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おじいちゃん(終)

「おじいちゃん、プロレスごっこしよ!」

「よっしゃ!たかしなんかに負けんぞ!」


 和室でおじいちゃんは孫にベアハッグをキメられながらも、優しそうに話しかけた。


「た、たかし、た、誕生日プレゼントは何がイイ?」

「おじいちゃん、僕MD欲しい」

「え、エムデー?なんじゃそれは」

「ミニディスク。音楽聴くやつだよ」


 おじいちゃんはたかしのベアハッグをすり抜け、たかしの服の中に入って顔を出した。


「なーんじゃ。わしが子供の頃はカセットテープじゃったぞ。それから最近コンパクトデスクっちゅうのがでてのぉ」

「コンパクト・ディスクね。最近じゃないし。MDはもっと小さいんだよー」

「なんでも小さくなるのぉ」

「おじいちゃんも、ずいぶん小さくなったね」


 たかしは立ち上がっておじいちゃんを畳の上に置き、自分よりはるかに小さいおじいちゃんを見下げた。


「コラ!おじいちゃんを見下げるんじゃない!」

「でも、お母さんがもうおじいちゃん消えるって言ってたよ」

「何たる無礼!こっちに来なさい!ぶつぞコラ!」

「正直僕ももうおじいちゃん怖くないや」


 おじいちゃんは意気消沈してうずくまった。


「孫にまでバカにされたら、もうわしの存在意義がないのぉ……」


 おじいちゃんは更に小さくなり、やがて消えてしまった。

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