生後6ヶ月〜初めての離乳食チャレンジ
第十一章:生後6ヶ月〜初めての離乳食チャレンジ
美桜ちゃんが生まれてから半年。
舞と優の生活は「赤ちゃんペース」にすっかり慣れていた。
「そろそろ『離乳食』始めてみよか」母が提案した。
「もう6ヶ月やもんな。『準備』せんと」
舞は育児書を「じっくり」読んで、離乳食の勉強をしていた。
「最初は『10倍がゆ』から始めるんやって」
優も「張り切って」いた。
「俺が『特製おかゆ』作ったる!」
初めての離乳食の日。
美桜ちゃんをベビーチェアに座らせて、「記念すべき瞬間」を迎えた。
「美桜ちゃん、『あーん』」
小さなスプーンに10倍がゆを乗せて、優が「そーっと」口に運ぶ。
美桜ちゃんは「きょとん」とした表情で、おかゆを口の中で「もぐもぐ」。
「どうかな?『おいしい』?」
すると美桜ちゃんが「にこっ」と笑って、もっと欲しそうに口を開けた。
「食べた!『初めて』のご飯食べたで!」舞が「感動」している。
「写真撮らな!『記念』やん!」
こうして美桜ちゃんの「食べる楽しみ」が始まった。
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## 第十二章:生後10ヶ月〜ハイハイとイタズラの日々
美桜ちゃんが「ハイハイ」を覚えると、家の中が一気に「戦場」になった。
「あ!美桜ちゃん、それは『ダメ』よ!」
コンセントに向かって「一直線」で進む美桜ちゃん。
舞は「慌てて」安全カバーを取り付けた。
「この子、『好奇心旺盛』やなあ」優が「苦笑い」。
「目を離したら『どこでも』行くもん」
引き出しを開ける、本を引っ張り出す、猫のミーちゃんを追いかける…
美桜ちゃんの「エネルギー」は無限大だった。
「赤ちゃんって、こんなに『動き回る』もんなん?」
「健康な証拠や。『元気』でええことやん」
でも、舞の体力は「限界」に近づいていた。
白血病の治療歴があるため、普通のお母さんより「疲れやすい」。
「たまには『休み』も必要やで」優が心配した。
「お母さんに頼んで、美桜ちゃん『預かって』もらおか」
「でも…『迷惑』かけるし…」
「迷惑やない。みんなで『育てる』んや」
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## 第十三章:1歳の誕生日〜初めての言葉
美桜ちゃんの「1歳の誕生日」。
家族みんなで「盛大にお祝い」した。
手作りのケーキ(もちろん美桜ちゃん用の「砂糖控えめ」版も)、
カラフルな風船、「HAPPY BIRTHDAY」の飾り付け。
「美桜ちゃん、1歳おめでとう!」
みんなで「拍手」すると、美桜ちゃんも「パチパチ」手を叩いた。
「あ!今『まねした』で!」舞が「興奮」している。
「賢いなあ、この子」
ケーキを前にした美桜ちゃんは「興味津々」。
小さな手で「ぐちゃぐちゃ」にしながら、口に運んでいる。
「汚れても『ええ』から、好きに食べなさい」母が「優しく」見守った。
その時だった。
「ま…ま…」
美桜ちゃんが「何か」を言おうとしている。
「え?今…『何か』言うた?」優が「身を乗り出した」。
「ま…ママ!」
「きゃー!『ママ』って言うた!」舞が「大喜び」。
「初めての言葉が『ママ』やって!」
優は少し「残念そう」だった。
「パパって言うて欲しかったなあ」
でも、美桜ちゃんは続けて言った。
「パパ!ママ!」
「両方言うた!『天才』やん!」
こうして美桜ちゃんの「おしゃべり」が始まった。
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## 第十四章:1歳半〜歩き始めとイヤイヤ期の前兆
美桜ちゃんが「よちよち歩き」を始めたのは、1歳3ヶ月の時だった。
最初は壁や家具に「つかまって」移動していたが、
ある日突然「数歩」歩いた。
「歩いた!美桜ちゃんが『歩いた』!」
舞と優は「大興奮」。
美桜ちゃんも「得意そう」に笑っている。
でも、歩けるようになると「行動範囲」が一気に広がった。
階段を上ろうとする、外に出たがる、「危険な場所」にも向かっていく。
「美桜ちゃん、『あっち』はダメよ」
そんな時、美桜ちゃんは「ふんっ」という表情で舞を見る。
「あ…この顔、『イヤイヤ』の始まりかも」母が「経験者の目」で見抜いた。
案の定、美桜ちゃんは少しずつ「自己主張」が強くなってきた。
嫌なことがあると「ぷんっ」として、時には「泣いて抗議」する。
「この時期は『成長の証』やから」優が「慰めた」。
「大変やけど、『一時的』なもんや」
でも、舞は「体力的にきつい」と感じていた。
美桜ちゃんの「パワー」に付いていくのが、だんだん大変になってきた。
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## 第十五章:2歳〜保育園入園への準備
美桜ちゃんが2歳になると、舞は「大きな決断」を迫られた。
「保育園に『預ける』かどうか悩んでる」舞が優に相談した。
舞の体調は「安定」していたが、美桜ちゃんの世話で「疲労」が蓄積していた。
また、「社会復帰」への思いも心の奥にあった。
「舞が『働きたい』なら、保育園もええんちゃう?」
「でも…まだ小さいし、『かわいそう』かな」
母も「意見」を聞かせてくれた。
「保育園は『悪いこと』やないで。お友達もできるし、『刺激』にもなる」
「でも、美桜ちゃんが『病気』したらどうしよう」
「それは『どこでも』同じや。むしろ、集団生活で『免疫』もつくで」
舞は地域の保育園を「見学」して回った。
先生たちの「温かい対応」に安心した。
「お母さんが『元気』でいることが、お子さんにとって一番大切です」
園長先生の言葉が「心に響いた」。
「美桜ちゃん、保育園『行ってみる』?」
美桜ちゃんは「うん!」と元気に答えた。
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## 第十六章:保育園初日〜涙と成長の第一歩
保育園の初日。
美桜ちゃんは「新しいリュック」を背負って、「やる気満々」だった。
「美桜ちゃん、『がんばって』ね」舞が「不安そう」に声をかける。
でも、いざ舞が帰ろうとすると…
「ママー!『いかないで』ー!」
美桜ちゃんが「大泣き」して、舞にしがみついた。
「大丈夫ですよ。『よくあること』です」先生が「慣れた様子」で対応。
「お母さんが心配してると、お子さんにも『伝わります』から」
舞も「涙」をこらえながら、美桜ちゃんを先生に預けた。
「ママ、お迎えに『来るから』ね」
保育園を出た舞は「罪悪感」でいっぱいだった。
「本当に『よかった』んかな」
でも、お迎えの時間に行くと…
「ママー!」美桜ちゃんが「笑顔」で駆け寄ってきた。
「今日ね、『お友達』と遊んだの!」
先生も「報告」してくれた。
「最初は泣いていましたが、すぐに『慣れて』くれました。とても『人懐っこい』お子さんですね」
舞は「ほっと」した。
美桜ちゃんは思っていたより「たくましく」育っていた。
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## 第十七章:保育園生活〜新しい世界での成長
保育園に通い始めて3ヶ月。
美桜ちゃんは「見違える」ほど成長していた。
「今日ね、『砂場』でお城作ったの!」
「先生が『絵本』読んでくれたの!」
毎日「楽しい報告」をしてくれる美桜ちゃん。
舞も「安心」して見守ることができるようになった。
保育園の「お友達」もできた。
同じクラスの「ゆうくん」とは特に仲良しで、いつも一緒に遊んでいる。
「ゆうくんとね、『電車』で遊んだの」
「そう、よかったね」
舞も保育園の「行事」に参加するようになった。
運動会、お遊戯会、遠足…
「美桜ちゃん、『上手』やったなあ」優も「感動」している。
「保育園行って『よかった』な」
他のお母さんたちとも「仲良く」なった。
子育ての悩みを「共有」できる仲間ができたのは、舞にとって「大きな支え」だった。
「みんな『同じような』悩み持ってるんやね」
「一人やない」って思えることが、舞の心を「軽く」してくれた。
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## 第十八章:3歳の誕生日〜言葉の爆発期
美桜ちゃんが3歳になると、「おしゃべり」が止まらなくなった。
「今日ね、保育園で『うさぎさん』見たの」
「うさぎさんはね、『ぴょんぴょん』跳ぶの」
「美桜も『ぴょんぴょん』できるよ」
一つの話から「次々と連想」して話し続ける。
舞と優は「微笑ましく」聞いていた。
「なんで『空』は青いの?」
「なんで『お花』は咲くの?」
「なんで『おかあさん』は女の人なの?」
「なんで攻撃」も始まった。
舞は「答える」のに必死だった。
「えーっと…空がね…」
「そうやなあ…花はね…」
時には「答えられない」質問もある。
「お母さんも『わからない』ことあるんよ」
「今度『調べて』みよか」
美桜ちゃんは「納得」した様子で頷く。
「うん、『いっしょに』調べよう」
この頃の美桜ちゃんは「知識欲旺盛」で、絵本も大好きになった。
「これ読んで」と持ってくる本の数が「どんどん増えた」。
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## 第十九章:4歳〜お姉さんらしさの芽生え
美桜ちゃんが4歳になると、「お姉さんらしさ」が目立つようになった。
保育園では「年中さん」になり、小さい子の面倒を見るようになった。
「今日ね、『赤ちゃんクラス』の子が泣いてたから、『よしよし』してあげたの」
「偉いなあ、美桜ちゃん」
家でも「お手伝い」をしたがるようになった。
「美桜が『お皿』並べる!」
「洗濯物『たたむ』!」
不器用ながらも「一生懸命」な姿に、舞は成長を感じていた。
「ありがとう、美桜ちゃん。『助かる』わ」
「美桜、『お母さんのお手伝い』大好き!」
この頃、舞は「パートタイム」で働き始めていた。
体調も安定しており、美桜ちゃんも保育園に「完全に慣れた」ため、社会復帰を決めたのだ。
「お母さん、『お仕事』がんばってね」
美桜ちゃんが「応援」してくれる。
「美桜ちゃんも『保育園』がんばってね」
「うん!『がんばる』!」
母娘で「がんばろう」の約束をした。
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## 第二十章:5歳〜就学前の準備期間
美桜ちゃんが5歳になると、「小学校入学」が現実的な話題になってきた。
「来年は『1年生』やね」優が「感慨深く」言った。
「早いなあ…あの小さかった赤ちゃんが」
美桜ちゃんは「ひらがな」を覚え始めていた。
自分の名前も「上手」に書けるようになった。
「み・お・う…美桜!」
「上手やなあ」舞が「褒める」と、美桜ちゃんは「得意そう」に笑った。
保育園でも「就学準備」のプログラムが始まった。
時計の読み方、数の概念、集団行動のルール…
「小学校って『どんなところ』?」美桜ちゃんが聞いた。
「勉強したり、お友達と遊んだり、『楽しいところ』よ」
「美桜、『勉強』好き!」
「それならきっと『大丈夫』ね」
舞は美桜ちゃんの成長を「誇らしく」思っていた。
あの時、命がけで産んだ小さな命が、こんなに「たくましく」育っている。
病気の影があっても、家族の愛に包まれて「健やかに成長」している美桜ちゃん。
「この子の『未来』が楽しみやな」
「うん。きっと『素敵な大人』になるわ」
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## エピローグ:6歳の春〜小学校入学
桜が咲く春の日。
美桜ちゃんは「ピカピカの1年生」になった。
新しいランドセル、真新しい制服、「期待」でいっぱいの表情。
「美桜ちゃん、『小学生』やね」舞が「感慨深く」言った。
「うん!『勉強』がんばる!」
入学式では、美桜ちゃんは「しっかり」と座って先生の話を聞いていた。
「立派やなあ」優が「感動」している。
式が終わって、家族で「記念写真」を撮った。
地蔵川の桜の下で、4人(優、舞、美桜、おばあちゃん)の笑顔。
「この子が生まれてから、『幸せ』な時間ばっかりやったな」舞が「しみじみ」と言った。
「病気があったから『心配』もしたけど、それ以上に『喜び』をもらった」
美桜ちゃんが言った。
「お母さん、お父さん、おばあちゃん、『ありがとう』」
「美桜を産んでくれて、育ててくれて『ありがとう』」
小さな6歳の言葉に、みんなの目に「涙」が浮かんだ。
「こちらこそ『ありがとう』」舞が美桜ちゃんを「ぎゅっ」と抱きしめた。
「美桜ちゃんが生まれてきてくれて『ありがとう』」
桜の花びらが「ひらひら」と舞い散る中、
家族の絆は「ますます深く」なっていった。
美桜ちゃんの新しい「チャレンジ」が始まる。
家族みんなで「見守って」いこう。
地蔵川の清らかな水のように、
美桜ちゃんの人生が「美しく」流れていきますように。