チビエマ達の白い結婚
豪華な屋敷の豪華な夫婦の寝室。
「お前とは白い結婚きゃ!!」
夫チビエマは顔を真っ赤にして妻に言い放つ。
「ふざけんなうきゅ!!」
妻チビエマも激怒して顔を真っ赤にした。
二人に迸る魔力の奔流。
屋敷に亀裂が走り、慌て使用人チビエマ達は逃げ出す。
「イケメン見たら直ぐにウォッチングするからだきゃ!!」
「イケメンは見るだけで保養なんだうきょ!!」
「旦那である僕に失礼きょ!!」
「浮気した訳じゃないんだから嫉妬するなよきゃ!!」
顔を真っ赤にした夫チビエマと妻チビエマが、崩壊した屋敷の中で激しく空中戦を繰り広げる。
「寂しくなるうきゃ!!僕も人間バージョンになれば負けないきょに!!」
「チビエマの姿が多いのに今更うきゃ!!」
涙目で叫ぶ夫チビエマに、妻チビエマは頭にチョップを喰らわせた。
「好きなのはお前しかいないうきゃ。一々嫉妬して怒るなきょ」
「本当うきゃか!?僕だけうきゃ?」
妻チビエマの言葉に夫チビエマは目を丸くする。
「嘘はつかないうきゃ。あまり目移りしないようにウォッチングは控えるきゅ」
「ありがとううきゃ」
妻チビエマに夫チビエマは抱き付く。
使用人チビエマ達は安堵すると屋敷の片付けを始めるのだった。
とある王国の夜会。
金色の長い髪を一つに結わえ、緑色のきらびやかな正装を着た美しい青年が女性をエスコートして現れた。
「やっぱり人間バージョンもたまには良いな」
赤い髪をハーフアップにし、大胆に胸元が開いた紫色のマーメイドドレスを着た美女は微笑む。
「そうだね」
青年は妻に微笑むと、会場の奥へと向かうのだった。
めでたしめでたし