ぼんじんの夢
自分は何者でもない
何者にもなれない
平凡に普通で通り過ぎて行くだけの存在
この世界には他人の為、日々研究し
文化や文明、娯楽を提供する賢い人達がいる
さもこの時代にこう生きたぞ、と証明するように
自分だって大人になれば何かが作れると思っていた
人に何かを提供するナニカになれると
しかし現実は現実で
頭でしっかり考えて生きなければ作れるはずもなく
考えずダラダラ生きても、この27年間何も降ってこなかった
子供にそんな世界の当たり前を諭してくれる偉い人はあたしには現れず
それなりに勉強し、ただただ線路からはみ出すな、とだけ口酸っぱく教えられた
だから憧れる
自分を通す強い意志がある人達に
いつか何処かの知らない誰かに感心される
偉業を成し遂げるそんな自分に、なりたい
いつだってヒーローやヒロインに憧れていた
「将来の夢?ってそんなん、1番苦手だし。」
「あー確かにそうゆうの昔からお前はそうだよな、やりたい事とかなかったん?」
「正直何も思いつかないしなんでもいい…って思っちゃうんだよね。けど、何かをしたいって気持ちはある。」
「あーそれはわかる気ぃするけど。てかこの歳になると焦りってより消失感?ってゆーの?そんなんは出てくんね。」
「今更さ、頑張ったって報われないよ。」
「お前昔から言ってんじゃんそれー。最初の方にやり始めてたら何かしら報われてんじゃねーの?」
うっ…コイツ昔っからドストレートに芯を付くこと言うよな。
悪がないから嫌では無いのがいい所だけど。
「…正論は嫌い。時間は戻らないのに。」
「あはは。でもそれ凄く、らしいわ。俺も人の事言えねーけどさ。何か見つけれたらいいのになって思うよ、コレはマジでね。ぶっちゃげ昔からずっと思ってた。」
「だったらその当時に言って欲しかったな!でもナニカ、か。どうやって見つかんのさ?逆に誰かあたしのいい所見つけてくんないかな。」
「あ?スカウト希望か?まぁ確かにお前美形だしそんなんも全然ありだろ。あーけどまぁ駆け出すにしちゃ歳はもうそんな若くねぇのかな。」
「さっきからちょいちょい口悪ぃな!女子に失礼だぞ。てかそんな意味じゃないしさ!」
「えー?イケると思うけどな。実はそれも昔からちょっと思ってたんよな。お前可愛いから芸能系とか行けばいいのにって。」
「えっ。急にやめてやめてよ、恥ずかしい!昔の友達にそーゆー事言われんのマジで恥ずいから!辞めれ!」
「歌とかもうめぇーじゃん。それなりに、な。うししし。」
「辞めれっつってんだろが!」
ドゲシッ!
隣でバカ笑いしてる親友にケリを入れた、思いっきり。
コイツは高校の時の同級生。
今でもたまに会っていて、互いの家やらで飲みながら近況を語り合う仲だった。
今日のトークテーマ?は仕事の愚痴から始まって結局将来の夢的な話の様だ。
今でこそバカ話として話せているが当時夢なんて語るのも考えるのも嫌で仕方なかった。
夢なぞ考えず親にも誰にも語らない子供だった。
ただ寝る前にふと焦りと消失感に駆られる時があった。
そんな時は決まって色んな事が駆け巡り寝れない日になった。
それだけ。
そんな子供時代。
「…もの見つかんないならさ。俺が貰ってやるからな。お嫁さんってのやれよ。」
ん?聞いてなかった。
今コイツお嫁さんとか言ったか?酔って頭湧いてんのか?
これをそのまま告げてやってもいいがあたしは常識はある人間だ、気心を添えてやる。
「え?何て?あんまり聞いてなかったけどあんたお嫁さん欲しいの?何?寂しいの?性欲?」
口は滑りに滑った挙句に下ネタになった。~あたしの気心を添えて~の意味は大してなかった。
「んだよー。たまには真面目に考えてやったのに。お前が!この先なんも見つかんなくてもー心配いらねぇぞって俺は言いたかったのー。なんだよもうー。その返しが寂しいよ俺はー!うがー!」
コイツのこうゆう所が好きだ。
いや異性とかでなく人間として、ね。
思った事を飾らず素直な気持ちを伝えれる側なんだ。
凄く羨ましいしとても素敵だと思う。
「あーはいはい、ありがとうありがとう。酔っ払いに心配されても全然嬉しくないけど、感謝はしとこうかな一応。」
「えへ、そうだろー。俺はいつだってお前の味方だからなー。」
そう言って酔っ払いはその場にゴロンと寝転がった。
ああ、このパターンはこのまま寝落ちする奴だ。
布団へ連れてかないと。
うんしょと引っ張って手を引き、肩を貸し布団に連れてく。
「はいはいそうだねちゅっちゅっ。あたしも愛してる愛してる。そろそろ遅いし寝よっかね。布団に行くよ。」
「ほらそうやって相手してくれるんだ。お前は昔っから俺なんかに構ってくれるのがいいんだー。」
今日はだいぶ酔ってんなー。
さっきから聞いてた仕事の愚痴も辛そうなの多めだったし、きっと疲れてるんだろう。
「相手とか言うな。言い方ヤラしぃな!てか嫌いだったら一緒に飲むか!友達だったら当たり前だろ。」
「あー急にそんな事言うじゃん。俺、泣いちゃう。」
ふらふらした足取りの奴がうるうるしている。
なんかちょっとめんどくさいな。
布団に投げちゃえ、えい。
ゴツッ!
「いてー。ううー。いてー。嬉しかったのに。何で最後雑なんだよー。うううううう。」
「あーもー泣くな泣くな。はいはいヨシヨシしたげる。ほら毛布だよー。寝ようね。あたしも後で添い寝したげるから。」
「ああうう。痛い眠い、お嫁さん…。グゥ。」
はっや。
痛がってたかと思ったらもう寝た。
最後の一言が気になったが気にしたら負けな気がする。
しっかしあたしも今日はいつも話さない部分まで無駄に話し過ぎたかな、酔っていた様だ。
でもあやして寝かせて少し母性ってのをわかった気がする、あくまで気がするだけだが。
シャコシャコシャコシャコ
歯を磨きながら想う。
今年で27歳。
今まで恋愛して来なかったわけじゃないしそれなりに人と付き合った。
セックスとかだって好きだし快楽を求めるのもわかる。
愛おしいが全く分からないわけじゃない。
でも本気の好きが分かっているかどうかはわからない。
自分の好きな事もわからないのに好きな人なんてもっと分かるはずもない。
一生一緒にいる人?ゾッとする。
今までずっと本能で生きてきた。
寂しいと思った時、ムラっとした時に近くに寄り添ってくれる男がいたならデートしたいし、えっちもする。
一目惚れや恋かな?って思う事もあったが自分から告白をした事は1度もないし、する気も無い。
何故ならあたしが好きな人より自分の事を好きと言ってくれる人の方が安心出来るから。
とゆうか実は昔そこで寝ているアイツとも1回した事がある。
本能のまま、性欲まみれの激しい中出しを2~3発決めた。
当時2人とも高校生で性に興味があった、2人で飲めもしない酒飲んで酔った勢いでって奴。
互いに初体験だった。
奴が今それをどう記憶してるかはわからないけど、あたしは幸せだった。
その前もそれからもアイツが好意を向けてくれているのは勿論知ってる、けどあたしだって同じ位向けているつもりだ。
だからあたしの中では対等な友達で、この関係がとても好きだ。
あたしはアイツを絶対に裏切らないしアイツもあたしを裏切らない。
もしも…アイツにまで裏切られる事があったら…。
あたしは本当に脆く簡単に。
ポッキリと折れてしまうに違いない。
ガラガラガラガラペッ
処女思い出してあたしとかアイツとかって何回言ってんだよ。
お前の頭ん中エロ少女漫画かっての。
新連載あたしとアイツ。クソつまんなそうでウケない。
クールな感じで生きてても心の中だけはしっかりとメス臭多めなんだよな。
と冷静に自己嫌悪しつつ口を濯ぐ。
「さてさてと。お邪魔するよ。」
「うあんう~。ぐぅ。ぐぅ。」
「ふふ、何やってんだ布団ハゲてんぞ。ほら。」
そう言って狭い部屋の1つの狭い布団で寄り添い友達のオスの胸の中に収まる。
すぅーはー。くんくん、お日様のいい匂いがする。
布団とシーツ今日洗ったな、あたしが来るからか。
色々な事で胸が暖かくなり目の前の物をギュッと抱きしめた。
落ち着く、うん凄く落ち着く。
これなら余計な事考えずに安眠できそうだ。
今日は少し考え過ぎた。
さあて明日は何をしようか。
まぁ結局、またいつもの朝が始まるだけなんだろうけど?
そうやってぼんじんは夢をみる。
書き溜めてる異世界物やらなんやら色々あるんですが、見せれるレベルの代物を書けてないです。んでこれは見せれるレベルなのか?と小一時間ほど問いただされたい人生です初めまして。とりあえず短編、しかもこんなに短い文章でなんて!物書きの方達にとても失礼なんですが初めて文章を書いているのでご愛嬌と言う事でよろしくお願い致します。これでこの2人の話は終わりですが、実はまだネタは色々あるんですよね。もし好評なら書く機会もあるかと思いますのでまたその時に。