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一茜の歌集(にのまえあかねのうたノート)

一茜の歌集(にのまえあかねのうたノート) 梅枝(うめがえ)

作者: 一 茜

それではいってみよー。


足跡を

沖つ白波

(おお)ふなら

(あら)たしあした

今や向かはむ


《私の真面目訳》

足跡(あしあと)

沖の白く泡だつ波が

覆いかぶさって消すならば

新しい明日に

今向かおうと思う


《脚色した現代語訳(語り口調)》

もし今までのあなたとの記憶を海が消し去ってしまうなら、新しい明日に向かって今新しい人と恋をしようと思います。


《一応の解説》

真面目訳と脚色現代がとても異なっていることに驚くと思います。

今回は「本歌取り」と「茜の妄想」が重なり、和歌単体では真面目訳のみの意味しか表していません。


風吹けば

沖つ白波

竜田山

夜半(よわ)にや君が

ひとり越ゆらむ


《現代語訳》

かぜが吹くと沖に白波がたつ。その「たつ」ではないが竜田山をあなたはひとり寂しく超えていくのでしょうか。


《背景》

ある男の人は夜中に女の人の家から出て、他の女の人のところに行っていました。女の人はいつも嫌がらずに送り出してくれるので、自分がいない時に不倫をしているのではないかと男の人は疑いました。

なので家を出たふりをして庭に隠れていると、女の人はこの和歌を詠みました。それを見た男の人は、もう他の女の人のところには行きませんでした。

(この時代は一夫多妻なので、いちずなのはレアだと思います。)


つまり今回は「沖つ白波」を入れることによってこのようなイメージを引き出しています。

(本来本歌取りならもっと長く持ってくるべきです。しかし今回はあくまでも茜流。)


白波

白く泡だつ波。


(あら)たし

古語で「新しい」という意味。


(にのまえ)解説》

「足跡」ですが、今回は象徴的に「思い出」を表しています。

「自分の過去の行動によってできたもの」という点で共通していますね。


久しぶりに深いような(好奇心をくすぐりそうな)和歌にしてみました。

少し無理気味と言われそうですが、あくまで脚色現代だから。うん。

そのままいくと、「未練を捨てて明日に向かおう。」という感じですが、茜はちょっと違った意味をほのめかしています。

でも、不倫、ダメ、ゼッタイ!


昔は一夫多妻です。

源氏物語では、天皇があまりにも桐壺ばかり愛し、他の女性を愛さないことを文句を言っているような場面があった気がします。

天皇の血筋を絶やさないための方法ですね。

一途(いちず)な恋ができる現代に感謝。(男子諸君!昔が良かったなんで思っちゃダメだぞ!)

今回はここらへんで終わろうと思います。最後まで読んでいただき有難うございました。


皆様に31音の魔法がかからんことを


(あかね)

1……植物の名前

2……色の名前

3……「なろう」の作者の名前


「茜射す(あかねさす)」

茜色の光が射すことが語源で、輝くものの前につく枕詞。具体的には昼、紫、君、月など。


なんとなく茜にまつわるものを調べてみました。


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