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16 お姫様パート2

その日の昼休み…


「失礼します…」


僕はゆっくりとドアを開けた。


だ…誰かいるのかな。


「どうぞ」

「おかけになって」


部屋の中には数人の生徒がいた。


…え…あれ?皆…男の子だよね?女の子みたいな座り方してるよ?あれれ?


僕はそろそろと勧められた席に座った。


「あなた。何年何組?」

「1年A組です。東郷優と言います」

「…そう」

「東郷というと東郷秋様の血縁?」

「はい。にぃ…じゃなくて兄です」

「いつも通りでいいよ」


…なんだか緊張しちゃうんだもん。皆いい匂いするし。


「あなた以外の1年生は顔合わせを済ませているから今日はあなたしか来ないの」

「姫といっても特別なことはあんまりないんだよ」

「強いていえば…言葉には気をつけて」

「言葉…ですか?」

「そう。絶対に丁寧な言葉遣いをすること」


それなら大丈夫っ!!にぃにやねぇねといっぱい練習したもん!!


「…あとは今度の行事では役割があるの」

「行事?」

「全校対抗の借り物競争よ」

「僕達も参加するけれど表彰の時には舞台の上にいなきゃならないの」

「詳しい説明はまた今度ね」


結局その日はその説明だけを受けて教室に戻った。



寮の部屋


「…あれ?」

「優。どうしたの?」

「ボクのお部屋…」

「…あぁ。また倒れたら心配だから同じ部屋にしてもらったんだよ」


にぃにのお部屋とボクのお部屋をくっつけたの?…にぃにのお部屋広いね。ボクの荷物があってもまだまだ入りそう。


「ほら。優。ただいまのちゅーは?」

「はぁい」


にぃにがしゃがんで僕は少しだけ背伸びをして頬にチュッとキスをした。


「…優。ここじゃないでしょ」

「届かないもん」

「しょうがないな…」


にぃには僕を抱き上げると近くの椅子に座り、膝に僕を乗せた。


「はい。届くよね?」

「うにゅぅ…は…恥ずかしいもん!!にぃにのお部屋のご本もキスをするのはお姫様と王子様だったもん!!」

「…外国では親しい人にキスをするんだよ。優はまだまだ勉強不足だね」

「…にゅ」


にぃには僕の唇をはむっと甘噛みした。


「!?」

「ちゃんとちゅーできなかったからお仕置き」


お…お仕置きで人を噛んじゃいけないんだよ!!もう!!


「寝る!!ご飯食べて寝るもん!!」

「あれ?勉強は?しないの?」

「………………………ご飯食べてシャワー浴びた後やる!!」

「はいはい。じゃあご飯食べておいで」

「うん!!」

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