表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
厨二病の真骨頂は転生後  作者: 琴熊
2/12

異世界サバイバル

 女神の姿が光で見えなくなると、また俺の辺りは真っ暗になる。


 どんな世界が待っているのかなーと呑気に構えていると、自分の体が溶けて空気のように漂う感覚になる。


 俺の五感は何も感じない。

 いきなりそんな状況に陥った時、人はきっと発狂するだろう。


 しかし平野の場合、不思議なほどに不安はなかった。

 不思議な出来事が起きるたび、異世界っぽいぞ!と平野のテンションは上がるのだ。


 そして、かなり長い時間同じ状態が続いた。


「しかし想像していたよりも転生までに時間がかかるな、まあ焦ることはないが」

 きっと女神の力が弱まっていたせいで、スムーズに転生できないのだろう。


 平野は長い時間、意識だけで浮遊しているような感覚を味わった。

 やがて、暗い景色に変化がなさすぎるのに飽きてきたのでスッと眠りについた。


 そうして平野の意識が眠っているうちに魂はあっさりと転生を完了して、新しい肉体を獲得していた。


 もちろんそんなことに本人は全く気づいていない。



 平野が次に目覚めた時には、既に魂は新しい体に定着していた。


 ぼんやりと目を覚ましてあたりを見回す平野。高い草の草むらの中に寝転がっている。

 どうやら暗闇ではなくなったみたいだな。


 草に覆われているからか、涼しくて気持ちがいい。

 地面の冷気が背中に伝わり、少しブルっと震える。

 風が草をさやさやと鳴らしているのもまた、風情がある。



「どうやら、寝てる間に転生できたらしいな」

 今までに見たことのない原風景、この空気感、すぐにここが異世界であるとわかった。


 起き上がろうとした途端、葉から大きな水滴が顔に直撃してビックリする。

 このリアルな感覚、うん、夢ではなさそうだな。


 よっこいしょと立ち上がって辺りの様子を見てみるが、草が高くてよく見えない。

 そして、ここであることに気づく。


「なんか、身長縮んでる?まだこの世界の感覚に馴染めてないだけか?」


 気のせいか、体が一回り小さいような…

 下を見ると、靴がいつもより近くに見える。

 それに、声も高くなっているようだ。


 間違いなく、体は子供に戻ってるのだ。


 今の俺は身長からして、10歳前後だろう。なんて中途半端な…


 容姿は前世のままなのだろうか、手足は人間のようだが、全くの別人に生まれ変わっている可能性もある。


 顔を触って平野の顔のままかどうか確かめてみるが、そもそも自分の顔をそんなに触ったことがなかったのでよくわからない。

 くっそ、鏡ほしいな、てか、女神さんに詳しく聞いてから転生すればよかった…


 まあわからないことは後回しにしよう、わかることからすればいい。



 一度落ち着こう。

 よし、深呼吸だ。


 鼻から入ってくるのは、都会暮らしの平野には滅多に味わうことのない澄み切った空気。

 草の香りが全身に染み渡る。


 そうしてしばらく異世界の空気を堪能していると、無性に喉が渇いてきた。


 水は…ない。


 当然か。身一つで来たから。

 いや、訂正。

 俺が書いた秘術の書が手元に残っている。


 とにかくまずは水を探そう。人間、水が自由に使えないのは致命傷だ。


 幸いにも今は草に覆われているから、敵に襲われる危険は少ないだろう。

 注意して移動してみよう。


 もっとも、この世界にはどんな生き物がいるのか知らないが。




 マップがあると便利なのだが…

 そう思っていると、頭の中で声がした。


「マップを展開します」


 一瞬何が起こったのか分からなかった。

 しかしすぐに、やっぱりファンタジーの世界なんだな、こうゆうゲームっぽい設定になってるのかと納得。


 頭の中の声がしてすぐ、目の前に長方形の画面が現れた。もちろんプロジェクターもスクリーンもない。宙に現れたのだ。


「おおっ!これ!!ファンタジーっぽい!」

 興奮してると、画面に見たことない地形が現れた。


 どうやら、世界全体は見れないらしい。

 周辺の地形だけが描かれている。

 地図に書かれた文字は日本語とは違うが、転生の影響なのかスラスラと読める。


 これで充分だ、近くに小さな川が流れているな。まずはここまで移動しよう。


 生前の厨二病のおかげで、こんなイリュージョンみたいな状況もすぐに対応できる。

 妄想の中で経験済みだからな。


 南西に2キロほどだな。2キロの歩行は引きこもりにとっては10キロマラソンと同義だ。

 でもしばらくはサバイバルが続きそうだ、どうせ体力も鍛えなくちゃならない。



 覚悟を決めて歩き始める。

 草むらが生い茂っているので道はないが、地図を見ながら勘で進む。

「よし、ちゃんと進んでる」


 そういえば、地図が出るなら俺のスキルとかも見れるんじゃ?

 と思ったら、スキル画面が表示された。


「さすが俺、ファンタジーに対しての勘が育っている。

 さて、どれどれ?」



 あっ、歩きスマホ(歩きスキル確認)はNGだ。一度立ち止まろう。こんな世界で注意散漫に歩くのは危険だしな。

 俺もただの厨二バカではない。ちゃんと常識をわきまえてるし堅実なのだ。

 そのへんの脳内お花畑な厨二病と一緒にされたくない。


 立ち止まって、早速上から順番に目を通していく。

 下までざっと確認し終えた平野。

 …

 一度目を瞑り、もう一度上から順番にじっくりと目を通す。

 …


 [名前] 不明

 [種族] 不明

 [所属] なし(野生)

 [スキル] 未獲得

 [魔法] なし

 [体術] レベル1



「……」

「雑魚キャラじゃねえか!」

 平野は一人で吠えた。

 知識があるからこそのショック。

 もう、半泣きだ。



 待遇悪いとは言ったよ?

 名前ないのは百歩譲って分かる。

 種族不明?俺何者?


 スキルや他の能力は1から獲得していかなくちゃならないらしいな。

 でも野生だから、仲間がいないわけだ。

 野生の人ってなに?野生児?



 つまり、戦闘を教えてくれる師匠もいないわけだ。

 1人で強くなるしかないようだ。

 それにしては、初期値の待遇が酷すぎる。

 これはすぐに死ぬぞ。


 わかった、俺はきっと、その辺の魔物の餌になるために生まれてきたんだろうな…


「アホか!そんな事のために転生したんじゃないわ!」

 さすがに腹立ってきたぞ、あの女神め…

 そう憤っていたのが通じたのだろうか、頭の中にさっきと違う声がした。


「呼びました?」

 女神の声だ。てか話せるんかい!


「話せるんなら最初から教えてくださいよ、寂しかったじゃないっすか」


「あまりに気持ち良さそうにリラックスしておられたから…

 ところで何かようですか?」


「待遇が悪すぎるんですよ!種族なしって何ですか?」

 食い気味に抗議した。


「異世界から魔物に転生したことが前例になかったものですから、バグが起きたのですかね?

 私が確認できる限りは、あなたは半人半魔ですね。」


 半人半魔、いわゆる半妖だろう。それってもしや、レアキャラじゃないか!?

 それはそれで納得。


 続けて聞く。

「スキルはどうやって獲得するんです?」


「スキルの種類にもよりますが、特定の行動をするなど条件を満たせば、自然に獲得されるはずですよ

 それぞれの条件はお伝えできませんけどね」


 自分でアクションを起こすしかなさそうだな。

「なるほど、じゃあ俺はこれからどうすればいい?このままじゃすぐに死にそうなステータスなんだが?」


「えっと、そう…ですね、ご自由なファンタジーライフをお楽しみください!

 なんとか、なんとかなりますよ!」


 そんなん私に聞かれても…的な口調で突き放された。

 それっきり女神の声は途絶えた。


 なんとかなるって…まったく無責任な女神だ。

 まあ俺の望みは叶えてもらったわけだし、あとは自己責任というのは道理なのかもしれない。



 とにかく今はスキル云々は考えなくていい。俺の勘がそう言っている。

 まずこのサバイバルを生き残ることが最優先事項だろう。


 さっきから喉が渇いて死にそうなのだ。あと1.9キロ先にある川に無事たどり着くのが最初のミッションだな。

 そう考えるとちょっとだけゲームっぽくて楽しい。何事も気の持ちようだな!


 スキル画面を閉じて再び地図を開く。

 そして、また足を動かし始める。


 しかしさっき半妖と自覚したからだろうか、なんだかさっきよりも体が軽く動く気がするぞ。

 走ってみると、それなりにスピードが出るし、まあまあ持久力もある。

 とはいえ、人間の男子中学生の平均タイムくらいだと思うが。


 そうして思っていたより早く、目的の川にたどり着いた。

 ようやく緑ばかりの景色が変わってホッとするな。

 川はひっそりと流れていた。

 決して大きくはない川だが、そこに流れるミネラルか何かが辺りの草花にエネルギーを与えているのがわかる。

 太陽光を反射して川の水面が煌めいているのが、また生命力を感じさせる。


 俺も喉が渇いているので、その水から生命を分けてもらいたい。

 両手をくっつけて、手のひらに水を汲もうとする。


 しかし、水に触れる直前に少し考え直した。


 そういえばこの川の水は大丈夫なのかな、見た感じ綺麗で透明だけど…

 変なプランクトンとかいないのかな。

 俺は潔癖なのだ。


 用心深く、しばらく飲むのを躊躇う。

 かなりの時間迷って、その場を離れたりまた戻ってきたりを繰り返す。


 こんな都合よく現れた水場、一見オアシスだがちょっと難度の高いゲームなら即死系の罠って可能性も大だ。

 やはり本能的に危険な気がすると思い、飲むのを断念した。


 その時、頭の中で声がした。

 マップを開く時と同じ、機械的な声だ。


「スキル[解析]を獲得しました」


 なにやらあっさりとスキルが身についたらしい。

 これはうれしい、血が騒ぐ!

 こんなに簡単なものなのか。


 解析、名前の通りなら物事の性質を解析できるスキルだろう。

 この感じだと攻撃系のスキルも存在するだろうな、楽しみだ!



 とにかくスキルは使いこなさなければ宝の持ち腐れだ。テストしよう。

 スキル[解析]を使用!と念じる。


 すると、また目の前に画面が出てきた。

 その画面に、川の水の成分が事細かに表示されている。

 すごいぞ!これはなかなか便利だ。



 そしてその項目の中に気になるものがあった。


 [小川の水]不純物 バルドガ虫


 何これ、虫?


 [バルドガ虫]

 寄生虫。口から生物の体内に侵入し、胃液を餌に増殖、成長し、強酸を放出しながら生物の体を溶かして脱出する。


 恐っ!飲まなくてよかった…

 誰だミネラルだとか言ったの、ただの殺人水じゃねえか!


 でもきっと、あの情報のない状況で正しい判断をして水を飲まなかったのがスキル獲得の条件だったんだろう。

 俺のRPG経験がここで役立つとはな、ゲームは勉強より役に立つぞ!(※個人の意見です)



 何はともあれ、かなり役立ちそうなスキルが獲得できた。

 周りの草や川の名前や情報までも自動的に可視化されている。

 サバイバルにもってこいの、危険回避能力みたいだ。



 しかし、やっとたどり着いた水場、他に水のあるところを探すには体力が心配だ。



 俺の勘によると解析スキルはこんな使い方もできるはず。

「この川の水を飲めるようにするには?」


 試しに聞いてみた。


 すると解析スキルに答えが表示された。

 ビンゴだ。


「周りの草の汁に殺虫成分があるため、草を上手く混ぜると飲料水にできます」


 excellent!女神と違ってなかなか使えるスキルだ。



 早速近くの大ぶりな葉っぱで水を掬い、上からまた草を絞って汁を垂らす。


 こういう作業をしてると子供の頃、施設で原始人の体験をしたのを思い出すなぁ。

 日常を過ごしているとその気持ちを忘れてしまうものだ。嗚呼無常。



 そうして草の汁を絞りつづけ、なんとか一杯の飲める水ができた。

 解析で見ても、「不純物無害」と表示が変わっている。

 なんか、かなり前世の科学に反してる気がするが、その辺アバウトな世界なんだろう、気にしないでおこう!


 喉が渇いていたので覚悟を決めて一気に飲みほす。

 体が一気に潤うのがわかる。


 苦労して得た水の味は格別だな。

 前世の環境がいかに恵まれていたかを実感する。



 なんだか体力が回復した気がする。

 飲んだ感じ、異常もない。


 解析スキルの言うことは信用できそうだ。



 できれば次の場所に水を持って行きたいが、水筒のように溜めるものがない。

 今あるのは、着ているシャツとジーパン、そして自作の「秘術の書」だけだ。

 やばい装備、初期装備さえ与えられなかったのか。


 秘術の書はあんなに苦労して書いたが今となっては荷物でしかない。この世界にはきっと本物の魔法書がある気がする。

 とはいえ捨てていのも心が痛い。前世の俺の形見として持っておこうか。



 思ったよりもキツイな、異世界のサバイバル生活。

 使えるスキルが身についたとはいえ、まだピンチは抜けていない。


 とにかく、まだ虫以外の生物に出会っていない。

 人か魔物か、誰かに合わないと何も物語は始まらないだろう。


 人が居そうな村を探してみよう。

 そう決めると、川を後にしてまた草原を歩き始める。


 しばらくするとマップの端に、洞窟らしきものが見えた。

「行ってみるか、天候も把握してないし屋根がある方がいいな」


 肉眼でもうっすら見えるくらいに近い。

 すると、いきなり洞窟の解析が始まった。

 どうやら肉眼で認識すれば自動解析可能らしい。

 再三いうが便利なスキルだ。


 解析によると、コジヤ洞窟というらしい。

 人間の村のはずれにあり、鉱石の発掘が行われているらしい。



「おっ!早速人の気配がするではないか、行ってみるしかないな!」

 楽しみだ、そう思っているうちに自然と走っていた。



 やはり走力が上がっているようで、5分も立たないうちに、洞窟の入り口がハッキリと見えてきた。

 人はいないようだ、今日は発掘作業はおやすみなのか?


 洞窟の入り口は大きく口を開き、一方入ると暗闇だ。

 松明を掛けられそうな溝が所々に掘られており、ところどころ人の手が加わっていることが感じられた。


 しっかし自然の大洞窟ってのは如何にも魔物が出るぞってゆう迫力あるなぁ…


 恐る恐る中に入ってみる。

 驚いたことに、解析スキルは暗くて肉眼に見えていない物まで解析している。


 どうやら感知・探知機能も備わっているらしい。

 赤外線の暗視スコープのような感覚で、内部の様子がハッキリとわかる。


 目には見えないが脳内に直接解析情報が流れ込んできているので、洞窟内の地形までもが理解できるのだ。


 本当に便利なスキルだな。

 平野は気づいていないが、平野の魂に刻み込まれたファンタジーアニメやゲームの経験は平野の「異世界勘」を高めており、無意識にスキルの効果を最大限に発揮させることに成功しているのだ。

 要約すると、厨二病万歳!!


 100%解析スキル頼りで洞窟を奥の方まで進む。

 洞窟を歩いていると、所々の岩の隙間に周りの岩とは明らかに違う石が転がっていた。解析すると


 [魔石(上)]魔力を多量に吸収した石。だそうだ。



 これは珍しそうだ、アイテムは持っておいて損はないだろう。

 とりあえず手のひらサイズだし、ポケットに入れて行こう。


 ほかにも小さい魔石が何個かあったので、見つけたものはポケットに入れまくった。

 後で高値で売れるかもしれないしな。


 後はだいたい普通の岩だな、よし発掘終了!



 洞窟をくまなく探索してみたのだが、他の生物が探知できない。

 何も住んでいないのだろうか。

 魔物とかいるかと思った。


 まあ、いても困るけどな。



 しかし誰もいないのなら、ここを俺が独占して宿にできるってもんだ。


 言い忘れたが、この洞窟に俺はある奇跡を見つけた。水があるのだ、それも飲める水が!

 地下に溜まった水たまりだろう、解析したら完全無害だったのだ。


 今の俺にしてはかなり条件のいい宿じゃないか。飯付きじゃないのが難点だけど…


 そう、飯がないのだ。


 外に生えてる草は食べられることが解析によって判明している。

 いくら俺が草食系だからって、草ばっか食ってるわけじゃない。

 栄養バランスの乱れは、前世の生活で痛感した。栄養失調で何回か病院に運ばれたもんだ。


 今は肉とはいわない、だって動物がいても逆に狩られる気しかしないからな。

 せめて木の実とか、魚とかと思ったが、なにもいないのだ。


 地下の水溜まりには少し期待したが、魚はおろか、貝も海藻もない。

 あれだけでかい水溜まりなのに、俺にとってただの給水所なのだ。


 外は草原で、大きな木もない。

 これは、近くの村に食糧を乞うしかないかな。


 しかし、リスクがある。


 村にどんな人間がいるかわからないのだ。

 もし部族なら排他的であることも考えられる。

 相手の文化をも考慮しなければ、近づいただけで矢を射られておしまいだ。

 昔やったゲームでそんな経験があった。2回目のプレイで無理ゲーと判断して匙を投げた。


 とにかくこの世界では慎重に行動するのだ。

 さっきはそれで上手くいったしな。


 まず、俺に敵意がないことをアピールしなければならない。

 やはりこちらから村に近づくのは獣のナワバリを荒らすくらい危険だろう。

 どの世界にも「問答無用」とか言ってくる奴はいそうなものだ。



 したがって、この洞窟に人が来るのを待つ方が得策だろう。


 でもさっき見た感じだと、この洞窟に珍しい石はほとんど残って無い。

 きっと掘りつくされたのだろう。

 今では発掘作業に来る人がいるかどうかも怪しいものだ。


 それでも、わずかな希望に託して待つしか無いのだ。

 ファンタジーライフを希望して来た者としては、待つなんて地味な行為やりたくない。

 でもこういった下積みが今後の大きな力になることもあるのだ。


 言っておくが俺の忍耐力はその辺の若者とは比べ物にならないと自負している。


 なぜって、瞑想が趣味だからだ。正確には、瞑想している自分に酔いしれるのが好きなのだが。


 俺は当分この洞窟を寝ぐらにして精神修行することにした。

 前の世界では大成しなかったが、こっちならもしかしたら瞑想によって特殊能力が目覚めるかもしれない!

 こうゆうのは信じることが大事、信じるものは救われる。



 食糧には若干の不安は残るが、すぐに状況は好転するはず。

 気を強く持とう。

 そうだよ、こんなにも草が生い茂っているんだぞ。

 俺は草大好き。草大好き。草大す…。



 俺はこれで何日生きられるのか…



 平野は女神にうっかり死なされて、異世界に転生して夢のファンタジーライフが始まったと思ったら、人も食糧も戦闘力も無いままサバイバル生活を強いられることとなった。

 そしてどうゆうわけか、見つけたコジヤ洞窟で草を食糧として瞑想する、地味極まりないサバイバル修行生活が始まったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ