表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/48

1-1 出会い

2作品目となりました。

ファンタジー初挑戦です。

至らぬところばかりかとは思いますが

暖かく見守って頂けるとありがたいです(._.)

毎週水曜更新予定です

 魔力さえあれば魔法が使える。

そのうえで、一人一つアビリティに目覚める。


 アビリティとは身体能力や魔力を高める

戦闘に適したものもあれば、

作物の成長を促すなど生活が便利になるものもあり、

その種類は膨大だ。


 僕はレイ=セプテンヴァー

サーマント学園高等部に通う一年生だ。


 サーマント学園があるペスカリア地方は

世界的に見れば辺境といわれる位置にある。


 広大な海や森があり、

未開拓の自然が大部分を占めているが、

中心部には冒険者ギルドや、魔法学園もある。


 ちょっと外れれば、ど田舎ではあるが

街に出ればそれなりに栄えている。


 サーマント学園は

アビリティと魔法を中心とした

戦闘技能について、教える学園である。


 アビリティや魔法は使い方を誤れば、

脅威的で凶悪な威力を発揮する。


 持って生まれてくるアビリティは人によって違い、

ほとんど役に立たないようなものもあるが、

強力な力を持つアビリティもある。


 アビリティは通常幼少期に発現することが多いが、

発現時期は人によってことなる。


  どんな能力に目覚めるかは才能といわれているが、

実際は運のようなものである。


 そんななかで、魔物を討ち滅ぼせるアビリティを持つ

冒険者や軍人は世界を守る英雄でもあり、

報酬もばかにならない、人気の職業なのである。


  この学園は初等部、中等部、高等部からなり、

年齢によって所属がきまる。


 力が認められれば、卒業できるので

飛び級で進級し、卒業する生徒もいる。


 6才から18才の生徒が年齢によって

それぞれの学年に振り分けられ、学んでいる。


 初等部から入学してそのまま

高等部で卒業するのが通例だが、

アビリティの発現により、編入してくる生徒もいる。


 そんな学園で、中等部から編入してきた僕は、

個人的には普通に、適当に生きていければいいので

冒険者になる気も別になかったが


 初等部に通うことになった妹の強烈な後押しにより、

入学せざるを得なくなってしまったのだ

話は妹の入学まで遡る。


------

「家から離れた怖い怖いところで、

私を一人にするのですか?」


  妹の入学がきまると、

僕にも一緒に入学して欲しいと言ってきたのだ。


 怖いなら行かなければいいとも思ったが、涙目でこちらを

伺いながら言うもんだから、了承せざるを得なかった。


  すると先ほどの涙などなかったかのように

笑顔ですぐさま、

「お父様やお母様に伝えて、入学の支度をしなくては」

 などと、のたまい彼方へと消えていった。


 魔物から妹を助けたことが何度かあり、

妹の評価は高かったようだ。

加えて、見知らぬ地への不安もあったのだろう。


  だが、彼女は冒険者になるにはうってつけな、

強力なアビリティを持っているため

僕の助けなど要らないだろう。


  実際未だ助けを求められることはなく、

学園で会うこともあまりない。

うまくやっているようだ。


 僕の家は田舎で使用人もいないような家だが、

一応貴族の血筋らしい。


 そんな家は力のある貴族に嫁ぐのが

一番の名誉であるため、

妹は相応の教育を受けている。


 ただ僕が疎まれているわけではなく、放任主義の両親は

僕がやる気がないので自由にさせてくれているのだ。

------



 とまぁ昔のことを考えてみたが、今の生活も悪くはない。

学園では適当に目立たないように過ごしている。

僕のアビリティは『ハンター』

狩猟的な事は一通りできる、ということにしている。


 具体的には索敵能力が上がるなどだ。

ざっくりした能力として申請することによって、

もしなにか別の能力が必要になったとき、

誤魔化しがきくようにしているのだ。


 アビリティといっても

一つのアビリティで複数の能力が上がることもある。


 なので狩猟的なこと全般でも通るし、

本当の能力を隠している僕にとっては

そちらの方が楽なのである。


  子供騙しのようなものだが、

一応偽装系のアビリティも使えるため、

しっかり調べようとしない限り僕の真のアビリティを

知ることは難しいだろう。


 逆に言えば、しっかり調べられたら簡単にバレるのだが、

就職など今後に有利なのに、

わざわざアビリティを弱く申請するもの

などいないだろう。

そのため追及されることもなかった。


  強く申請してしまえば、

当然その申請に見合う強さでなければいけないし、

どこかでボロが出る。

だが、逆の場合バレたとしても、成長したと言えばいいのだ。



 ということで、

僕の本当のアビリティは名前は『ハンター』だが、

能力は少し違う。

目立ちたくないので、隠している。

人生平穏が一番なのだ。


  そんなこんなでなんとか平和に暮らしていた

ある日高等部にもなれてきた頃の

昼休みに事件はおこった……



 その日はいつも通りだだっ広い中庭にある

大きな木の上で一人でご飯を食べていた。


「だーかーら俺たちに魔法教えて

くれっつってんだよー

手取り足とりさーグヘヘ」


 男どもが女生徒を取り囲んでいる。

この場所は人通りもなく、

静かなのがよかったのに

さっさと消えてくれとおもいながも

眺めていると


  囲まれているのは知っている人物だった。

彼女はここから少し離れた国の王女だ

立場を隠して高等部三年として通っている。


  隠しているといっても先生は知っているだろうし

アビリティを知れる能力もあるため、

バレても問題はない程度であろう。

僕でも分かるぐらいなのだから。


 王女だというだけで

普通の生徒扱いは受けられないので

そうしているのであろうと、勝手に考えている。


 たまたま『見破り』という

簡単な嘘や偽装が見抜けるアビリティが、使えるようになり、

使っていたら彼女が名前を偽装したいることを知り、

隣国の王女と似ていることから

僕の中の推理でそういう結論に至ったのだ。

もちろん間違っている可能性もあるが……


 自分を偽っているという点で、

なんとなく同じ匂いを感じたのもある。

その点で一方的に親近感を抱いていた。


  まぁ関わることはなかったのだが……

彼女はエナリオン=エーゲルトと名乗っている。


 アビリティは『分析』

加えて魔法の適正がかなりあり、全属性の魔法が使える。

相手の弱点をアビリティで分析しつつ、

また行動も分析し、魔法で着実に叩くというスタイルだ。


  彼女は学園トップクラスの実力者なので、能力も知られている。

さらに彼女は街を歩けばほとんどの男が振り返るほど

可愛らしいルックスをしており、人気もかなり高いのである。


 しかし、相手が多すぎる。

さらには彼女は優しい性格であるがゆえ、

大規模魔法で追い払うことは可能ではあるが、

魔力量が多すぎるが故に加減ができず、

躊躇しているのだろう。


 とりあえず

魔法っぽい攻撃で追い払うことにした。

そうすることによって、彼女が自分で攻撃してるように

見せかける狙いだ。


 僕は魔法に関してはからきしで

何故か全く使えないのだが、

なんとかなるだろう。


 とりあえず彼らの近くに大量の火の玉を出現させた。

パッと見初級魔法【ファイヤーボール】に見えるが

アビリティ『火球』だ。


  魔法であれば勝手に消えるが

アビリティはこちらの意思で消せる。

「あ、あちぃ!」

「何かしやがったな!?」

男たちは狙い通り逃げ惑っている。



「な、なに?」

彼女も戸惑わせてしまった……


  こいつらもそこそこ魔道が使えるが、

なかなか消えないこの火の玉に対応していると、

ナンパどころではない。


 もちろん姫には当たらないようにコントロールしている。

しばらくたって相変わらず

男たちは逃げ惑っているが、

姫も何故か、その場に立ちすくしている。


 驚いて動けないのだろうか

早く逃げてほしいのだが…

しょうがない次のプランだ。


「ニャア」


「猫?」

 猫が誘うように姫に語りかける。

そして彼女ははっとしたような表情になり、

その場を後にした。


「あ、ありがとう」


「ニャアーン」


  そして猫は消えた。

さてこれで僕は平和な昼休みを楽しめるというわけだ


--


 次の日

なぜか彼女がまたキョロキョロしていた。


 まずい。

当たり前だが、

誰かが助けたことがバレている。


  明らかに僕を探している。

彼女の分析のアビリティはかなり高度で、

索敵能力があってもおかしくない。


 ちょっとした能力を使って隠れているのだが、

こんなもの意識的に探されたらすぐに見つかってしまうだろう。

そうなっては僕のアビリティがバレてしまい、

平和な学園生活が終わってしまうかもしれない。


 ということで再びレイラを遣った。

レイラとはこの間の猫のような生物

僕の使い魔だ。


 使い魔は元々魔物であるが、

契約によって使役することができるのだ。

戦闘タイプではないが、

彼女は実家時代からの相棒だ。


「にゃあー」

「猫ちゃん…私ね昨日助けてもらったんだけど

何か知らない?」


「にゃあ?」

 そこで僕はネズミ型の魔物を送り込んだ。

ここは中庭といっても広大であり、

森のようになっている区域で、

こういった弱い魔物が迷いこんでくることもあるのだ。


 ただそれはかなり稀で、そんなに

都合よく現れるはずもなく、

僕が普段全く使い道のないアビリティ『魔寄せ』

によって引き寄せた。


「にゃー!」

 そしてこの間のように

『火球』でレイラがかけたようにみせかける。


「嘘!?」

 そしてなんなく撃退して、レイラは

満足げな顔をしている


「……」

「あなたじゃないわね……」


!?

 完璧な作戦だと思ったのだが、

何故かバレてしまっていた。


「勘だけどね…」


 なんだそれは

びっくりしたじゃないか



--

 次の日も彼女はやってきた。

昨日の一件で

まだ、あきらめていなかったのだ。


 レイラは既に木の根元で寝かせていた



「ねこちゃーんおやつだよー」


 まずい

使い魔の忠誠心は本物だが、善悪の判断は難しい。

懐柔されて、レイラが彼女に害がないと思えば、

良かれと思って僕を紹介してくる可能性があるのだ。


 急いでレイラを隠した。

当然こちらにくるような形ではない。


 突然別の木の影に向かって歩きだし、

森の中に消えていったのだ。

猫は気まぐれな生き物である。

このくらいは普通だろう。


「おかしい

猫系なのにこの餌にくいつかないなんて」

やっぱり使い魔……」


 はいバレてました。


--

 次の日

今度はかごをもってきた。

「これはあなた…

これはあなたのご主人に…」


 なんということでしょう

僕のご飯まで持ってきてくれたのだという。

彼女は暇なのだろうか

とりあえずこのままだとバレるのは時間の問題だ。


 今日はレイラが喋ってるように見せることにした。

アビリティ『テレパシー』だ。


「心優しい人間よ…

わたしは森の妖精姿も変えることができます。


気持ちは嬉しいのですが、

こちらとしてもうるさかったから追い払っただけなのです。

そこまでしてくれなくても…」


 そこまでいうと彼女はすかさず言った。

「嘘…こんなところに妖精はいないはず

どこの文献にも載ってない

あなたの正体も検討はついてる……

いつも教室や食堂に居ないのは数名


生徒名簿とか見て、アビリティとか

魔法の欄を見てもしっくりこなかった


じゃあ隠している……

となると恐らく極度のめんどくさがりで、

一対一の実技にも積極的に参加していない


レイ=セプテンヴァーの可能性が高い……」


 はい、ばれてます。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] お姫様に 関わらなきゃ済む話 ってツッコミは野暮なんだろなww [一言] とりま面白い
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ