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初めてのケモノ世界6

インフルエンザをうつされてしまいまして……

もう1つも更新遅れています。すみません。

 無事に宿を確保してもらって、再び町を散策していた。

宿はシステムが分からないからミクに任せたけど、すぐ取れてよかったなぁ。




「あ、そうだ。鞄と着替えの服が欲しい」


 宿を探す時にいくつかの店が目に入って、さっきの会話で思い出した。

おれ、この服装と腕時計以外ないも無いよなって。


 それに、こっちの世界の服の方が目立たないよね?

今の制服姿は……うん、かなり見られてる。勿論ミクへの視線もあるけど。


 ただなぁ。ここの獣民は4足歩行だとマッパなやつもいるのいいの?

全員ってわけじゃない。ちゃんと前掛けだったり褌だったりと様々だけど、ちゃんといる。

2足歩行の獣民はちゃんと着てるんだよね。結構な数で上半身も。


 その感覚の違いがまったくわからん!



「あ、そうですねぇ。その全身真っ黒だと目立っちゃいますね。

気付かなくてごめんなさい……」


 しゅーんと倒れる耳を見て慌ててつなぐ手を引っ張って気を散らすわけで。


「と、とにかくさ!せっかくこっちに来たんだから早く馴染みたいし!

ほら、早く店行ってみようよ!」


「……はい!じゃあ夏、えっと、カヤさんのサイズも置いてある店行きましょう!」




 で。買ったのは作務衣みたいな服。


 おお!こういう和服っぽいのって着た事なかったからいいね!


 さらに肩がけの革鞄も買ってみた。せっかくなのでミクとお揃いだ。


「えへへ〜」


 お互いの鞄を見てはニコニコするミク。よほど気に入ったみたいだ。

聞けば普段は余り荷物を持たないからポーチの様なもので済ませてたらしい。


 え?着替えどうしてたの?


「宿の浴衣を着てお風呂に入って、翌朝までに洗って乾かしてくれるんですよ。

追加料金ですけど必ず利用してますよ!」


「へぇ〜クリーニングのサービスもあるんだ。結構すごいね」


 下着と靴下と服2着と鞄。靴は今はいいや。

後は髭剃りや歯ブラシみたいな細かい生活用品、水の入った蓋付き瓶やタオル等買い物をした。



「カヤさん、そろそろ宿に戻りましょう。

夕飯時は混みますからちょっと早めの方がいいですよ!」


 薄暗くなり、どういう仕組みか分からない街灯が点き始めた。

あっても3階建てくらいの家屋が並ぶ町でも街灯が点けば賑わってるのが分かる。

人も……いや、行き交う獣民も増えている。


 まだ獣民っていうのに慣れないんだよな。

指も無くお金を取り出す姿や、たまに鳥が背中に乗って一緒に会話しながら通り過ぎる光景。


 うーん。


「どうかしましたか?」


 俺の歩みが遅くなったからか、ミクが首を傾げて見上げてくる。


「ん?ああ、いや。鳥や犬や馬って大きさが変わると、飯屋のサイズも合わせるの大変そうだなって」


「ここでは大中小と3種類あるのが普通なので、あとは自分に合った量を注文するんですよ〜」


「あ、そうか。昼の海鮮丼も3種類あったね」


 それにしても……俺達が注文したのが中だから、大はあの奥で食べてた桶だよな?

1サイズ変わっただけで違いすぎじゃね!?


 注文する時は気をつけよう!

ちょっと足りなそうな時でも大はやばいな。うん。




 宿に戻ると、そこは戦場だった。


「あーもう!埃が立つからその辺を飛び回るんじゃないよッ!」


 宿の1階である食堂は、見渡す限りの鳥・鳥・鳥。

牛種であるおかみさんと店員さん以外はほぼ鳥の客で埋まっていた。


「やっぱりこうなってましたかぁ」


「やっぱり、なのか?」


「はい。鳥種は夜に向かない獣民が多いので、

今のうちに晩ご飯を済ませるために大勢おしかけた結果こうなっちゃいましたね」


 鳥目ってやつかな?確かに、梟のような夜行性の鳥は見当たらない。


「お客さんごめんよ!もうちょっと時間をずらしてくれるとありがたいんだけど」


「あ、大丈夫ですよ!それまで部屋で寛いでますから、何か飲み物だけいいですかね?」


「すまないね!水も緑茶も好きなだけお代わりしていいからね!但しセルフサービスだよ?」


「了解です。いただきます!」


「いただきます!」


 2人でお礼を言って冷えたお茶の入ったボトルとコップ2個をもらって奥の階段を上っていく。

いやー、すごい騒ぎだったなアレ。会話が分かるはずなのにピーピー聞こえたわ。



「さて。じゃあとりあえず俺の部屋に案内してもらえる?」


「カヤさんんの……ですか?」


「あれ?部屋とってあるんだよね?」


「はい!私達の部屋を取ってあります!」


 あれ?会話がずれてる、のか?


「それじゃ、その中の俺の部屋の方へ……」


「私達で1部屋ですよ?」


「……えっ?」


「じゃあ部屋に案内しますね!」


 同じ部屋?……まて。それは、まずいだろう?


「ミク。男女が同じ部屋ってのはその……まずいだろ」


「私達だけですよ?……あ!部屋は広いので大丈夫です!」


 いやいや!問題はそこじゃないから!


「年頃の娘さんと一緒ってのはほら、寝る時も、さ」


「……あっ!そこは、カヤさんだったら、その、見られてもいいです」


 もじもじと視線を外して先に行ってしまう。いいんだ……

いや、知り合って1日も経ってないのに手を出すのはだめだろう!




「ここですよ!」


 そう言って鍵を開けて手招きするミク。

ドアに隠れながらってのがまたずるい!


 いや、手は出さないけどさ。


 ラッキースケベくらいは許してくれますかね?女神様?



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