11 入学式!!
「パパ。ママ。どこもおかしくないよね?」
「あぁ」
「似合っているわ」
えへへ。ボクね。にぃにの学校に1番で合格できたの。今日はね、入学式でボク皆の前でお話するの。にぃにも昔やったんだって。
僕は背負ったカバンの肩紐をきゅっと握った。
「やっぱりこっちの制服にして良かったわね」
「秋と同じのがいいと言い出すかと思ったが…」
んにゅ?制服?…そういえばにぃにが制服は2種類あるんだよって言ってたね。ボクのは水色と白の女の子のセーラー服みたいなトップスに藍色の短いネクタイ。それと白色に水色のラインが入った短パン。ねぇねがずっとこっちにしなさいっ!!って言ってたからこっちにしたんだよ?にぃにのは紺色のブレザーに白のワイシャツ。襟元に金色のラインが入ってて下も紺色の長ズボン。胸ポケットに校章が縫い付けられてるんだよ〜。制服を着たにぃにすっごくかっこいいの!!
「ほら優。受付に行ってきなさい」
「うん!!ボク頑張るから見ててねっ!!」
僕は他の子達が並んでいるところに走った。
「入学おめでとう」
在校生のお兄さんから胸元に赤いお花を付けてもらった。
「ありがとうございますっ」
「優」
お礼を言ったところで向こうからにぃにが歩いてきた。
「にぃにっ!!」
「入学おめでとう。1番なんてすごいね」
「にぃにが勉強教えてくれたおかげだよ」
「制服も似合ってる。優なら学年一位になるのも簡単だね」
「えへへ〜」
テストも1番なってパパみたいなえりーとさんになるっ!!それがボクの夢だもん!!
にぃには僕と手を繋いで入学式の席まで案内してくれるようだ。
「…他のやつに優を任せるなんて出来るか」
「ん?にぃに。何か言った?」
「ううん。何も言ってないよ。そろそろ入場の時間だからしっかりね」
「うん!!」
僕達は他の子達に続いて会場に入った。
入学式終了後…
「これからこの1年A組の担任を務めます。神崎月兎です。1年間、成績が下がってクラス替え…なんてことにならないよう頑張ってください」
「「「「「はい」」」」」
んとね。A組は10人しかいないの。今年の1年生は120人。成績順にクラスが決まって…上からA、B、C、Dになってるの。A組は10人、B組は20人、C、D組は30人だって。それとクラスの中の席も成績順で…この学校は成績重視なのかな?
「では1人1人自己紹介をしていきましょうか」