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先日ガイに


【テトラは男だったら大変だよな。男女共にモテモテで腹上死するんじゃねぇ?】


と言われ


【おっさんとかさ、かなり年上からならケツぐらい狙われんじゃねぇの?姉ちゃん変な色気あるしよ。あ、案外おっさんケツ狙ってんじゃねぇ?】


とシャークに追撃された

その場にいたのは…まぁいつものメンバーでテト以外は大爆笑でジュライに関しては目すら合わせてくれなかった。


そこまでは許容範囲内だったんだけど…どうやら、神様は随分とあたしが大嫌いの様子で


目が覚めたら新天地

あたしは男で

隣には若干若いジュライがいた


「なんの冗談だっっ!!」

「俺に怒りをぶつけるな…些か俺自身なんの事だか全くもってわからないんだ」


思わず掴みあげたジュライの胸ぐらに、嫌そうな顔


「なに?!これまたディグナーの悪戯?!悪戯なの!あのボケ今回ばかりはブッ殺すぞ!!」


胸ぐらを放し、怒りを顕にしては傍にある幹を力一杯殴り倒す

ずー…んと鈍い音をたて倒れた幹をただ眺めるだけのジュライ


「…ディグナー殿なら呼び出せば出るのではないか?」

「今やってる!」


必死であの色ボケ男爵を呼び出すが一向になんの返答もない

むしろ…

ディグナーとのリンクが切れているような…元々居ないような感覚がする


「…?」

「ところで此処は何処だ?」

「え?」

「城の近辺にしても動植物の感じがいつもと違う」


言われて気が付き辺りを見渡す。確かに城の近辺にしては身に覚えのないものばかり


「じゃあ…城の側じゃないんじゃないの?城の側ならもっと賑わってるハズ」

「では何処だ?」

「だからぁ…」

「そんな簡単な事ではない…この世界はなんなんだ」


違和感

体で感じる異変にジュライが口にした事によりより一層異変に敏感に触れてゆく


「…ねぇ…あたしの感覚がおかしくなかったら…随分と懐かしい感じがするわよ」

「それは俺も」

「動くな!!」


互いに寄り添い一つにまとまりかけた瞬間、辺りから響いた声に互いに背を合わせ見渡すと自分達を包囲する見た覚えのあるような騎士達が多数剣を構えていた


「なんで気が付かない!」

「お互い様だろう…と言うより…まじないでも掛けてあったんじゃないのか?そうでなければ」


闘神が気が付かない筈がない

そう、言い掛けた瞬間騎士の剣先が動く事に二人はピクリと反応を示しては自分の剣を取り出そうとして空中を手が泳ぐ


「…え?」

「な?!」


互いにいつも武器をしまってある宝石を探すも、あった場所にはその宝石すら存在せずまさぐるだけで終わってしまった


「動くなと言っているだろう!」

「ちょ…なんでないの?!」

「わからないが…そんな事より今の状況が…」


互いに顔を上げた瞬時、ネット上の何かが二人を覆い隠し、そのまま地面へ叩き落とした


(魔導師がいた?!しまった…全然気が付かなかった)


地面へ落ちた二人、そこに一番はじめに声を張り上げた男が歩み寄った


「何故と言う顔をしても今更だ!我がエクスシュトルの兵力を甘くみるでない!」


耳に届いた懐かしい国家の名

それは滅んだと言われている

まだ天使と魔族が歪みあい

罵り続けていた時代の名


「エクス…シュトル」

「お前等見掛けん顔だな…まぁいいどうせ賊の類だろう。連行する」


大勢集まり二人をはがいじめに後ろ手に繋ぎ自由を奪う枷


「…貴様…名は?」


ジュライを見上げ問う騎士。ジュライは軽くテトラを見つめる、テトラはそれに左右にそっと首を振った


「貴方の様な偉い方に名乗る名など持ち合わせておりません」

「なに?!」

「たかが賊風情…名乗るだけ無駄でありましょう」


カチンと一度頭にキた様子の騎士ではあるが下手な態度に気分を戻し、二人を引き連れ歩き出した


「嘘八百」

「名乗るなと言ったのはお前だろう」


側を歩くジュライへの軽く嘲笑いながらの呟き、ジュライはそれに苦笑う


暫く歩き通されたの一つの馬車だ


「乗れ」

「何処に…?」

「天都に戻る。お前等とは違うが罪人が搬送されている」


簡単な説明に先を行くジュライ、テトラはそれに続こうとひょいと乗り込むが


「早くしろ!」

「ちょっ?!」


手を拘束されたままのいきなりな後ろからの圧力に耐えられる訳がなくそのまま馬車の床に崩れ落ちるのだ。それと同時に聞えるのは先程の説明された罪人達の笑い声、蔑み罵る声


(…そうか、身分を一番にするから自分に対してどう接するかで対応が違うのか)


床に突っ伏したまま思い返す、昔と今。そして今更ながら思い知らされる身分差


「…平気か?」

「まぁ…」


テトラの背後、兵士達の笑い声に、罪人の声が輪を掛け響く。たがテトラはそれに反応を示す事なくゆっくり立ち上がり空いている席に着き、ジュライもゆっくりと席に着いた。


馬車がガタンっと不安定に走りだしてから暫くし


「今の状況をどう見る?」


俯いていたテトラに声を掛けたのはジュライである。テトラはそれに顔を上げ辺りを見渡し


「少なくとも近い過去じゃない」

「近い過去?」

「…あたしの親の世代だ」


もう何百年も前の

激戦になる手前の時代


「と、言うと…俺はまだ子供か」

「知ってるの?」

「自分の顔を知ってるだろう?お前の顔は生き写しだ」


ジュライに言われ改めて押し黙る。それ等は全て真実で、親は功績も携えている有名な人物なのだ


「…きっとお前が言うのは当たっているな、だから俺やお前の武器が存在しない」

「もともと父と剣だから…そっちは?」

「全盛期に頂いた剣豪としての褒美と言えば響きはいいが…ただの大量殺人者の太鼓判を押されたものだ」

「そんなものある訳…ないか」

「将来のある人間の名もよくはないのだろう?」

「だとは思う」


声を極力殺してのやりとり


「曖昧だな」

「過去に来たとしたらなんらかの事情があったり理由あって歴史に支障が出るのに…今の時点でなにもない。あたしの顔を見て何も反応ないのがいい例だ」

「でも、決定だもないと?」


チラリと見上げ、小さく頷く


「きっと何にも起きないだろうけど…危険な事は避けたい」

「…夢か幻か」

「どちらにせよ顔見知りが同じ空間にいるのは可笑しい。はぁ…頭痛い」

「で、何と呼べばいい?」

「なんでもいい。…ジュライは剣豪様とでも呼ぼうか?」

「冗談はよせ…剣豪にしろ、闘神にしろこの世界にはすでにいるだろう」


よく知った

語り継がれる英雄


「……なら、レウって呼ぶ」

「俺はシェーニイと呼ぶとしようか」

「…は?」

「自覚はないだろうが…お前の今の姿は【誘惑】そのものだ」


女の姿と同じように長い綺麗な金髪。瞳も同じ宝石ではあるが片方だけを眼帯で隠し、身を包む衣服は薄着でまるで海賊をによわすような軽薄は雰囲気であり、普段ならブーツで隠れているはずの脚もしっかりと太股付近から開いた布からチラチラと見え隠れすらしている


「誘惑…て、人聞きの悪い」

「ならどれだけの罪人がお前の脚眺めてるか改めて気が付け」


深い溜息に漸く気が付く卑猥な目線。見られていた自覚はあったものの注意深く凝視されていたのは間違いなく顕になっている脚だった


「・・・ジュライは変わらない」

「(見なかった事にしたな)変わり用がない。しいて言えばエンブレムがない」


テトと瞳と同じ色の

国の象徴のエンブレム


「ちなみに今の姿は何歳ぐらい?」

「30代半ばじゃない…だろうか…、あまり自分の容姿に興味がない」

「へー…(ジュライの全盛期っていつだ?今の状態でもかなり強いてのに)」


剣豪と言われる相手の底が見えない事に若干のいらつきを覚えながらの返事


「言葉遣い…気を付けろよ」

「了解。まぁ気持ち悪くならないようにする」


会話を終え、漸く落ち着いた二人であったが…そんな二人に…テトラの紙に伸ばされた手がある


「…?」

「随分と長ぇ訳わかんねぇ話してたみてぇだが…終わったんなら兄ちゃんコッチの相手どーよ」


眉を顰め見上げるテトラに、男は下品に笑ってみせた


「生憎…同族を殺る様な奴の相手は出来ないな」

「あ゛ぁ゛?」

「ざっと数えても5人は憑いてるけど…ん?」


ニヤ…と口角を上げ笑うテトラに男は顔色を変え


「ただの男娼かと思ったら厄介な能力者かよ…うぜぇなぁ」


男の呟きにすー…と空気が凍てついて行くのが解る


「止しておいた方がいいんじゃないのか?」

「売られた喧嘩は買う主義だ」


隣の静かなジュライの静止の声に意気揚揚と答え


「後ろ手に縛られてる奴が勝てると思ってんのか?!おい…兄ちゃん…犯っちまってもいいか?」

「(出来るものなら)好きにしろ」


ジュライの呆れた声が終わると同時にゴングが鳴り響いた

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