馬車旅2
ローカルネタ通じない方、申し訳ありません。
自由に行かせていただきますっ!(懲りてない
ネオサイタマの中心街を出発し、間に3回同じような休憩をして、グンマーまであと一息と言う所まで来ていた。町の周りには野菜や麦らしき畑は多かったが、町がないとただの平原か林だらけの風景が続く。
そしてミクはあの後炭酸を飲み終わったらすぐに猫になり、定位置だと言わんばかりにまた俺の膝の上で丸くなっている。ちょっと周りの視線が痛いのはきっと気のせいだ!
余談だが、カゴハラは結構栄えていた。
修理に来た荷車引きの獣人が多数滞在するため、宿場町として賑やからしい。
さすがですカゴハラさん……!
「この平原を抜けて川を越えたら、いよいよグンマー領ですよ!」
「まずはダルマってターミナル街に行って、
ビャクイって神殿に行くんだっけ?」
「そうです。あ、何度も言いますが、決してビャクエって間違わないようにお願いしますね!最重要事項ですからね!」
「はいはい」
ダルマってたぶんそのまんまだけどあの場所の事だろうなぁ。
中心街はどこか聞いたらフロントブリッジだそうで。
無駄に横文字でかっこいいなちくしょう!
そこから1回休憩を挟んでから、ようやく川を渡った。
ここからがグンマーか。うん、見渡す限り平原か林だな!
「ミクには悪いが、田舎だからこうなるよなぁ」
「あはは、そうですね。でも、街は結構大きいんですよ!
ビャクイ神殿だって丘一つ丸々使ってますから立派なんです!」
「ミクはその神殿で頑張って修行を積んでたのか。
学校だと母校みたいなものかな?」
「そうですねぇ。ここ数年眷属としてのお仕事が忙しくて戻ってなかったので、実家もですが神殿を訪ねるのは嬉しいです」
くいっと頭を上げて、目を細める。
そしてそのまま俺の手の中へ戻ってきた。
「えと、その、カヤさんを実家に紹介できるのも、
とっても……嬉しくてですね?」
「さぁ!もうすぐダルマ街のターミナルに着くぞー!
この馬車はここで終着だから忘れ物無いかよく見ろよ!」
甘々な雰囲気を作ろうとしたミクに、
馬の従業員が容赦なく声を上げてぶった切る。
この半日、皆2人のイチャつきにお腹いっぱいなのだ。
心の中では誰もが「よくやった!」と褒め称えていたのを知らないのは夏哉とミクだけだったのだ。
「「「ありがとうございましたー!お幸せに!!!」」」
何故か馬の従業員以外の獣民も唱和してた。
え、マジでなんで!?
ダルマ街のターミナルは、神殿と川を挟んで反対側にある。ちょっと小高い場所に役所があり、神殿は小山1つ丸々全部を使っているため、役所とは別々になっている珍しい作りらしい。
「神殿のある山の麓にも宿がたくさんあるので、
今日はそちらで泊まって、神殿には朝に参拝しましょう」
「今は16時か。まだちょっと明るいから、
街を見てからでも間に合う?」
「はい。神殿行きの馬車は20時まで運行してますので。
そうですね、また名産を見に行きましょう!」
今日何度目かの名産めぐり。
ミクが自然に夏哉と手を繋ぎ、夏哉もそれに慣れてたのか照れは無くなっていた。
それから2時間位は見ていたのか、
商店街を抜けた頃には空は暗く、星の光が見え始めていた。
「もう日が暮れちゃったか。
ミク、そろそろ宿を取りに行こう!」
「はい!夕食付きの宿探しですね!」
ターミナルに戻った俺達は、こんな時間でも20分おきに運行しているビャクイ神殿行きの馬車に乗った。
田舎でこれだけ本数あれば十分だなぁ。
しかも結構客が居るのがまた驚いたわ。
「今は帰宅ラッシュの時間なのを忘れてましたぁ」
俺の心を読んだのか偶然なのか、
ミクがちょっと苦しげに言う。
「ミク、こっちおいで。よっと」
隣に立っていたが辛そうだったので、
俺の正面と車体の壁の間に立たせる。
「今からでも猫に戻れば抱きかかえられるぞ?」
「いえ、こう狭いと変化は……厳しいですぅ」
俺の胸元まで届かないミクの背では後頭部しか見えない。
でも、へそ辺りに顔を埋めているのだけは分かった。
「ちょ!息が、お腹に!」
「狭いから仕方ないんですぅ〜」
こいつわざとじゃないよな!?
でも確かに今は目一杯で狭いし……
「ああもう!顔押し付けるなってば!」
「えへへ〜。混んでますねぇ」
「絶対わざとだろ!?」
分かっててやってるぞこいつ!
あとどれぐらいで着くんだ!?早く着いてくれーーー!
そんな2人のやりとりに、砂を吐きそうな一団がいた。
(((またお前らか!!!)))
それは、数時間前まで一緒の馬車に乗っていた、
あの独身男性獣民の方々だった。




