表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/8

第2話 ~ vs ”陰チャ”〜

陰キャの青酸カリで毒殺された陽キャの俺は、見知らぬ土地で目を覚ます――――

気が付くと、金髪の美少女がクリーチャーに襲われており……!?

ウェイ!襲われてるのは、金髪で青い目をした美少女……!


「キャアアアッッ!早く助けてェェッッ!!」

ラッキー!外人の姉ーちゃんとも一度、<共演>()って見たかったんだよな!


「オラアッッ!」旋風脚!


俺は、クリーチャーの土手っ腹に踵を捩じ込ませる。

「ギ、ギチュアアアアアアア!!!!!!」


『ティックトック』で万バズしたこの技、中々キクだろ?


「ウェイ!姉ちゃん大丈夫か?」

「……ッッ♡♡♡♡♡♡♡ありがとうご……」

「ギチュギチュギチュギチュウウウウウウ!!!!!」


なんだよあのムカデ野郎!まだ動けんのか!

美少女との前奏、台無しにしやがって!


「まあ待てって姉ちゃん、俺がもう一度ぶっ倒してやっからよ!」

「き……気を付けて!あの化け物 "ドノタク"には強力な毒があります……ッッ♡♡♡♡♡♡」

ドノタク……気持ち悪い名前だな……

「その毒が体内に一滴でも入ったら、像でも数秒で死に至るとされています……♡♡♡♡」

「一度攻撃をかすったら即アウトって理由(ワケ)か……」


「ギチュギチュギチュニアアアア!!!!!」

化け物"ドノタク"は、真っ先に俺めがけて向かってくる。


「な……!!」


様子がおかしい、早すぎる!高校の体育祭で1位の俺より速ぇぞ!

最初の攻撃は金髪(A T M)が襲われてる最中の不意打ちだったからか!?


一撃食らったらアウト……クソ、これは「回避」だ!!!!


「ギチュウウウウウウウ!!!」


俺は、ドノタクの進行方向に対し垂直にローリングする。『ティックトック』では千バズの技だ!


「ギチュウ!!」

ドノタクは、突進方向の先にある大岩に勢いよく衝突する。

クソ……このままじゃまずい!


「おい姉ちゃん(A T M)!アイツに、何か弱点は無いのか!?」

「い……いえ……♡♡♡」

「なんでもいい!!特徴でも、生態でも!!」

「ひ……♡♡♡♡♡ひゃい♡♡♡♡♡"ドノタク"は、陰湿な環境で暮らす事で知られていますぅ……♡♡♡♡」


"陰湿"……"毒使い"……


!!!!!


姉ちゃん(ATM)!!!こっちだ!!!

「ふ……ふぁい……♡♡♡♡♡」


俺はATMの手を取り、山の丘を駆け上る。

「ここなら……!」


俺は足を止め、ゆっくりとドノタクの方を振り返る。


「……あの……!?止まるんですか!???すぐそこまでドノタクが走って来ています!!!急いで走らないと!!!!」


「ギチュウウウウウウウ!!!!」

高速で迫りくるドノタク。


「キ、キャアアアアアア!!!」

「……」


俺は、ニヤリと笑う。

「ギ……ギチュ……!??」

「え……!?♡♡」


ドノタクは、その動きを止める。


毒使いで陰湿……!奴らの動きには覚えがある……!

そう、大学<GMERCH>の人気のない暗い講義室―――――。

そこでスマホの『アンドロイド』を弄っていた『陰キャオタク』だ!!!


「一か八かの賭けだったが、奴の弱点は"日光"……!雲の切れ間から日光が差し込むこのスポットに、奴を誘い込んだのさ!!」

「!!!!流石です♡♡♡い……今すぐトドメを……!♡♡♡♡」


いや、その必要はない―――――――。

観察していて思ったが、奴は、"何故直ぐに金髪(A T M)を襲わなかったのか……?"

即ち、奴は女を "いやらしい目で見ているから――――――!!"

女性経験の薄さから来る挙動不審……トドメを刺す必要もない!


「……〜〜〜〜〜ッッッッッ!??!??♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

俺は、金髪のマウスにタンギングをする


「ギ……ギチュアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

俺と美女のアツい<協奏曲>を見たドノタクの頭部は嫉妬で弾け飛び、聞くに堪えない悍ましい断末魔を上げる。


「―――地獄で詫びるんだな!」


べチチチッ

弾け飛んだ紫色の肉片は、そこら一帯に散らばる。


「あっ………ありがとうございますぅ♡♡♡♡♡♡♡♡」

「あのバケモノは一体何なんだ!?作り物じゃねえよな……?」

「ご存じないのでしょうか?あれは、"陰に凄むクリーチャー" 、略して『陰チャ』と呼ばれています♡♡♡♡」


陰チャ……なんて薄ら汚え存在なんだ……


「私達の国は最近、急激に数を増やした陰チャから甚大な被害を受けているのです……どうか……私達の国、”GMORCHジーモーチ”を救っていただけないでしょうか……♡♡♡♡♡」


”GMORCH”だと!?俺の大学群の名称にそっくりじゃねえか……!

それに何だ、つまりここは日本じゃないって事か……!?


「と……ところで……お名前はなんと言うんですか???♡♡♡♡」キュンキュンキュンキュン

「俺は"(よう)"。GMERCH出身のサックスボーイだぜ。ATM(おまえ)は?」


「ンアァッ……♡♡♡♡ "ア=ユミ"と申しますぅンン♡♡♡♡♡」

俺のあゆみ(ATM)と同名……偶然だよな……?

俺は、金髪少女の顔を見る。


!!!?


彼女の右頬には、赤いビンタの跡があった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ