死のゲーム
全プレーヤーはまっさらな平地に集められた。そこに現れた瑛太は言った。
「皆さんようこそ。これから戦争をしたいと思います。戦争をするのにとても明るい?だってゲームだもの。それにこのゲームはいつだって死と隣り合わせなんだから……」
彼は明るそうな口調で言ったと思ったが最後の一言はとても暗い声で言った。
なにを考えてるんだ………兄さんは……
「話がそれたね。ルールは簡単だよ。あなたたちは、この瞬間に三つの軍に別れてもらうよ。その三つの軍の大将。つまり、選ばれた三人のうち二人が死んだらこの戦争が終わる。しかし、この三人にはアースリングの力によって、10000人が死なないと戦うことは出来ません。まぁ、後は考えて下さい。それでは楽しい戦争を………」
彼はこの場からいなくなった。何が楽しい戦争を……だ。あいつは何がしたいんだ………。
誰も動こうとはしなかった。別に殺し会う必要なんてないんだ。だって誰も死ななければ進展が起こらない。つまり、冷戦状態でなんとか出来るのだ。皆はそれでやり過ごそうとしたが、運命の歯車は止まることはなかった。
「あの山の方から何か来るぞ!」
俺はこの場にいる全員に伝えた。大量の何かがこちらにせまっていたのだ。ようやくそれが何なのかわかったときには、もう遅かった。
「あれは………人間?」
一人の成年が言った。そのとき俺は悟った。
「戦うしかないッ!みんな、いくぞ!」
今度は違う成年が皆を引き連れるように言った。
「駄目だ!行ってはなら………」
俺がいいかけた時にはすでに遅かった。
「奴等はたぶんこのゲームで死んだ人たちだ!だから戦うのは駄目だ!」
もう遅かった。俺が言った時には先に行った100人は全員死んだ。俺は残った人たちを逃がしてやりたかった。しかし、残った人々は、俺、澪野、零二の三人の護衛をしたのであった。
「なんで逃げない!」
「私たちを信じて下さいよ」
俺の言葉にある女の子が言った。
「ここまで生き抜いている人はこんなところで腐ったりしませんよ。だから一緒にこの戦争をここにいるみんなで勝ち抜きましょうよ」
「そう…だな!皆さん、一緒に戦いましょ……」
俺が言いかけた時だった。
ドカーン
零二のいた場所周辺が爆発音が聞こえた。もくもくとたちあがる煙の中から零二が現れて言った。
「そんなぬるいことをまだ言っているのか?高斗くん」
「どうしておまえが………」
その頃、
「早速零二があなた様の軍を壊滅させました」
「了解したよ。君は戻っていいよ。後は僕だけの戦いだからね」
少年はゆったりとその部屋をあとにしたのであった。