そして僕らはまた再会した……
また会話パートになってしまった………
時々わからなくなる時がある。僕はなんのために生きているのかを………
人は心を持っている。その心は時に人を不幸に、時には絶望に陥れるかもしれない。しかし、僕らの祖先は心を捨てなかった。これは兄から聞いた話だ。
遠い昔の人間たちは今の人間よりずっと進んだ技術を持っていたらしい。それは人間を作り出すことだ。クローンではなく心もしっかり自立した人間を作りだすのであった。
そのときに一人の学者は心について調べていたんだ。そしてその学者は人間を作ることに反対したのです。そしてその世界からは人間を作りだす技術は消え去った。しかし、それだけではなく心もバラバラになってしまったのだ。狂い始めた心は人々を壊していったのだ………
今の俺もそうだ。人の闇を食らいつくして生きている。人の狂う心を俺が背負い込んできた。すべて正しい。そう思っていた。しかし、それがようやく違うと気づいたときに………兄さんの剣は俺の左胸を貫いた………
俺はすべて人間の闇を食べてようやくたどり着いた。兄のいるこのBF70へ。
「やはりあなたが最初の到達者ですか」
目の前にはネロがいた。
「お前か………」
「ようこそ、真実と理想のフロアへ……」
「今までのフロアに名前なんかなかっただろ」
「ゲームマスターがこことBF100だけに三日前につけました」
「それで、俺に何のようだ?」
「つれないな………瑛太に言われたんだよ。お前を連れてこいと……」
「そいつはいい話だね。兄さんとは話したいこともあったから……」
「私の手を握りな。ある場所までつれていくから」
「そんなことできるのか?お前すごいな!」
「死神の特権だよ」
そう言って俺はネロに連れられた。
「君が死なないことだけ祈ってるよ。私のおもちゃがなくなるのは困るからね」
ネロは俺を置いてどこかに消えた。
少し進むと、あいつはいた。
「久しぶりだね。高斗くん」
「兄さんこそ久しぶり。何で兄弟なのに再会がここまで心地よいものなんだろう……」
「それは君に心があるからだよ。心は人々を変えることができる」
「それもそうだね………俺も兄さんも心によってすべてを変えられてしまった……」
「今なら兄さんの論文の意味がわかる気がする。だけど………」
そして俺らは同じ思いを確認しあった。
『もう後には退けない!』
俺は剣に手をかけた。そのときだった。
「二人ではじめてもらっては困りますよ。瑛太さん」
「私たちも混ぜて下さいよ」
そこには零二と澪野の姿があった。