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崩壊世界の異能者 ~気づいたら世界が生まれ変わっていました~  作者: 佐藤龍
第一の遺跡 目覚める怨念達≪ゾンビ≫
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第一話 覚醒した異能者

久しぶりの投稿です。

なんとか落ち着いてリハビリがてらに。

それと、HJ大賞にキーワードを設定して今からの投稿です。

ほぼ毎日、連続の投稿になります(仕事で投稿できなかったらごめんなさい)

なので、七月になったら投稿はお察しです。

まあ、一章は書き終えてますので大丈夫です。

 俺は妹が好きだった。

 頭が良くて、運動ができて、、要領が良くて、人付き合いが上手くて、俺には勿体無い妹だ。

 その妹が不治の病にかかった。

 

 俺は妹を助けたかった。

 だけど、治療には莫大なお金が必要になり、両親は苦しんでいる姿が見えた。

 

 お金を手に入れるため、俺はバイトをしようと決めた。

 バイトを探していると、実家にとあるチラシが届いていた。

 それはバイトのチラシだった。

 

 ほんの僅かな泊り込みで大金が貰えるバイトで、そのバイト内容は治験と書かれていた。

 丁度夏休みの期間ということもあって、家から離れてチラシのバイトに向かった。

 

 そのバイトは、違法だった。

 

 健全な薬を使わず、違法の薬物を使って人に投与する。

 最初は人が百人ほどいたが、今では俺一人しかいなくなっていた。

 それでも、俺は耐えられた。

 

 妹を助けるために、俺はお金が必要だった。

 だけど、俺の願いは受け入れられなかった。

 隕石が降って来た。

 反射的に、俺は氷を全身から発して身を守った。

 それ以降、俺の記憶はない。

 

 

 

 

 

 

 フェミニスという世界には魔法が文明を発達させ、所々にある遺跡には過去世界の遺物が存在する。

 その遺跡を探索する者達のことを探求者と呼ぶ。

 

 フェミニスの東方にある国、レブリットは二分の一は緑に溢れる国なのだが、森の奥には強力な魔物もいるため入ることができない。

 又、森のなくともさらに半分は巨大な氷山に埋め尽くされて森に入る場所は限られてくるのだ。

 その氷山が突然、壊された。

 

 

 

 

 

 氷山が壊されたことで、多くの探求者たちが向かう。

 それと同時に、既に遺跡に入る者もいた。

 彼らは運が良い。

 探求者の多くが住む町、フィールダに帰る途中で氷山の近くを通った際に、氷山が崩れるのに遭遇したのだから。

 

「ここどう思いますぅ?」


 最初に中に入るのは、舌っ足らずの声をした灰色の混じった金髪を短く切った少女だ。

 小柄で身体が成長していないためか幼い顔立ちをしており、それ故にすばしっこく見た目によらない観察眼もあるため、盗賊の役割をしている。


 名前はフィーと言い、Tシャツの上に半袖の短いジャケットと短パンを着て、後ろの腰には二本のナイフとジャケットの下には投げナイフが幾つもある。


「さあな。だが、今まで氷山に閉ざされた遺跡だ。魔物達の根城にはなっていないはずだ」


 その次に入って行くのは、軽装の騎士のような恰好をする少女だ。

 長い黒い髪を後ろで一つに束ねてポニーテールにしてキリッとした目付きが特徴で、そのためか男に間違われる顔立ちだが、歴とした女性である。

 名前はユズハと呼び、服の上に身体の各所をを隠すような鎧を着て、左腰には長剣を携えている。

 

 長剣は魔法武器と呼ばれるもので、魔力を流し込むことで疑似魔法を使用することが使えるようになり、ユズハのお気に入りの一つだ。

 魔法武器はは遺跡で発掘することができ、中でもユズハが口にした魔物達の根城でしか取れない。

 

 遺跡は二つの種類があり、一つは過去世界の遺物が存在する遺跡で、こちらは当たり外れが多い。

 もう一つは魔物が住む根城で、こちらは魔物がいる代わりに何もなければある程度の収穫がある。

 

「そうかもしれないですけど、油断は禁物ですよ。罠があるかもしれませんから」


 三番目に入って来るのは、槍を持った赤い髪の少女だ。

 ユズハより長くはない髪を左に束ねてサイドポニーテールにし、可愛らしい顔つきをしているがその青い目は真剣な眼差しをしている。

 名前はエンリと言い、長い両手槍を持つが魔法使いが着るようなローブを着ている。


 そのローブも昔のようなダボダボとしたものではなく、今風の短い前開きのローブだ。

 そのためか、上手くオシャレすればスカートにも見えてしまう。

 エンリは魔法使いと呼ばれるものだが、このパーティーには前衛が少ないため時折前に出る。

 ローブには防御魔法が編み込まれており、ただの服よりもかなり頑丈な仕組みをしている。

 又、彼女が持つ槍も魔法武器であり、魔法を詠唱する暇がない時は槍を使う。

 

「……援護は任せて。射撃ぐらいならできるから」


 最後に入るのは、頭にゴーグルをつけてアサルトライフルを持った少女だ。

 淡いピンク色の肩に届くほどの髪で目は若干瞼が降りて眠たそうな、無口そうな印象を与える。

 名前はリリーと言い、フィーと違って厚手の長袖長ズボンに、左右の腰には複数のマガジンが入ったポーチをを身に着けている。

 

 両手に持つアサルトライフルも魔法武器であり、元のアサルトライフルが遺跡の影響により、魔法武器に変わってしまったのだ。

 一発撃つごとに魔力を消費するが、その量はかなり少ない。

 又、状況によって一発の威力やマガジンを入れ替えることで魔法を変えることもできるため、銃は魔法武器の中でも人気の高い方だ。

 

 そのためか購入する際にはかなりの金額が必要で、ハンドガンでも家が買えるほどの金額が必要になる。

 彼女達にはそんなお金はなく、リリーが持っているアサルトライフルは自分達で発掘したものだ。

 

 彼女達四人は探求者の中でも割と有名の方で、その理由は女性しかいないというのもあるが、この町で有力な探求者に弟子入りしていることも一つの理由である。

 

 そんな彼女ら四人は遺跡に入り、フィーが罠がないかを確かめながら足を進めていく。

 それはゆっくりとしたものだが、罠が起動しないだけマシだ。

 

 遺跡の中は異様に白く、汚れなんて一つもない。

 

「まずは私が罠がないか確認してきます」


「私がついて行こう。何かあったら困るしな」


 そう言って、盗賊のフィーと騎士のエンリの二人が奥に進んでいく。

 魔物のいない遺跡で一番怖いものは、罠だ。

 罠の種類は多く、落とし穴や落下する天井、毒矢や岩が転がってきたリ、と多種多様だ。

 そのため、初めにすることは罠の解除だ。 

 

「なら、私達は誰か来ないように見張りましょう」


「うん」


 リリーが頷き、ユズハの二人は入口に身体を向けて誰か来ないか見張る。

 こういった遺跡では同業者が来るのは当たり前で、中を引っ掻き回されて死ぬことは良く聞く話だ。

 中には、ライバルの数を減らすために敢えて罠を知ってて起動させる者もいる。

 

 フィーとエンリが奥に向かって十分ほどした時だ。

 奥からフィーの悲鳴が響いた。

 

 

 

 

 

 時は少し遡り、氷山が崩れた時にそれは目覚めた。

 ぐちゃ、ぐちゃ、と動く度に身体の一部が垂れ落ちる。

 垂れ落ちたそれは腐っており、腐臭がするがそれは自分の身体から落ちた匂いに気づいてない。

 

 気づかないのは当たり前だ。

 それは自分が死んでいることに気づいていない。

 腐った身体の死体、ゾンビ達は一斉に立ち上がり、動き出す。

 

 彼らは施設にいた科学者で、自分達が死んだと思っていないため被検体の元に向かって行く。

 もしくは、ゾンビの性質である生きた人間を求めて向かって行くのかもしれない。

 

 ゾンビ故にゆっくりと、被検体の元に近付いて行く。

 

 

 

 

 

 長く眠ったような感覚がする。

 だけど、それは一瞬のようでもあった。

 静かにユウは目を開く。

 辺りを探り、自分が今、どういう状況かを把握する。

 柵のない簡易ベッドの上で寝っ転がらされ、腕から胸に、太股を二本のロープで巻き付けられて拘束されている。

 

 どうしてこんなことに?

 

 疑問が頭の中に思い浮かぶと、ついさっきまでの事を思い出す。

 

 そうだ。俺は隕石に……。

 

 隕石が降ってくる、とニュースがあった。

 それ以降、科学者達が焦って実験所の話ではなくなった。

 あの人のお怒りだ、私達の夢が、なんて変なことを言っていた。

 

 そして彼らは、俺に異能を使わせた。

 氷の異能を無理矢理使わせて、それで……。

 

 それ以降からの記憶がない。

 

「探索するしかないか」


 隕石が振ってからの情報を知るためにも、ユウはここからでようとする。

 腕から胸に、太股に巻き付けられて拘束しているロープを燃やし、身体を起こす。

 

 「身体が怠い。なんで? まあ、いいか」


 身体を起こす際に異様に重い身体に疑問を感じるが、すぐに取り払う。

 

「まずは探索だ。それから──」


 ウィン、と部屋の自動扉が開く音が聞こえた。

 目を向けると、そこには映画で見るようなゾンビが廊下に敷き詰められたようにいる。

 

「なんだ? いつの間に俺は映画の世界に来たんだ?」


 ゾンビはスーツの上に白衣を着ているが、服は腐った身体によって薄汚れていて、離れているはずなのにここまで腐臭が届く。

 ユウは左手で鼻を摘み、右手を左から右に払うようにして動かす。

 

「燃えろ!」


 右手から炎の海が放たれ、ゾンビ達に襲い掛かる。

 炎に襲われて苦しむゾンビだったが、身体を燃やしながらもこちらに進む。

 歩みを止めないゾンビにユウは舌打ちをし、右足を勢いよく地面に叩きづける。

 すると、ゾンビの前に床から巨大な複数の棘の壁が重なるようにして生え、進行を止めた。

 

 ゾンビ達が床から生えた棘の壁に手を叩きつけて、壊そうとする。

 死んだことで脳のリミッターがなくなり、叩きつけた手がぐちゃという音がして潰れた。

 しかし、潰れた手は再生しえて元通りになり、何度も何度も叩いて壁にヒビが徐々に入っていく。

 

 ユウは追撃とばかりに、棘の壁を礫に変えてゾンビに向かって飛ばそうとするが、突如、頭痛に襲われた。

 

「うぐっ!」


 その激痛に頭痛がする頭を右手で押さえて、身体が一瞬だけ揺らぎ、踏ん張って堪える。

 ズキズキする頭痛は戦闘をさせる所の話ではなく、頭痛がなくなるまで休むためゾンビが入って来た入口の反対側、壁に向かう。

 空いている左手で壁に触れると、異能を発動させて壁に人が余裕に通れるほどの穴を開

ける。


 頭痛の苦しみを滲ませながら、ユウは明かりのない真っ暗な道を左手で壁を伝いながらゆっくりと進む。

 

 

 

 

 

「ヒッ!」


 フィーが悲鳴を上げようとする。

 それは当たり前だ。

 電気がないため、ユズハが真っ暗な道を魔法剣で明かりを灯すと、通路にひしめき合うようにゾンビがいるのだから。

 ただし、そのゾンビ達は二人に後ろ姿を向けているため気づいておらず、このまま離れることもできた。

 

 しかし、そうはいかない。

 フィーが悲鳴を上げようとしているのだ。

 ユズハが遅れて止めようとするが、間に合わなかった。

 ユズハも又、ゾンビの多さと腐臭、グロテスクな見た目に絶句し、一瞬だけ動きを止めたからだ。

 

「ひゃああああああああああああああ!!」


 フィーの可愛らしい悲鳴に、後ろ姿を向けて通路にひしめき合うようにいたゾンビ達が一斉に振り向いた。

 ゾンビ達が二人を認識したと同時に、ユズハがフィーの前に出る。

 

「フィー。ここは私が。君の毒やナイフじゃあ足止めすることもできない。エンリとリリーを呼んで来て」


「分かりましたぁ!」


 切羽詰まったような顔をするフィーは、振り返って来た道を走って行く。

 無事に去っていく後ろ姿を見たユズハは、意識をフィーからゾンビに向ける。

 

「私に力を貸せ。炎剣グレイモル」

 

 明かりを灯すために抜いたグレイモルは部屋を照らすほどの光を発したまま、両手で握って顔の前で構える。

 自分の体内にある魔力を手を通じて剣に流し込むと、グレイモルは変化を起こす。

 

 光は弱くなって刀身の淡い緑色が薄っすらと見え、剣の腹が自分の顔を写す。

 一瞬だけ遅れて、剣の鍔から炎の渦が巻き起こる。

 

 顔の前で構えたまま手首を捻って剣の刃をゾンビに向け、両腕を高く上げて伸ばして振り下した。

 振り下ろされたグレイモルは炎の渦を開放し、通路全体に炎の渦が行き渡って全てのゾンビの肌を焦がす。

 

「くっ! なんだ、この強さは!」


 ゾンビは遺跡に出てくる魔物の中では、当り前のようにいる。

 遺跡で死んだ探求者がゾンビになる、というのは有名な話だ。

 それ故にユズハは何十回、何百回とゾンビと戦ってきたため、どれほどの火力で倒せばいいかも知っている。

 

 だが、目の前のゾンビは倒れなかった。

 全身が炎上して動けなくなるほどの熱量なはずなのに対し、ゾンビの肌を焦がす程度だ。

 

「くそっ!」


 後ろに下がりながら吐き捨てるように、苦し紛れに炎の球を幾つも放つがゾンビには当たっても一歩下がる程度。

 良かったことといえば、ゾンビの足が遅いことぐらいだ。

 もし足の速い異常種がいれば、ユズハでも苦戦していたかもしれない。

 

 戦う、逃げる、とユズハの脳裏に二つの選択肢が浮かび上がり、即座に決まった。

 後ろに振り返って逃げようとすると、身体が止まる。

 その顔は絶望の色で染まり、目には無数のゾンビが写った。

 

 ユズハの背後からもゾンビが現れ、その奥からは銃声と詠唱が聞こえる。

 

 どうして?

 

 脳裏に、背後に現れたゾンビが突然出てきたことに疑問が浮かぶ。

 ここまで来る際、ゾンビのゾの字もなかった。

 なのに、どうして気づかなかったのか。

 目の前のゾンビに意識を向けていたため、気づくのに遅れて背後から来ていたゾンビの方が近い。

 

 ゾンビにサンドイッチされるユズハは絶望し諦めようとしたが、戦い続ける仲間の音を聞いて心を奮い立たせ、戦意を上げる。

 

「やってやる!」


 覚悟を決めたユズハが逃げるために、来た道にいるゾンビに襲い掛かろうとした時、それは突然だった。

 

 ダンッ! という音ともに、左側の壁が飛び出して先頭辺りにいたゾンビを壁同士で潰したのだ。


「頭が痛いっつうのに、俺はどうして映画の世界に来たのか……」


 発射された壁には穴が開き、そこから少年が出てきた。

 中肉中背とどこにでもいる普通の少年で、伸びきった黒髪を後ろで一つに纏めて両手は汚れた包帯を巻き、病人が着るような白い服を身につけている。

 痛みに堪えるような苦しむ顔をし、こちらを見る。

 

「銃じゃなく、剣か。ファンタジー要素ありすぎだろ。というか、銃がないとかゾンビに負ける展開だろ」


 彼の言っている言葉は全然分からなかった。

いきなりのゾンビで、燃やしても消毒しようとしても倒せません。

ゲームでこんなのでてきたら嫌ですね。


それと、誤字脱字があるかもしれませんのであった場合は教えてください。お願いします。


第二話はこの研究所、もとい遺跡から脱出します。

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