復讐者 侵攻編
俺は闇雲に誰もいない場所を壊し続けていた。そうだ………人は自分の欲望を闇と呼び、それを否定する。だから許せない。自分に甘え、自分は正しいと言いはり、そして他は間違っている。そう考える。
イライラする。吐き気がする。俺は自分の闇を肯定し、認める。そして前者の考え方の人間どもを殺す。俺はこの考えをいだき、すべての場所を破壊してた。
しばらく日がたち、ある町を発見した。誰もいない町だった。
「手を振ってるやつがいる………」
ようやく見つけた女の子に事情を聞いた。その子の話によると、ある二人組のやつらがこの町を占領し、この町の人々を全員監禁してるらしい。この女の子は捕まらず、ずっと隠れていたらしい。
「その場所はどこだい?」
俺は優しく聞いた。
「あの中央にあるビルの地下です。お願いです。助けてください」
「自分で行けば………俺はあんたが思っているほどお人好しではないよ」
「お願いします………何でもしますから……」
その女の子は泣きながら抱きついて俺に言った。
「死ねと言えば死ぬのか?」
「………」
「お前は自分の命を引き換えにこの町の人々の命を選択できるか?」
「無理です………」
「だよな………だからお前は俺に嘘をついた。この町の人々を救うなんてでたらめ。自分の命すらさしだせないお前は卑怯ものとしか俺は言えない」
「…………」
「でも助けてやるよ。俺が助けたらこの町の人々を全員殺す。その条件だったらな」
「それは………」
「選ぶといいさ。なも知らない人間に町の人々を殺されるか。町の人々はずっと戻って来ないか………」
「…………」
「悩めよ………苦しめよ………お前の苦しみは俺が他のやつに味あわせてやるよ……」
「助けて………私の命だろうとこの町の人々の命だろうと好きにしていい。だからあの二人組を消して!」
俺はにやりと笑った。
「いい返事だ………ならお前の命を貸してもらう」
俺は大剣で彼女の心臓を貫いた。
「人の憎しみは俺に力を与える。人の苦しみは俺の幸福に値する。…………始めるか……」
俺は彼女の言う通り町の中央のビルに向かった