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初めてのケモノ世界1

「さぁ!こちらがジャポニのトーキョです!」


 なに?どこの何だって?


「えっとですね、夏哉さんがいた日本の東京という場所と同じと思ってもらえれば!」


「つまり、日本=ジャポニで、東京=トーキョって事?」


「はい!他の地名も似たような感じです!」


 そう言って懐から地図を取り出して見せてくる。



 分かりやすいからいいけどさぁ、ちょっと安直じゃない?


 女神様、さぼってない?地図に書かれてるのカタカナなのは共通語がカタカナなのか、俺に翻訳機能が付けられてそう見えるのか……


「この世界ではカタカナが主流ですよ。夏哉さんにも読みやすいはずです。でも、しゃべることは出来ても田舎に行くほど識字率は低いので大変なんですけどね」


「なんでミクが大変なの?」


「ワタシは下位眷属ですから、この世界の発展に努める義務があるんですよ。だから頑張らないとです!」


 獣人の姿のままのミクは、ぐっと両拳を胸の前で握っている。

でもすぐにその拳は力を失っていく。


「本当はワタシの名前もミケだったんですけど、書いた字がミクに見えたそうでミクって登録されちゃったんです」


「ああ!だから三毛なのにミクなのか!」


 ただの見間違いでミクにされたのか!なんて不憫な……


「あ、でもミクって名前も好きなので!大丈夫です!」


 もう一度拳を握りなおすミク。健気だ……


「うん。ミケもいいけど、ミクって名前もいいと思うよ」


「え……えへへぇ〜」


 握っていた両拳を開いて頬に当てている。


 うんうん、照れるミク可愛い。撫でたいけど自重しとこう!



「あ!そういえば、昔このジャポニも実は最後にカが付いていたんですよ!」


「待ちなさい。それはまずいから。それはだめだから!」


 学習帳さんに怒られるから!


「地球の神様が反対されたそうで、アポロニア様が泣く泣くカを外したそうですよ〜」


 あのおっさん女神の仕業か!学習帳さんに謝れ!

まったく……地球の神様GJだなぁ。




「で、ここはトーキョ?のどの辺りになるの?」


 周りを見ると、どうも神社なのか教会なのかあちこち混ざっているような建物の中に居た。正面にはさっきまで会っていた二柱の女神様の像が立っている。

 そこへ獣民と思われる馬や鳥、虎、狸と様々な動物が、4足歩行っだったり2足歩行だったりとバラバラだが頭を下げて祈っては帰っていく。



 てか、2足歩行の獣民だっけ?あの骨格どうなってんだ?明らかに普通の動物とは違う動きになってるよね?それに服の様なものを着てるし。4足歩行の獣民は服を着てたり着てなかったりだが、あれは裸扱いなの?まったく分からん!



「ここはトーキョの中心にある、日光神殿と月光神殿のジャポネ総本山ですよ!地図で言うとここですね」


 まぁ……そうだろうなと思ってたけど。場所は皇居だった。


 ジャポネって国の中での総本山であって、各国(ここでは国じゃなくて領と言うらしい)に同じような総本山の神殿が存在するらしい。日光・月光の神殿が合わさっているのも総本山の特徴で、普通は別々に建てられているそうだ。



「それと、さ……」


「はい!何でしょう?」


「何で俺達、遠巻きに見られてるの……?」


「それは当然です!」


 えっへんと言わんばかりに無い胸を張るミク。


「人型に変化出来るのは眷属の証。そして、より人としての姿となれるほど位が高いとされているからです!」


 それは、ミクは今人型の獣人ってやつになってるから眷属として見られてる。そこは分かった。




 ……じゃあ、俺は?


 そっと自分を指差し、視線で問う。



 初めは意味が分からず首を傾げるだけだったミクが、段々と顔色を変えていく。そして、周りを見回し、上目遣いで俺へと視線を戻す。



「え、えっとぉ……偉い人だと思われれば、争い事に巻き込まれずに済みますね!」




 やっぱり高位眷属と勘違いされてるってことじゃねーかッ!


 どうするんだこれ……!?


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