偽装
前回の続き。
またしても防衛省の一室。
「あの暗号ですけど、一部の内容がおかしいですね」
「どういう風におかしい?」
「一部のデータが、実際とはかなり違う数字になっています」
「あのメモ用紙自体に、何らかの改ざんがあるのかもしれない」
「見つかったときのことを考えて」
「ところで、システムの設計担当の職員ですけど、
銀座の高級クラブでたびたび接待を受けています」
「カネは向こう持ちか?つながりの深い民間企業の負担か?」
「そうです。はっきり言って汚職ですね」
「店の女の子とどういう話をしていた? かんじんなのはそこだ」
「女の子の出入りはわかるか?」
「ある程度はわかったのですが、店を辞めた人たちの消息は不明なところがあります」
「空港の出国データと合わない?」
「はい。空路以外の、つまり、海から密出国した可能性もあります」
「漁船というか、船主が大金をつかまされたか」
「それもありえます」
「夜の闇に紛れて出港されると、現場を押さえるのは難しい」
「監視カメラなどがないと、なおさらだ」
(続く)




