第3話 ~スキル覚醒~
咄嗟の機転で、陰に潜むクリーチャー『陰チャ』を討伐した俺――――――。
金髪の美少女は、俺の大学の女「あゆみ」と、名前、さらには顔のアザまで一致していて……!?
どうなってんだ!?一体ここは何処なんだ―――!??
「こちらです、陽様……♡」
「お……おう……」
"アユミ"だと……?確かに、言われてみれば口、目元なんかも『あゆみ』と似ているが……
しかし、歩けど歩けど、森は深くなっていく一方。銀座タワーどころか、ハチ公一匹見えてこないぜ。よほど田舎に来ちまったみたいだが……
「オイオイ、この国にはJRも無ぇのか?」
「J...R...?……貴方のスキル名ですか?♡♡♡♡」
「スキルだと?俺のサックス・スキルなら今日の夜、好きなだけ見せてやるが……」
「まあ、面白いお方♡♡♡♡♡では、私のスキルもお見せしますね♡♡」
俺とア=ユミは、そびえ立つ崖の上に着いた。
「スキルって……何の話だよ?」
「詠唱。<滑空> ―――――――――――♡♡♡」
うおおおおお!!!!!!?!??
俺とATMは、空高く舞い上がる。
このスリル、『ユーエスジェー』の『スプラッシュ・モウンテン』で女をハメ倒した時以来だぜ!!
眼前に広がる、大きな大地。地平線ははるか下にあり、その輪郭は円状に型どられている。
「スキル――――」。一体どういう仕組みなんだ!?
しばらく経つと、遠くに集落が見えてきた。周囲は木の柵で囲まれ、ログハウスのような簡素な木造建築が立ち並んでいる。
「あちらが我らが王国 ”GMORCH” の集落の一つでございます……♡♡♡♡♡♡」
おお!族長の娘が帰ってきたぞ!
集落の人間は、こちらを見上げると、指差し微笑んでいる。
俺とア=ユミは、ゆっくりと村の入口に着地する。
「おお……!!ア=ユミ様……無事でしたか……!」
村民はATMと同様、耳が尖っている。
「ア=ユミ……!驚かせおって!2日間も何処に居たのだ!!!」
「ごめんなさい。お父様。でも私、陰チャに襲われているところを陽様に助けていただいたの……♡♡♡♡♡」
「ウェイw カワイイ子いたから助けちゃいましたw」
「「「ユミ様を助けた!!!!??」」」
「なんてこった!」「これは宴じゃのう」「勇者の降臨じゃ!」
「おお……なんということだ……!なんと例を申し上げたらよいか……!!!」
ウェイ、俺またなんかやっちゃいました?w
夜になると、村民総勢で宴が始まる。
「イッキ!イッキ!イッキ!」
「陽クンのぉ~?カッコイイ所、見てみたいィ~~↑↑↑?www」
俺は村民のコールに答え、ビールをイッキする。
「ウェイ!ウェイ!ウェイ!ウェイ!ウェイ!」
「グビ!グビ!グビ!グビ!プハァッ!!」
「キャァ~~~♡♡♡♡カッコイィイィ♡♡♡♡♡♡♡」ジワジワジワ
「ン”ン”♡♡♡♡♡陽様ァ~~~~~~~~♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」モジモジモジモジ
村の女共は、皆俺に夢中だぜ!!
「ウェイ!全くなんてこった!全員が金髪だ!なんてイカしてる村なんだ!」
「本来、エルフ族以外は歓迎されないのですが……陽様も金髪のため、こうして馴染んでいるのでしょう♡♡♡」
村が寝静まる頃、俺は族長の村に招待される。
「どうやら聞く話によると、陰チャから娘の命を救っていただいたとか……一体どんなスキルで倒したのですか?」
「ウェイw そのスキルっていうの?一体どんな仕組みなんだよw」
「スキルを知らない……!?素手だけで倒したと言うのですか!?貴方は一体、どの星から来たのですか……?」
「何処って……ここは地球だろ?」
「いえ……ここは陽球と呼ばれる惑星です……」
オイオイ嘘だろ……?つまりここは「異世界」って事かよ……!!
つまり俺は、メガネオタクに毒殺された後、ここに転生した……ってことなのか……!?
「わかりました。今夜の所はこれにてお休み下さい。娘も、”お礼”をしたいと申しておりますし……」
族長は、部屋のカーテンを閉める。
「……陽様♡♡♡♡」
へへ、デュエット開始だぜ!
俺は、ア=ユミに跨り、顔を殴りつける
「ンアッッ♡♡♡」
チャリン♪
ん?なんだ、この音は?
周囲に、星型のパーティクルが飛び跳ねている。
「オラァ!オラァ!!」ドシッバシッ
チャリンチャリン♪♪♪
「「「レベルアップ!」」」
やっぱり、気の所為じゃねえ!それに何だ今の音声は――――!?
すると、俺の手元に半透明の画面が映し出される。まるで『アイフォン』みたいだ!
画面には、<ステータス><レベル><交換>といった内容が書かれている。
『op(女殴りポイント)を消費して、様々なアイテムと交換……』
俺は、<交換>をタップする。
『アイテム一覧』と書かれたUIには、様々なアイテムや内容が一覧表示される。
俺は試しに『指貝 20op(女殴りポイント)』をタップすると、サックス用の指貝が目の前に出現した!!
こ、これは……女を殴った金で、アイテムと交換――――――!!
これが俺の"能力―――――"!?
「ンン……陽様ァ……♡♡♡♡♡♡」
俺は指具を装着し、族長のATMに馬乗りすると、顔を連続で殴り続ける。
「アンアンアンアン♡♡♡♡♡♡♡」バキッバキッバキッ
チャリンチャリンチャリンチャリン♪♪♪♪♪♪
なんて鳴りの良いサックスなんだ!この調子で「op(女殴りポイント)」億まで稼ぐぜ!
時は過ぎ、深夜3時――――
バキッバキッ バキッ
「……」ビクンビクン
女が気絶する頃には、効果音は鳴り止み、opは貰えなくなっていた。
チッ、一人当たり上限があるみてえだな。こっちは現実と同じか。
俺は女を床に引きずり下ろし、ベッドに座ると、タバコ片手にメニュー一覧を確認する。
今日稼いだのは300op……
「リード」「マウスピース」「ソプラノサックス」……
なかなか気の良いアイテムが揃ってるじゃねえか。ん?これは―――――?
「現代に再転生」300op(女殴りポイント)―――――!
オイオイ!!!!現代に帰れるってことかよ!!!!!!!???!??
そうと決まればこんな世界に居座る理由は無ぇぜ!!!!
俺は、再転生を選択する――――――
つ
づ
く