デス・エンド?
「貴様~~ッ」
澪野は応戦した。意外にも、思ったより戦えていた。
「なんでだ!なんで闇に魂を売ったんだ!」
「今さら何を言っている。お前だって同じだろ………」
澪野は少し動揺した。彼女はある日を境に闇に魂を売っていたからだ。でもわからなかった。彼が今さら闇に魂を売ったのかを。
「そんなもんか?助けてみろよ!俺を助けるんじゃなかったのか?」
「ふざけるな~!」
「ハッハッハ。いいよいいよ。もっとだ。もっと怒れ。もっと苦しめ。そしてそれが頂点にきたとき………お前の最後だ!」
どっちも退かなかった。ただ相手を殺すために剣を振っていた。
互角の戦いも少し差が出始めた。やはり高斗のほうが一枚上手だったために、少しずつ高斗が押し始めた。
「弱い弱い弱い。もっと楽しませてくれよ。バ・ケ・モ・ノさん」
「いつまでも………調子にのるな~!」
澪野は反撃しようと剣が大振りになった。そこを高斗は見逃さなかった。
「終わりだ。デビル・ブレイカー」
高斗は神風丸を空に投げた。そして澪野の二本の長剣を、両手で握りしめた大剣で弾き飛ばした。
「そんな………」
澪野は間合いを取ろうとしたが、動けなかった。高斗を覆っていた闇らしきものが澪野の手足を動けないようにしていた。
「フフフ………苦しめッ!」
それは澪野の全身を覆った。その中はとても熱く辛いところだった。
「うぁーー……いやーー……」
ようやくそれから抜けたが、もう身体はボロボロでそのまま倒れた。しかし、高斗は澪野の首を掴んだ。
「君は簡単には殺さないよ……たくさん苦しませてあげるよ……」
高斗はとことん澪野を苦しめた。左足を切断してみたり、右目をくりぬいてみたりした。死にそうになると回復魔法で、体力と傷だけ回復させては残酷な行為の繰り返し。そして残すは胴体だけになった。
「あーあ。暇潰しもお仕舞いか。それにしてもよく生きてるよね♪でも………心臓を貫くとどうなるだろう?殺ってみればわかるか♪」
高斗は澪野を持ち、空高く舞い上がった。高さにすると5000メートル地点まで上がった。
「サヨナラ。吉良澪野」
高斗は澪野を離した。そして地上に戻り、落ちてくる澪野の心臓を的確に貫いた。そして彼は空に飛び上がった。
「約束だ。俺を殺してくれ」
「我ももうお前の身体をかりる理由がなくなった。が、本当にいいのか?」
「もう嫌なんだ。人に会うことが」
「そうか、なら」
ドクン。
高斗の心臓をルシファーは抜き出した。
「あとはこれを斬るだけだ」
高斗は神風丸を握って最後に言った。
『こんな俺のそばにいてくれて、ありがとう。君とパートナーになれて良かった』
そう言って………
彼は…………
自分の心臓を………
斬ったのであった。
それから……
ルシファーを………
見たものはいない。