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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

仮題名『もしも外来種を日本から一掃したら?』

作者: 蜜柑ブタ

残酷描写は念のため。


 あるところに、何でも願いをひとつだけ叶えてくれる神様がいて、その人間は偶然にもその神様に出会いました。

 そしてその人間は、願いを言いました。



『日本から外来種を一掃してくれ』



 そう言いました。

 そして神様は叶えてくれました。


 海から、山から、川から、大地から、家から……。


 日本のすべてから外来種が消えました。


 翌日、その願いを叶えてもらった人間はテレビを付けました。

 速報ニュースが入っていました。


 飼われていたペットだけじゃなく、日本中、ありとあらゆる動物植物や、農家が育てていた作物、そして家畜が突然消えたと放送していました。


 焦ったその人間は、急いで神様に問いました。

 外来種を消して欲しいと言っただけなのにと、怒りました。

 しかし、神様はとてもとても落ち着いた声と、穏やかな微笑みを浮かべて言いました。




 お米は、どこから来たのか知っているかい?

 中国からやってきたんだよ、っと。


 牛や豚や鶏は、どこから来たのか知っているかい?

 海外から食料にするために連れて来たんだよ、っと。


 農作物や観葉植物は、どこから来たのか知っているかい?

 その多くは、海外から持って来たんだよ、っと。


 肉も魚も野菜も、実は、海外から人間が持ってきたんだよ。

 知らなかったのかい?

 じゃあ、仕方ないね。




 でも、それらは、すべて外来種だろう?

 日本は、輸入してきた外来種で生計を立てていたんだよ。それだけの話じゃないのかい?

 とてもとても落ち着いた声で、穏やかな笑顔をして、神様は言いました。

 消して欲しかったのは、迷惑を掛けている動物や植物だけだと怒りました。

 けれど神様は、君は『外来種を消して欲しい』と言っただけじゃないかと言いました。だから言われたとおり、日本じゃなく海外から連れてこられた動物や植物を消してあげたんだ、っと言いました。

 人間は、元に戻してくれと泣いて必死に懇願しました。

 けれど、神様が叶えられる願いはひとつだけ。それ以上はできませんでした。

 そして二度と叶えた願いは消せませんでした。



 そうして日本人達は必死に生きるために海外から再び輸入動物や植物を輸入しようとしましたが、なぜか輸入するとすべて死んでしまい、腐って消えました。

 日本由来の少ない食料を巡って争いが起きました。

 やがて日本は死の国として恐れられ、誰もいなくなり、『外来種を消して欲しい』と願った人間も、どこからかその願いを叶えてもらったことがバレてしまって誰にも知られることなく殺されて死にましたとさ。



外来種イコール輸入した動植物なのだと定義したら、日本から生物が消えるっというのをどこかで聞きまして…。


そこから思い付いたものです。

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