第4話 〜オタク脱臭~
女を救った俺は、エルフ族の族長に歓迎され、この世界が地球ではなく、<異世界>であることを知る―――。
そして族長の娘の顔を殴っていると、覚醒した俺のスキル!
【op(女殴りポイント)と引き換えに、アイテムを交換する能力】!!!!!!
俺は、300op(女殴りポイント)を消費して、現代に再転生する――――。
300op(女殴りポイント)を消費し、「再転生」を選択した俺は、現代―――大学群の「GMERCH」に帰ってくる。
ウェイ!w 吸い慣れたシンナーの香り……!やっぱりここが一番だぜ!!
さて、早速ATM共に話を付けねえとな……(Peace)
トゥルルルル……トゥルルルル……
俺は『アイフォン』で、あゆみに『ライン』を掛ける。しかし、一向に繋がる気配はない。
……俺の『ライン』を既読スルーだと??
「テメェ、死にてえのか!??」
俺は『ライン』で送信する。
俺の電話は、1コール過ぎる度に罰則5000円なんだが……
イラ付く俺の目の前を、見覚えのある姿が通り過ぎる。
チェック柄の服……丸眼鏡……
!!!!!!!
忘れるわけもねえ!!!俺を毒殺した眼鏡オタクだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「テメェ!!!!!よくも俺を殺しやがったな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺は、落ちていた鉄パイプを眼鏡オタクの後頭部にフルスウィングする。
ガシッ
………!??!??
眼鏡オタクは、俺の攻撃を、左手で受け止める。
「んん……物騒だなあ……。どうしたのかい、そんなに血相を変えて……」
眼鏡オタクは、攻撃を受け止めながら、もう片方の手で自身の眼鏡をカチャカチャと上下する。
「なん……だと……!?」
腕は封じられたが……まだだ!!!
「喰らえ!旋風脚!!!」
振り上げられた俺の踵は、大きな弧を描きながら、オタクの顔へと向かう。
「私は争い事が苦手なんですが……」
ガシッ
大きく振り上げた俺の足を、オタクは同じように、振り上げた足で受け止める。
コイツ……俺の技を、俺と同じ姿勢で受け止めやがった……!!何か妙だぞ……!?
そこにいるのは確かに、髪型、姿、共に俺を殺したオタク本人なのだが……
「とぼけやがって!!!テメェ、俺を青酸カリで毒殺した癖によぉ!!!」
「んん……確かに僕は"ケミストリィ"に精通しているが――――。化学は僕の友達。他人を傷つけるのに使ってはいけないのサ。」
「ほざくな!この陰キャオタクが!!!!」
「心外だね、これでも見た目には気を遣っているつもりなんだが……」
妙だ――――丸い眼鏡とチェック柄のシャツは、間違いなく「奴」だ。しかし、「陰キャオタク」と呼べるような不潔さ、下品さがまるで感じられない。それはまるで、『下北沢』を練り歩く、オシャレなサブカルバンドマンのような――――
「ンイヤイヤイヤイヤイヤイヤwwww一体どうなさったのですか!"ドノタク"殿!!!!!」
後方からの不快な声が、俺の思考を遮る。
「そうですぞ!!!我が同盟『アニメサークル』で、かの憎き『サックス部』を皆殺しにすると誓ったではありませぬか!!!」
そこには、デブな眼鏡オタクと、ヒョロガリな眼鏡オタクが、顔を真っ赤にしながら立ちずさんでいた。
「ん――――。だからサ……『アニメサークル』とやらに僕を巻き込むのは……いい加減やめてくれないかな?」
「イヤイヤイヤw覚えておらぬのですか!!我々が発注した青酸カリ、まだ納品されて居らぬのですぞ!!」
「そうですぞ!!ドノタク様は我らが『オタク四天王』、その一人ではありませんか!!!」
「ハァ……全く。何のことだか知らないが、この僕が『アニメ』等という下等で下賤な趣味を、嗜んでいると本気で思っているのかい?」
「イヤイヤイヤwww今のは聞き捨てならないかとw」
「今の発言は四天王を裏切るものですぞ!急いで上に報告ですぞ!!!」
デブとガリは、たどたどしく校舎へと走っていった。
「はぁ、やれやれ……」
「お……お前……"ドノタク"って言うのか……!?」
「んん……そうとも。"化学使い"とでも呼んでくれたまえ……」
一体どういうことだ……!?異世界の陰チャと名前が合致しているじゃねえか……!
アユミの件もそうだ……一体どうなってやがんだ……!?
俺は思わず頭を抱える。
!!!!!まさか!!!
俺は、急いで『アイフォン』であゆみに『ライン』を送る
「愛してるぜ。あゆみ。さっきは変な事言ってゴメンな。」
「ンン♡♡♡♡陽クン♡♡♡♡♡」
「なんでさっき出なかった?ちょっと顔見せろや」
「えぇっとお……今はちょっと話せなくてぇぇ……♡♡♡」
「いいから見せろ!!愛してるぜ。」
あゆみは、自撮りを送信してくる。
!!!!!
あゆみの顔は大きく膨れ上がっていた。
「昨日、ハチに刺されちゃって……♡♡♡」
昨日、俺は一晩中、ア=ユミの顔を殴り続けた……
そして現世のあゆみは、顔が腫れ上がっていた―――。
そして"ドノタク"―――――。
俺は異世界で"ドノタク"と呼ばれる陰チャを倒した。
そして現世の"ドノタク"は、オシャレなサブカルファッションマンになっていた――――。
『この世界での出来事が、異世界と連動している』とすれば―――
『俺が異世界で”陰チャ”を倒した事により、対応する現実世界の”陰キャ”が”陽キャ”になった”』――――――――!!!??!!?
ピピピピピピ!!!!!
突如、アラームの音が鳴り響く。
俺の体は、腕から徐々に四角いテクスチャに分解されていく。
「ど……どうなってんだこれは……!!!」
「んん……これは一体!?実に興味深い……!!」
『時間切れ 時間切れ 再転生時間5分 終了。』
何だ、この音声は!????時間制限付きだと!?
俺はまた異世界に転生されちまうのか!????
クソ、なんてこった。―――ATMをまだ引き出してねえ!!!
「ド、ドノタク!!!殴りかかってすまなかった!!!!俺の頼みを聞いてくれ!!!」
「ん、話だけなら聞いてやろう」
流石陽キャ!器がデケえぜ!
「俺は暫く”こっちの世界に”居なくなる!!!こっちに”あゆみ”って女が居る……!!そいつから5万、既読無視含めて10万、徴収してくれ!!!!金の半分はやる!!!!頼む!!!!!!」
「5万円か……良いだろう。引き受けた―――――」
視界がブラックアウトする
……
俺は、再び、異世界で目を覚ます――――――。
「大変です!!陽様!!!」
俺は、転生した直後、慌ただしい村の様子に叩き起こされる。
「巨大な陰チャの群れが、集落に向かってきています!!!」
つ
づく