17 みんなとご飯食べると美味しいよね。
「ここはこの公式を使って…」
「にぃに。この公式覚えづらい…」
「優なら覚えられるよ」
むぅ…。いつもよりもずっと難しいんだもん。
「ほら。優。ここ間違ってる」
「難しい…」
「…じゃあ今日はここまでにする?」
「うん…」
悔しいけど…僕にはまだ分からないもん。
僕は鉛筆やノートを片付けた。
「…遅くなっちゃったね」
もう時計の針は9時をとうに回っていた。
「…くぁぁ」
「眠い?」
「うん…」
「じゃあベッド行きな」
「にぃには…?」
「にぃにはもう少し勉強してるよ」
「おやすみなさい…」
次の日
「ほら。優。起きないと遅刻するよ」
「んむぅ…」
「ご飯食べられなくてもいいの?」
…それは良くない!!
僕はすぐに飛び起きた。
「ご飯!!」
「着替えて。食堂行くよ」
「はぁい」
僕はにぃにの手を借りて制服に着替えた。
「にぃに!!行こう!!ご飯!!」
「はいはい。あんまり急ぐと転ぶよ?」
転ばないもん。もうそんなにちっちゃい子じゃないんだよ?
「秋様おはようございます」
「あぁ。おはよう」
「秋様」
にぃに人気だな〜。あ…ご飯ご飯。
僕は食券売り場に向かっていった。
む…届かない。ボク…A定食がいいのに。
「優。ごめんね?何にするの?」
「にぃに!!あれがいいの」
「…自分でやりたい?」
「うん!!」
にぃには僕を抱っこしてくれた。
「首にかけてるカードをかざして…ボタンを押してごらん」
「こう?」
すると1枚の券が出てきた。
「出来たっ!!」
「じゃあにぃにが買うの待っててくれる?」
「はぁい」
にぃには僕を下ろし、自分の分を買った。
「…カウンターに届かないね。優は1人でやるのは無理かな」
「うにゅぅ…」
にぃには僕の分まで渡してくれた。
「じゃあ優は席を取ってきてくれる?」
「うん!!」
にぃにとお隣がいいかな?それとも向かいあわせの方がいいのかな?
僕は窓際の3人がけのテーブル席を見つけ座った。
あ…ボクこれ…動けない。何かカバンでも持ってくればよかったな…。
「あ。優くん。今日は体調いいの?」
「大翔くん。うん。大丈夫だよ。心配かけてごめんね」
「ううん。ここ座ってもいい?」
「うん!!にぃにもいるけどいい?」
「大丈夫…というより秋様と一緒に食事をとれるのは光栄だよ」
…みんなにぃにのこと秋様って呼ぶのはなんで?にぃにはにぃにだよ?