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まず、触れた皮膚から今の状況を感知する。外身ではなく内蔵の状況やどうしてそうなってしまったのか


(いきなり躰の腐敗が始まったのは中の機能が正常に動かなくなったからか…生きてるのが不思議だな…殆ど機能してない)


目には映らないが確かに躰の中の内臓も腐り、爛れ、溶けている


(生きながらにして死んでいる…んだろうな、激痛を伴っても声を挙げる事も、助けを求める事すら出来ない)


喉が潰れ、声帯が腐り、筋肉が衰え骨が溶けてゆく


(…安易には死なないよう…自己治癒を高めながら…腐敗を促してる…年期の入った呪いだ)


腕に触れ、顔を撫で、躰に触れて中心、核となる心臓に影を見る


(繰り返し与え続けられた…なんだ、これ?…どんなものかわからないけど…これを排除すれば元に戻るな)


心臓に溜まる黒い影。それから全身に流れる黒い血液が躰の腐敗を促進させている。


(…今のあたしの躰が何処まで保つか…まぁ…少し痛い程度ならどうにかなるな)


自分の躰に負担のかかるやり方を思い付き、苦笑う。そして迷わず重ねる口付け


「!」


皆それを垣間見ては身を退く。あの鼻がもげそうな臭いを悪臭を放つ肉片への口付け、正気の沙汰では有り得ない行為


「あんた…何してんの?!」

「!待ってハイン!!」


余りにも衝撃的な光景に声は裏返り怒りに似た感情でシェーニイを掴もうとするが、それを直ぐに止めたのはエルディア


「なんで止めるの?!異常行為をしてるのよあいつ!」

「違う…そうじゃない…王を…王を見て」


半狂乱のハインに、それを見ないまま王位を指差すエルディア。皆それに肉片ではない王位の姿を見る


「…ぇ……」


重ねたほんの数秒で変化が訪れた。重ね合った腐った肉片がすぅー…と色を変え血色の良い人間の腕に変化した。当たり前の、皆が記憶するあの肌色だ


「───…っ…」


シェーニイの頭と髪で視界に入らなかった顔も、シェーニイが顔を離しベッドから退いた事により垣間見る


「ちち…うえ…?」


ただの腐った肉片がぶよぶよと重なり合っていたモノは綺麗に消え失せ、まださほど更けていない神々しい強い意志を持った顔の男がそこに横になっていた


「父上…目を開けて」


その姿に王子はふらふらと寄り添い寝ている父の頬に触れ何度も確かめるように呼び掛ける


「……ん?………おぉ…Jr.じゃあないか…どうした、何か悲しい事でもあったのか?」

「!父上!!」


ぼんやりと開いた瞳が王子を見つめ慈しむように問い掛ける。それに迷わず飛び込む王子


「お?どうした…もうそんな歳じゃあないだろう」


微笑み喜ぶ王に。喜び泣き続ける王子。王はそのまま躰を起こし今の状況に目を丸くする


「ヴァシレイ…ウォルスにエルディアにハイン?私の部屋で何を…見知らぬ顔もいる」


皆同じ顔が王を見つめる。何故、復活出来たと疑う眼差しだ


「…どうした?」

「なんで……ない」


レウの視界の隅親子を眺めていた筈のシェーニイが壁に俯いたいたのを気に掛け気遣う。だが、返された返事はとても冷たい、それでいて声が擦れたもの


「?…一体これはどうなんだ?」


現状を把握出来ない王に、そこで説明をしなければと語りだした


* * *


「私はずっと寝たきりの肉塊だったのか」


かい摘んだ訳でもなく、ありのまま、今の現状に戻る迄の経緯を全て話しての一言


「記憶は無かったのですか?」

「ぼんやりとしかないな…自分を留めているのが辛かった…としか覚えていない」

「生きている…より…」

「生かされていたな」


困ったものだ。と苦笑う王にそれでも何よりだと微笑みが零れた


「それで、だ…今の状況は大半理解出来た…詳細を聞くとしたら君に聞くのが妥当かな?」


すっと視界から王子等を外し向けた先はシェーニイ、だが、その目線には応えるものの口を開こうとはしないのだ


「…Jr.すまないが私に飲み物を持ってきてくれないか?」

「うん…構わないけど」

「なら、頼む。ハインお前が着いて行ってくれ」

「わかりました」


指名され、王の部屋を後にした二人。背を見送り気配が遠退くまで待ち


「他に何を除外すれば…話して貰える?」

「もう結構です。後は私が除外しますので」


小さく短い詠唱に、部屋の至る所からたちこめる白煙。一番近い場所で王の寝るベッドからも白煙があがる


「…プライベートがあってない様なものだな…これで?」

「知る範囲。説明出来る事は全てお話致します」







全ての始まりだ





2010/05/07 ЯR

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