顔をする。
「噂にしか聞いたことねぇが、堕天の力を持つルシファーに神自身や神の力を使う《宿神》は効力が薄いらしいんだ。だから、神達もルシファー打倒には至ってねぇようだな」
俺とアルウェルドはウーウェイド王国の自然豊かな景色を眺めながらそう話す。
「とりあえず、ルシファーを倒すのは難しいと…」
神で倒せないなら俺、無理くないか?
「そういえば次の国はどこだったっけ?」
「アルリナ王国だぜ。アールード王国からウーウェイド王国は近いが、ウーウェイド王国からアルリナ王国はまぁまぁ遠いな…《飛行》を使っても1日はかかる」
かなり遠いようだ。その方がゆっくり出来るし、いいんだが…。
「そうなのか…」
実を言うと俺はもう一つ、神の力を持っている。それは闇の神のエレボスという神の力だ。いや、正確には「地下の暗黒」だ。混沌から生まれたとされる。
その力を使えば影から影へ移動できるので《飛行》よりも速く行ける。だが、あえて言わずにしておいた。戦いたくないからな!
「そういえば、そろそろカルナは起きたかな?」
俺とアルウェルドはそこそこ歩いたので宿へと戻ることにした。
「流石に起きたんじゃないか?」
宿に戻ってカルナの部屋をノックする。
「カルナ!起きてるか?」
すると、今起きたと言わんばかりの眠そうな顔のカルナが顔を出す。
「あれ…?あっ…結構寝ちゃってた…ごめーん…」
「寝ることは悪いことじゃないが、魔王討伐を考え、少し早めに起きよう」
カルナ。もう少し寝ててもよかったんだぞ。魔王とて、襲ってくる気配そんな無いし!
「だよねー…ごめん…」
「とりあえず、この王国を出る準備をしようか」
俺たち3人は王国を出るため、荷物をまとめる。
「よしっこれで大丈夫だ」
俺は最終チェックをした上、2人が準備したのを見る。
「おっしゃ!これで大丈夫だぜ」
アルウェルドは準備万端のようだ。
「私も大丈夫」
カルナも大丈夫なようだ。
「よし、出発だ!」
そうして俺が1歩踏み出そうとした時――
――ゴォォォッッッン!!
とてつもない音と共にウーウェイド王国全体に振動が響き渡った。俺たちは揺れに備えるため、しゃがむ。
「あぁ!?なんだー!?」
「なっ、なにー!?」
アルウェルドとカルナは混乱しているようだ。
ちなみに、平然を装っているが、俺も今にもチビりそうだ。
「おぉ…落ち着け!」
揺れは収まった。
「外の様子を見よう!」
「おう!」
俺たち3人は外に出る。すると、外には魔王軍の幹部の1人、アバドン――
「ほほう、やはり、既に勇者が侵攻していたか」
アドバンは悪魔の角を生やしている黒髮の青年だ。目は外側が黒目で中が白目だ。
「や…やべぇ…格がちげぇ…ナルダ…勝てんのか?」
「えっ?あぁん…おぅん…!やっ…おお…こっこっこ来いよ!!!」
あーーー最悪だ。終わった。勝てないのに挑発したわ。カルナ、アルウェルド。俺、先に行っとくわぁ…
「そんなに死に急ぎたいか勇者」
アドバンは指先に紫色の太陽のような魔力を集中させ、間違いなく消し炭すら残らないレベルの攻撃を繰り出してきた。
ゴゴゴゴゴ
とてつもない速さで迫るその技に俺はとりあえず勇者の剣であるエリスを構え、《宿神》を使い、エリスにアマテラスの力を込める。
剣は赤色に輝く。
「だ…ダメだ…感じで分かる…これじゃ…勝てない!」
その巨大な紫色の魔力は俺の剣に衝突した。エリスでなんとか耐えているが、俺はどんどん後ろに押されている。
「くそおお…!」
アルウェルドとカルナが手伝ったところで意味がない。
終わったと思ったその時――
ギィィィィッ!!
魔力が弾け飛ぶ音がその場に響いた。ハッキリと――
2.【賢者】
「んな!」
俺が驚けば目の前には金髪の男が居て、白い服の上に青い法衣を着ている。制服のようだ。少し、カルナの服装に似ている。
「大丈夫か。勇者」
あの制服は…
「賢者専門学院の生徒の者か!」
その男は手に光のエネルギーを集中させ、槍に変化させている。
「あぁ、そうだ。そして……なにをしているのかと思えば…」
その男はなにか言いかけたが再びアバドンの方へと向き直す。
「さぁ、粛清だ。汚らわしき魔族!!」
そう言うと目の前から一瞬で消えたと同時にその衝撃波が俺の髪を揺らす。
男はアバドンに向かって攻撃していた。
だが、アバドンも魔力を武器に変化させていた。黒色の鎌のようだ。
「ここでは被害がデカくなるな」
「ふん、別の場所に行こうとでも?」
闇の魔力と光の魔力がエネルギーの棒状になり、それは螺旋状に空の彼方まで飛んでいった。
「た…助かった…のか?」
俺は安心し、アルウェルドとカルナの状態を見る。
「そのようだな…」
アルウェルドは大丈夫そうだ。
だが、カルナは少し暗い表情をしていた。
「どうした?カルナ」
俺がそう聞くとカルナはううんと首を振る。
「なっなにもないよ!ただ、凄い戦いだったなぁって…」
そうには見えなかったけど。あの男が関係しているのだろうか。俺はあえて深追いはしないでおいた。
「そうか。それと、今はあの男に任せて、先に進むとしよう」
すると、あの金髪の男が少し顔に傷を負いながらも降りてきた。どうやらアドバンを追い払ったようだ。
「おい、勇者。少し話したいことがある」
うわっ…絶対面倒くさいタイプだ…
「なんだ?賢者」
賢者は『はぁ…』とため息をついて話す。
「初代勇者の剣であるエリスを持ち得ながら、なぜお前は負けるのだ?理由を教えて欲しい」
そんなこと言われたって知らないんだがな…
「まだ使い慣れていなかったんだ」
金髪の男は更にまくし立てる。
「使い慣れていなかっただと?そんな言い訳が通用するとでも思ってるのか?僕が居なければこの国の被害やお前の生死させ危うかったんだ――」
アルウェルドはそれをなだめる。
「まぁまぁ…確かに、迂闊だった俺たちも悪かった…それに、あんたが居てくれてホントに助かった。それは感謝する…」
金髪の男は少し落ち着いた様子で話し始める。
「ふん…まぁ、いい。俺の名前はオルベリグ・カリスだ。賢者専門学院にて生徒会長を務めさせてもらっている。校外学習でたまたまこの国を見に来ていたんだ」
「オルベリグはどうしてこの国に?」
「特に理由は無いがな、だが…ここに来てよかった。戻るぞ『カルナ』」
そう言われるとカルナは顔を下げる。
「今更、あの学院に戻る必要はないわ…」
やはり、カルナはオルベリグとなにかあったようだった。
「待て、オルベリグ。事情を聞かせてくれ」
するとオルベリグは語る。
「カルナはね、賢者学院の中でも落ちこぼれだったのさ。まともに光魔法も使えず、賢者としての才能は無かった…だが、ある日、彼女は光の神、アポローンに認められ、光の神そのものの力を継承した。俺はそれを認め、生徒会長の座をしないかと誘ったのだが、それを断り、『貴方達みたいなのとは一緒に居れない。今日限りでこの学院は辞めさせていただきます。』と勝手に学院を抜け出してね?探してたんだよ」
そしてオルベリグはカルナの腕を掴む。
「どうやらまだアポローンの力を扱いきれてないようだし…ここは俺が教えてあげなくてはな?さぁ、学院に戻ろ――」
そう言おうとしたところでカルナはオルベリグの腕を振り払う。
「私は、賢者でも貴方の物でもないし、アポローンでもない。カルナ・リーカヴェルです!貴方の意思に動かされる筋合いなんてない!私は私なの!」
そう言うとオルベリグは額に血管を浮かばせる。
「ふざけるなぁ!!」
そうするとオルベリグは周りの地形をエグリながらカルナを連れてウーウェイド王国外へと出る。
「かっカルナぁ!」
「ナルダ!追いかけるぞ!」
俺たちは《飛行》を使ってカルナとオルベリグを追いかける。すると間もない間に光の光弾が飛び交っているのが見えた。
「ふっ!!」
オルベリグは三門の魔法を展開してそこから光弾を3発放つ。
「カルナ!学院へ戻れ!わざわざ落ちこぼれのお前を救ってやろうって言うんだぞ!」
光の柱が光弾を消し飛ばす。
「落ちこぼれ…?それは貴方の心だわ!だから、アポローンにも認められなかった!!」
オルベリグは更に光の門を三門から六門。九門からさらに十八門展開した。
「黙れ!!まともにアポローンの力を使えていないくせに、調子に乗るんじゃないぞ!技術でも力でもまだ俺の方が上だ!」
「《光核空天貫》!!」
十八門から開かれる光の巨大なエネルギー弾。いや、よく見れば槍の形の光のビームが空全体を白色に覆い尽くした。
俺の視界は奪われる。
「かっカルナァーッ!!」
次に目を開ければオルベリグの腕の中にいるカルナが居た。
「カルナ…!」
オルベリグは死なないように《回復》の能力を使い、カルナを癒している。
「俺に逆らったらこうなる…勇者。こういう時になにも出来ないあんたは――」
「役立たず以外のなにでもないね――」
そう言ってオルベリグはカルナを抱えたまま一瞬で消えた。
「アルウェルド」
俺はアルウェルドを呼ぶ。
「あぁ、分かってるぜ」
「「学院に乗り込むぞ」」
俺とアルウェルドは息を合わせてそう言った。
そして俺の手に持つエリスは震えていた。恐怖でではなく、自分に対しての怒りで――
3.【賢者の学院】
「ところで、賢者専門学院…名前は聞いたことあるんだが、どこにあるんだ?」
俺がそう聞くとアルウェルドは地図を開く。
「どうやら、ウーウェイド王国からアルリナ王国の間にあるらしい。学院自体の規模がデカく、国レベルの文明が築かれているようだぜ」
「そうなのか…それじゃあ乗り込むにしても次の日くらいになるな」
魔王討伐への時間稼ぎがまた出来ましたよと…
「そうだな、それと、ナルダはあのオルベリグって奴に勝てるのか?」
「……………」
「……………」
その場に沈黙が続く。
「今は厳しいかもしれない。少し、修行をしないとな」
「あっあぁ…そうだな。俺も、そろそろ動きたかったところだぜ」
「だが…修行をすると言っても師が居ないしなぁ…俺達だけで特訓しても勝てなさそうだ」
俺とアルウェルドが悩んでいる所に――
「オルベリグを倒すのは難しいよー」
俺とアルウェルドの間にいつの間にか男が立っていた。髪は青色で賢者学院の制服を着ている。
「うおっ!?ビックリした!?」
アルウェルドは驚いて1歩下がる。
「あっ自己紹介が遅れたね。僕はカムウェル・レイトン。よろしくね〜」
どこか気の抜けている男だが、このカムウェルという男はただならぬ魔力を秘めている。
「あ…あぁ…よろしく」
「オルベリグを知ってんのか?」
カムウェルは答える。
「うん、知ってるよ。彼は基本、一匹狼だから。話したことはないけどね。知ってることは魔王の幹部にも届きうる力はある…それと、性格が悪いってことくらいしか知らないなぁ」
どうやらカムウェルはオルベリグほど性格が悪い訳ではないようだ。
「まぁ、幹部程の実力じゃないにしても、僕なら君達を鍛えることくらいならしてあげられるさ。それと、オルベリグと戦うのはオススメしないよ」
まぁ…だろうとは思った。
「僕ですら勝てないんだからね。まぁ、最終的には話し合いになるさ。彼が話し合いに応じるとはとても思えないけどね。」
「いや、それでもいい。カムウェルと言ったな。是非、俺達を鍛えてくれ」
「俺も頼むぜ…!」
俺とアルウェルドでカムウェルに礼をする。
「ふふ…いいよ。僕は厳しいから。休みという休みはないからね」
そう彼は笑った――
4.【特訓】
するとカムウェルは俺とアルウェルドの手を掴み、魔法を使う。
「《転移》」
俺とアルウェルドは気付けば森林に囲まれている広い草原の中に居た。
「《転移》を使えるなんて…!」
《転移》は自分の記憶を起源にしてその場所に飛べるというものだ。自分の知ってる場所にしかいけないから魔王城へは今、この魔法を覚えたところで行けないだろうな。
「さ、特訓を始めよう」
するとカムウェルはそのへんの木の枝を拾う。
「うん、丁度いい。」
その木の枝は光の魔力を纏う。
「早速かかってきていいよ。2人同時でも構わない」
カムウェルは光の木の枝を構える。
「ハハハ…舐められたもんだなぁ…ナルダ。光の魔力を纏ってるとはいえ、あっちは木の枝だ。煽られたからにゃ…」
アルウェルドは上空へ飛んでカムウェルに大剣を振るう。
「本気で行かねぇとなぁ!!」
カムウェルは即座に回避する。カムウェルが居た地面には巨大なヒビが入った。
「《宿神》!!セイレーン!」
アルウェルドの大剣に水の青い魔力が纏う。
「《宿神》!アマテラス!」
俺も自身のエリスに太陽の力を宿す。
アルウェルドはさらに攻撃を仕掛けにいく。
「《渦巻水波》!」
水の竜巻がその場に発生する。カムウェルはそれに引き寄せられていく。
「楽しいな…!」
カムウェルは光の枝を振り回す。
あたり一面は光に焦がれる。
「はっ!効かねぇ!《聖海の加護》!」
アルウェルドの《聖海の加護》は想定外の攻撃以外なら基本受けることが出来るくらい強力な防御技だ。
「ふふふ…どーだ!」
だが、カムウェルの光が水のバリアを照らし、中のアルウェルドに攻撃が通ってしまう。
「うおお!?まじかよ…」
アルウェルドは体が少し焦げる。
「光は全てを通す…水ですらね。」
そうして水のバリアが外れた時にカムウェルは猛攻を仕掛ける。
棒を器用に振り回し、アルウェルドの認識外から攻撃を仕掛ける。
「うぐぅっ!?うおっ!あぐぅあ…」
「アルウェルド!」
俺もアマテラスの力を解放してカムウェルに攻撃をしかける。
「俺も遠慮はしないぞ。《暴発の太陽》――」
俺は魔法を使おうとした時、その効力が失われる。
「こっ…これは…?」
「《光の拘束》。魔法起源そのものを封じさせてもらったよ。それにしても…流石に今のは撃たれてたらマズかったね〜」
「くそ…全部の魔法が使えない…」
俺の魔法は全て起源を光で封じられてしまった。
「光に勝るものなし…闇させ光に照らされ消えるのみ…!」
俺とアルウェルドは同時に光の枝で吹き飛ばされた――
5.【光の力】
「はぁ…はぁ…強い…」
俺とアルウェルドはその場に倒れる。
「ほらほら。休む暇はないよ。これから光の力を使ってもらうからね」
「光の力…?」
「光の力を習得するにはアポローンの加護が必要なのさ。でも、アポローンの主要権はカルナが持っちゃってるからね〜…」
「じゃあ、無理じゃねぇか」
アルウェルドはそう言う。
「いや、アポローンを呼ぶことくらいなら出来るよ。アポローンから受ける試練を越えて君達は光の力をようやく極小ながら受け渡されることになる。」
「試練…か…」
「多分、君達ならすぐクリア出来るよ?早速アポローンを呼ぶね」
カムウェルがそう言うと光の魔法陣からアポローンの幻影が出てくる。
『なんの用だ――』
「あぁ、あの2人に光の試練を受けさせてやってくれないかな?」
『よかろう――我が試練を達成し――光の力を受け取るがいい――』
そう言うと俺とアルウェルドは白い空間へと送られる。
「ここは…?」
すると前には魔物が出てきた。
『この魔物共を全員倒せ――そうすれば光の力をやる――では、健闘を祈る――』
アポローンの声は消え、魔物達が襲いかかってくる。
「ふっ…アポローン。俺達を舐めすぎだぞ」
「《暴発の太陽》」
太陽が弾け飛んだような威力の爆発が起きるはずだった――
「あれ…?」
「くるぁぁ!」
俺は魔物の尻尾で吹き飛ばされる。
「いって!なんで!?」
『神の加護無しで戦え――それと勇者殿はエリスではなく普通の鉄の剣で戦うがいい――』
「嘘だろぉ…?先に言っておいてくれよ…!」
俺は鉄の剣を構えてアマテラスの力無しで魔力だけを込めて剣を振るう。
アルウェルドもセイレーンの力は使えないようだ。
「アルウェルド!これ…何匹くらい居るんだ…?」
「ざっと50だな…」
俺は戦意を失いかけたがカルナのために戦う。
「負けるわけにはいかない!」
俺は魔力を斬撃として魔物どもに放つ。幸い、普通に通じるようだ。
「アルウェルド!この調子なら行けそうだな!」
「そうだな!この調…子…なら……?」
20匹くらい魔物を倒したその時、上からドラゴンが急に現れた。属性は特に無いようだが、普通の剣となれば話は別だ。かなり強力な敵になる。
「うっ…そんな…」
「ナルダ!神の力が使えないだけで普通の魔力攻撃は出来るはずだ!一般魔法で頑張るぞ!」
確かに、アマテラスの力は使えないが炎魔法は使える。
「ホントだ!《火炎》!」
炎がドラゴンへ命中する。
「アルウェルドは周りの魔物を頼む!」
「あぁ、わかったぜ!」
「グゥオオオオオオオオオ!!!」
ドラゴンの鳴き声が光の空間で響く。
「はぁぁ!《電撃》!」
ドラゴンの体に電気を流す。ドラゴンの動きが少し鈍った。
「行くぞ!くらええ!」
俺は《飛行)》の魔法を使い、上空へ飛んでそのままドラゴンに剣を突き立てて急降下する。
ドラゴンの額に剣が突き刺さる。
「グルルルルゥ!!グオオオオ!」
ドラゴンはそう言い倒れる。
「やった!」
周りを見るとアルウェルドも周りの魔物を倒し終わっていたようだった。
俺とアルウェルドはタッチをする。
『よくやった――我が光の力を受けるがいい――』
光の空間は消えて草原の中へと戻る。
「おっ無事にクリア出来たみたいだね。よかったよかった。それじゃあ今度は光の魔力を成長させよう…と思ったけど、今日は暗いし、そろそろ寝るとしようか」
アルウェルドは聞く。
「飯は?」
「そんなの無いよ。周りから取ってくれば?」
「うっそだろオオイ!」
アルウェルドは絶望している。これからも俺の旅はゆっくりしつつも大変になりそうだ――
次回の投稿は2025年12月26日です!




