意味
「地獄で後悔しろ。このグズ親が………」
俺はそう言い残し、母の顔を震える手をこらえながら銃の引き金をひいた。母の顔はふきとび、俺の服には大量の血がついていた。俺の背中はとてつもないほどの汗をかいており、今でもすぐに倒れてしまいそうなぐらいフラフラな状態だ。
俺は、ゆっくりとスキルの画面を開いた。どんなスキルがあり、俺にあったものをさがしていた。『強い意思』このスキルが俺の目に止まった。迷わず俺はこのスキルを解放させた。そのとき、後ろに殺気を感じた。先ほど俺の親に狙われてた女の子が
「う、後ろ。あぶない」
少年が剣を俺の背中から突き刺し、貫通させた。
「おまえの親のせいで、その恨みだー」
少年が使っていた剣は剣というよりは大剣だった。
「どうだ、これが大剣『ゲーラ』の威力だ~~」
この大剣を俺は、たやすく引き抜いて、それを少年に向かって構えた。
「何で、何で死なないの?」
俺はこの大剣を振り回してた。
「少し重い武器だ。元は剣だったが、加工していったんだろ。少年」
俺はいつにもなく淡々と、ただ冷然と話した。
「俺のスキル『強い意思』は簡単に言うと死なないスキルなんだよ。条件はあるけど」
「条件?」
「生きる意味をしっかり持っていること。そして、その意味が殺そうとした相手の理由より強いこと。ただそれだけ………」
《チュートリアルが終了しました。繰り返します。チュートリアルが終了しました。》
「生きる……意味?」
「そう、生きる意味。俺は、この世界をつくりだした兄に会い、その意味を確かめる。君からしてみればたかがそれだけかもしれない。でも、俺はそのことを確かめるまで死ぬわけにはいかないんだ!」
俺は顔を暗くして聞いた。
「君は何で俺を殺そうとした。復讐か、それとも自分が生き残るためか、それとも………」
「復讐さ。僕にも兄がいた。その兄は君の親に殺されたんだ!」
俺は、持っていた大剣を危うく自分に刺してしまいそうになった。
「すまない、本当にすまない」
「でもいいです。あなたのおかげで気づきました。僕の復讐は人々にするのではなく、このゲームにぶつければいいと」
急に、辺りが暗くなった。兄が目の前に現れた。
「さすがだよ、俺の見込んだ通りだ。弟よ。約束だ、あるものをおまえに渡そう。これは、大事なお守りだ。しっかり持っておけ」
「それだけじゃないだろ。瑛太兄さん。」
「ああ、これから良いことがはじまるから目の前で見たいなーなんて思ったの」
地面が勝手に動きだし、そこらじゅうにある死体を取り込んでしまった。
「ああ………」
そこらじゅうにあった死体はなくなり、かわりに自然が増えていった。
「兄さんの目的は何?」
「それを知るためのゲームだ。知りたいならゲームの最後まで生き残ることだな」
そういって兄は一瞬で消えてしまった。
「すみません、ぼくをパーティーメンバーにしてください。」
「私もお願いします」
俺はすぐに答えた。
「無理だ。今の俺には、パーティーメンバーはいらない。ただ、君とならフレンドにはなれる。またいつか会おう。君とならまた会う、そう思うから………なんとなくだけど」
「わかった、ぼくはライ。その『ゲーラ』はあげる。また作れるし。」
そういって、ライはこの場を去った。
「何で、私はフレンドにもなってくれないの?」
「……………」
俺は沈黙を続けることで精一杯だった。