第1話 召喚
僕の名前は清水悠。そこらへんにいる普通の高校一年生だ。
両親の仕事の都合で小学生の頃からしょっちゅう転校している。どのくらいの頻度かというと長くて一ヶ月ちょい、短くて一週間。そのため友達ができても、すぐに別れるため、友達を作るのが面倒になり、学園生活では基本ぼっちである。両親の仕事については知らないし、興味もなかった。
今日も両親の仕事の関係で新しい高校に転校して、もはや定型文化している自己紹介をして、後ろの窓際に座る。そこから始まる朝の連絡からの授業。その授業を聞き流しながら窓の外を眺めて思う。
何か面白いこと起きないかな。
そう思った時、床に何か光っていると感じて下を見る。
そこには俗に言う魔法陣が輝いてあった。
「⋯⋯⋯は?」
突然の異常事態に思考が停止したが、すぐに周りの状況を見る。
先生も含め全員固まっていた。
すぐに教室から出ようとしたけど、このままここにいた方が面白そうだったのでじっとしていることにした。
その魔法陣は一気に輝きを増してゆき、爆発したかのように、魔法陣の輝きが教室を塗りつぶした。
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目が!目がー!
面白半分で魔法陣ずっと見てたらいきなり爆ぜやがった!!
死ぬ!!目痛い!!
「やった!成功したぞ!」
なにが成功したんだよ!めっちゃ喜んでる感じだけど。
あー、目まじで痛い。
そうやって目の痛みに悶えること十数秒。やっと回復してきた。
回復した視界に入ったのは、地面に描かれている魔法陣。そこに座る教師とクラスメイト、全員思考があまり追いついていないようである。地面に描かれてある魔法陣を囲むように、神官風の男五人が立っており、俺たちの正面に白い髪の美少女。
うん、まじかー。
本当にあるんだな。
「ようこそ、勇者様達」
異世界召喚って。
そんな憶測をうらずけるように白い髪の少女は言った。
うんうん。
面白くなってきた。