器の大きさ
「瑛太兄さんは何でそんなにすごいの?」
「俺は俺のやることしているだけさ。おまえにだってやるべきことはある」
「俺がやるべきこと…………」
兄にこんなこと言われたのはいつだったかな。
「私は何で駄目なの?」
「駄目なのは駄目なんだ」
「理由になってないよ。フレンドぐらいいいじゃない。そんなに私が嫌い」
「そ、そんなんじゃないよ!」
俺は声を大にして言った。
「俺にはできないんだ。多分兄にはできるだろう。でも、俺にはできない。だって兄とは………」
「瑛太兄さん。俺にはやるべきことも、やりたいこともないよ」
「ハハハ。そんなもんさ。ゆっくり考えるだな、答えはおまえの中にあるよ。きっと」
このところの俺は、兄さんの凄さに圧倒されて、自分と兄さんの違いを気づきながらも自分もいつか兄さんみたいになりたい。そう思っていた。でも、俺にはなにをすればいいかわからなかった。
「俺には無理なんだよ~~!」
俺はいきなり叫んだ。
「わぁ、わあっ!どうしたの急に……」
「ゴメンな。俺にはできないんだ。兄とは違う。今の俺はこわいんだ。自分の知り合いや知り合った人々が死ぬのが………」
「私は………私は死なない!絶対に死なない!」
彼女はそう言いながらふるえていた。
「嘘だよ。私、1人じゃこわい。誰かと一緒にいたい、そうじゃないと………」
「強く、なってくれ………強くなるんだ!」
「無理だって………私は戦えない………」
「強くなってくれるなら…………パーティーメン………なって……」
「えっ………」
「今すぐは無理だけど、きっとパーティーメンバーになるから!」
彼女は笑った。
「うん。私、強くなる!」
メールがきた。
『ゲームマスター』
現在の生存者 300万人
死者 50億人
スキル解放レベル 5まで
最高階層 1階
報告終了
ピーピー アースリングに信号がきた
また、メールがきた………