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13 運動っ!!あーんどトラブル

「よし。じゃあ皆の委員会も決まったことだし体力テスト行くぞ」

「先生。そこは部活動見学や校舎の案内じゃないんですか?」

「それは自分で見てくれ」


この学校…自由だね。ねぇねに聞いた学校と全然違う。



運動場にて…


「じゃあ2人一組で体操しろ」

「あの…優くん。一緒に組む?」

「えっと…」


誰だっけ?


眼鏡をかけた男の子が僕に話しかけてきたのだが…名前を思い出せなかった。


「浅桜。浅桜(あさくら)大翔(たいと)だよ」

「大翔くん。ごめんね?」

「いいよ。組んでくれる?」

「もちろん!!」


僕は大翔くんと体操を始めた。


そういえばママやねぇね、にぃにが何か言ってたような気がするけど…なんだっけ?


「…東郷。お前体育やるのか?親御さんからは『体が弱いため体育は不参加で』と手紙を貰ったが?」

「ふぇ?」


…そんなこと言ってたっけ?それにボクそんなに弱くないよ?


「大丈夫ですっ!!ボク元気ですから!!」

「……本当にやっていいのか?心臓の病とか…親御さんから何も聞いてないよな?」

「はい。大丈夫です」

「優くん…本当に大丈夫?」

「うんっ!!だってボク前にここまで1人で歩いてこれたもんっ!!」


正確にはバスも使ったけど。大丈夫だもんっ!!



「位置について…よーいドン」


あ。意外と合図は普通だった。


僕はすぐに走り出した。


ん…何ともない。ママは心配しすぎなんだよ〜。


僕は難なくゴールまでたどり着いた。

が…息がなかなか整わない。


「優くん…?苦しそうだけど…大丈夫なの?」

「だ…だい…じょう…ぶ…」


ちょっと休んでるね、と言い僕はトラックよりも内側に入って座った。


「…だ…だいじょうぶ…だもん……ボク…にぃ…にの…おと…うと…だ…もん」


そうしているうちに座っているのも辛くなり地面に倒れ込んだ。


「優くん!!」

「東郷!!」


く…苦しい。息がうまく吸えないの…。


「優!!」


校舎の方から猛スピードでにぃにが駆けてきて僕を抱き起こした。


「なんで体育なんてやってるんだ!!あれほど入学前に言ったのに!!」

「優くんのお兄さん…今はそれどころじゃ…」

「東郷兄。救急車は呼んだから先生と一緒に乗ってくれ」

「分かりました。…優。大丈夫。すぐに楽になるからね」


楽に…?力抜いても…いいの?


「ちょ…違う違う!!寝ちゃダメだから!!そっちの『楽になる』はしちゃダメだから!!」


ごめん…にぃに…もうボク…限界。


僕はすぐに眠りの世界へと入っていった。

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