ミクの故郷 神殿2
インフルエンザが治った途端時間が足りなくなりますね……
拙作を読んで頂けたら幸いです。
「ミク様!いつお帰りになられてたのですか!?」
「今日はずっとここにおられるのですよね!」
「あの、私、うまく変化出来なくて、是非ご指導を」
「そうですわ!特別臨時講師として立っていただけたら」
「きゃー!相変わらずちっちゃい!」
「ふえぇ〜……皆さん、落ち着いてくださぁい!」
これあれだ。
見た目は奈良公演の鹿に囲まれた人みたいだ。
中学の修学旅行で同じ目にあったなぁ。
ぼっちだったから誰も助けてくれなかったけどな!
色んな女性?らしき獣民に囲まれていたミクが、
やっとの事で開放されてこっちへ戻ってきた。
「ひどいめにあいました……」
「お疲れ。でもすごい人気者だったじゃん」
あ。ちなみに、男性陣は遠巻きに悔しそうに見てた。
男がやるとセクハラになると言って女性達に警戒されてたそうだ。
女性でもあれだけベタベタされたらセクハラにならんの?
なんか理不尽なものを感じるわ。
神殿に入る前からそんな騒ぎになったが、
その後は集団で付いてくるけど押しかける事はなかった。
そして神殿長へ挨拶に行く。
「ようこそいらっしゃいました、カヤさん。
そしてお帰りなさい、ミク」
優しく微笑む神殿長さんが迎え入れてくれた。
半獣人と言ったらいいのか、顔も手足も人のそれに近い。犬種の獣民だと言うが、すらりと伸びる手足、メリハリのある体のライン。まさに大人の女性のそれだ。
さすがにミクほどじゃないけど、
それでも俺が見た獣民でミク以外では誰よりも人に近い。
「えっと、俺の事も知ってるんですね」
「ええ。女神アルテミア様の神託がありましたので。
何かと苦労もあるでしょうが、こちらの世界で幸あらんことを祈っております」
おー、アルテミア様が俺の事情も伝えてくれてたのか!
忙しそうなのに俺の事気に掛けてくれてるんだなぁ。
アルテミア様、ありがとうございます!
「ではミクは、この後実家に向かうのですね?」
「はい!カヤさんを家族に紹介するので!」
「まぁ!あらあら、そういうことでしたか」
ぽむっと手を合わせて喜ぶ神殿長さん。
「えへへ〜。あ、でも、ここで講義を行う約束をしてしまったので、
今日はこちらに泊めさせていただけるとありがたいのですが……」
「あら。あの子達に押し切られたのね?
ミクも予定を言えば断れたでしょうに」
「ここにはお世話になったので、
少しでも恩返しがしたいので大丈夫です!」
「分かりました。では部屋はこちらで用意しましょう。
カヤさんと同じ部屋でいいですか?」
「はい!昨日の宿もいっしょでしたから!」
「あらあら。挨拶が決まっているからと言って、
ここでは節度を守ってくださいね」
「せっ!?そそそそんなことしてませんからっ!」
あわあわと手を振るミクと、変わらず微笑む神殿長。
節度かー。確かにそんな事はしてないな。うん。
「カヤさんを見る限り、本当に何も無いのねぇ。
ミク、少しは頑張らないとだめですよ?」
「そっ!それは……えと、これから、ですのでぇ」
「はいはい。では、ミクは久しぶりに教壇に立っていただくとして、カヤさんも一緒に行って見学なさってください。その間に部屋を用意して、あとで案内しますからね」
「あ、はい。お世話になります」
親子の様な2人の会話にちょっと置いていかれた感あるけど、
まぁそれは2人がそれだけ仲がいいってことか。
とにかく、今日の予定はこれで決まったな。
ミクの実家には明日の朝ってことで、
今日はこの神殿を見学してみよう。
まずは、ミクの先生姿を楽しみにしてるぞ!




