世界の統制
日本とロシアの北方領土と言われている島の所有権争い。それはロシアの1つの提案で解決した。あの場所を独立国家にしてしまうというのだ。そしてそこには日本とロシアの人々が共存する世界にする。表向きはそんなものだった。しかし、本当の目的は北方領土の破壊。
私は許せなかった………それは私の母親の命を奪ったものだと知ったときとても許せなかった。そして指揮官に言われた。
「俺たちは世界の統制を恨め!人ではなくこの世界を作るものを恨め!」
そしてこの国のものは皆各地に別れて世界に総攻撃をした。そのときの生き残りが私とネロである。
「教官の言ってたこと覚えてる?ネロ」
「もちろん。ソ倭の最高指揮官だった神風の純粋な血をひくものを保護するんでしょ……」
そして私たちは瑛太に出会ったのである。
━━━私は……彼のことが好きだ……
それだけが私の未練である………
私は後ろを振り向き、ゆっくりと歩いた。しかし、扉は現れなかった。
「おかしいな……まさか生きてる!」
私は慌てて後ろを振り向いた。後ろに高斗はいなかった。
「残念………だったな………」
私は背中にナイフを刺された。浅くはいったためそれほど大きなダメージにはならなかったが、右手の自由は奪われてしまった。それは痛いからではなく、自分の力を制御できていない感覚だった。
「お前のトリックも全部見破ったよ……」
「そうかい………なら見せてくれよ……」
昭子は必死に右手を動かしてトリガーに手をかけた。そしてやっとの思いで一発撃つことができた。しかし、それは的はずれな位置に飛んでいった。
「君の能力。それはこの空間での反射だ!」
昭子の放った弾丸は何かに当たったかのように反射して高斗めがけて飛んでくる。
「そして反射するたびに、威力とスピードを増す。そうだろ!」
「たったあれだけで………でもこれで終わりだよ……」
反射を繰り返した弾丸は目に見えないスピードで飛んでいた。
「残念ながら、これじゃあスローモーションにしか見えない………」
高斗はそれを意図も簡単にかわし続ける。
「なんで当たらない………なんで………?!」
「自分の攻撃で死ねるなら本望だろ!」
「身体が……動かない………」
昭子の心臓にその弾丸は命中した。
「なんで………なの………」
必死に最後の力を振り絞って聞いた。
「澪野が使っていた薬を使ったんだよ……」
「あのドーピングの薬を………だと……」
「そうだよ。後はそれナイフに塗っていただけだよ……」
昭子は最後にこう言い残した。
「あなたはこの先の鉄に勝っても意味がない………でも……あなたが作る世界を見れたら幸せだったろうに………」
昭子はそのまま永遠の眠りについた。俺の前に扉が現れた。
「最後だ………これですべてが決まる………」
ゆっくりと、最後の扉を開いた。
大きな空間に出るまでに俺の脳内に色々なビジョンが映った。
「これは………」
それは俺の生きてきたすべての出来事だった………
「ネロが言ってたこと………それが本当なら……」
そんなことを考えていると、大きな空間に出た。
「待っていたよ。神風高斗……いや、この時代の━━」
それは黒いローブを着た鉄の姿があった………