14 僕の体のこと
僕がゆっくりと目を開けると…そこは真っ白い天井、同じく白いベッド、それと僕の口には酸素マスクがはめられていた。
…病院…どうしてここに?
辺りを見渡すとベッド横の椅子ににぃにが腰掛けていた。
にぃに…?とっても疲れた顔してるよ…?寝不足なの?
「…優!!」
「優!!起きたのか!!」
「心配したのよ!!」
「…優。あなたどうしてここにいるか分かる?」
……うん。ねぇね、分かるよ。ボク…みんなにダメって言われたのに運動して倒れたの。
「…優…2日間も寝てたんだよ。…いい子だから…にぃにのそばにいて」
「にぃ…に」
「…大翔って子も心配してる…今はICUだから家族以外会えないけど…通常の病棟に移ったら大丈夫だって言ってあげるんだよ」
「う…ん」
「…よく頑張ったね。優」
にぃにはいつもよりもずっと優しく僕を抱きしめた。
…それよりも…。
「…おなかすいた」
「あんた…目が覚めて言うことがそれ?」
「2日間何も食べてないんだもの。仕方ないわ」
「優。先生の診療受けたら何か食べれないか聞いてみような」
「…うん」
お腹空いたって言っちゃダメなの?
2週間後…
「優くん!!」
「大翔くん。ごめんね?心配かけちゃったね」
通常病棟に移ってから初めて大翔くんに会った。
「…優くん。体悪いなら体育なんてしちゃダメだよ」
「ボク。知らなかったんだもん。にぃに達はしちゃダメって言うけど理由はよくわかんなかったんだもん」
「優。だから話したでしょ?優は人よりも呼吸器関係が弱いの。だから家でも風邪をひかないように細心の注意をはらったし…走った時苦しかったでしょ?他の人よりも息が整うのも遅いの。酸欠になって倒れちゃったりするからやめてね」
「うん。もうしない。約束する」
「絶対だよ」
…たぶん。
「…優?ちゃんと目を見て約束する」
「する!!もう走んない!!」
僕は慌ててにぃにの小指と自分のそれを絡ませた。
「ん。約束。じゃあにぃにはもう行くけど…外はまだダメだよ?」
「わかってる」
「優のわかってるは信用出来ないんだけどな…」
「むぅ。にぃにひどい!!」
「うそうそ。じゃあね」
にぃにはカバンを持つと病室を出ていった。
「…優くんのお兄さん…制服のままだったね」
「うん。時間が空いたらすぐにボクのところに来てくれるけどすぐに呼ばれちゃうの」
「いいお兄さんだね」
「うん!!自慢のにぃに!!」
大翔くんもにぃにのこと分かってくれるんだっ!!