III : 蓮華
「エイダっ!」
エイダはまだ気絶していた。もうすぐ3時間が経過するところだ。エイダのもとで待っていると、どこからともなく足音が聞こえてきた。
「誰だ?あんた」
それは黒髪で18歳くらいの女だった。黒いコートに白いスカートを履いていて、手には花の装飾が施されたハンドキャノンがあった。
「私は日本から来た希咲蓮華といいます。この洞窟を今調査していたんです」
「日本?って事は地球から来たのか?すまん、俺あまり地球のことは知らないんだ。ユティクでいう...あれはどこになるんだ?まあそこはいいんだ、とにかく君は地球から来たってことでいいんだな?」
「そうなんです...。ある日突然このユティクにいて...」
「そりゃ災難だったな。で、ここでなんの調査?鉱石の発掘か?それともオヴシディアを狩りにきたのか?」
「地下の文明を知りたくて来たんです」
「君もだったか。俺も今調査中だ。」
「調査って言っても途中しか行けなくて。この銃しかないのでちょっと手こずっちゃって」
「そうか。せっかくだし俺たちも一緒に行こうか」
「ありがとうございます。ん?この方は?」
「エイダって友人なんだが突然倒れてな。もう3時間は経つ」
「私に任せてください」
「え?」
すると蓮華は花の装飾が施されたハンドキャノンをエイダに向ける。
「蓮華のように...咲き誇れ...」
「何してんだ?やめろ!」
蓮華は引き金を引いた。すると青白い球がオーラを出しながら弾丸となって発射された。ゆっくりとエイダに近づいていき、やがて当たる。青白い光がエイダを包み、目を開けた。
「復活...したのか?」
「ヘンリー...!それに...この子は?」
「私は希咲蓮華です。よろしくお願いします」
蓮華は軽い口調で驚いた顔を隠せないエイダに自己紹介をした。
「それにその銃は一体...!」
「これですか?これは『ロータス』と言います。私の涙からできた、形見です」
「涙!?」
エイダとヘンリーは驚いた顔を隠せずにいた。銃は鉄などの材料を集めて整形して作っていく、そう思っていた彼らにとっては、思いがけない言葉だった。
「はい。私実は最初ディーツっていう国にいたんですけど、そこでちょっといろいろと...」
「ディーツか...サルウァトルがあるとこだな」
「何があったの?」
「ディーツで暴力をされたんです...!港まで追い詰められて...船乗りがたまたま通りかかったから助かったんですけど...船乗りいなかったら溺れ死んでいました」
「その状態なら涙はでるものだな」
「もう少し休みましょう」
3人は焚き火に木を付け足して、リラックスを始めた。