表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人類終結戦争   作者: phoenix
伝説の武器を求めて
35/67

軸の中心

『俺は誰かと本当の友達になりたかった……』




俺は兄さんと巧みな連携で迷宮森林のモンスターを討伐していた。

「いくよ!」

「遅れるなよ………」

相手は体長7㍍の熊のようなモンスターだった。俺は、この世界でも実体化してた大剣を握り、兄は創造棒で作られた二本の長剣を扱う。

まずは、相手の右ストレート。体格のわりに素早い攻撃だった。俺は大剣で受け流し、右足に斬撃をあたえた。ふらついたが、体制を立て直され、今度は左フック。兄は余裕をもってかわし、左足に斬撃をあたえた。ふらついたところに、今度は俺が右目を斬りつけて視界を奪った。尻餅をついたそいつを兄は逃すかと言わんばかりの連撃。右足、左脇腹、右手、左肩、脳天、右肩、左手、右脇腹、左足と順に目に見えないくらいの速さで斬り続けた。

「後悔するんだな……」

俺の一言に兄が続いた。

「俺たち兄弟の………」

そして二人同時に

信頼(コンビネーション)にな!」



俺はあの日の出来事は兄さんに聞いたものなんだ。だから事実は知らない。それ以降は自分の生き方を貫いたつもりだ。そんな俺にはたくさんの友達がいる………と俺は思っている。俺の作り話が面白いからいつも近くにいるだけなのかもしれない。だから俺は友達なんて心からは思えない………



「瑛太。ここは俺と高斗くんに任せてくれないか」

「……構わない」

「準備はいいかい?」

「………いいよ」

今度はカンガルーそっくりのモンスター。俺は新風丸を、零二は創造棒で作られたソードライフルを持ち戦った。超人的な脚力と瞬発力を利用したそのモンスターの戦い方は結構やっかいだった。

しかし、それを利用して零二のライフルで足元を狙い、体制の崩れたところを俺が斬るカウンターをすることで隙をつくることに成功。零二のソードライフルとは、ライフルを変形させることによってビームソードを作りだせる武器のこと。テレビの特撮をまねしたらしい。

隙を逃さず、俺の新風丸と零二のビームソードでモンスターの両足の筋肉を切り落とした。

最後に二人同時に、

討伐完了(ミッションクリア)



俺はずっと孤独だったんだ。好んで孤独になっていた。でも、急に記憶がなくなったから怖くなったんだろう。そんなときに兄の凄さがあらためてわかったんだ。自分の小ささを気付かせてくれた兄を。



「次は………私がいくよ!」

澪野は創造棒でマシンガンを作り、テントウムシの集まりのようなモンスターと一人で戦った。彼女の射撃のセンスはピカイチで1匹1匹を正確に撃ち抜いていた。しかし、拡散してしまって、マシンガンでは不利だった。

「下がれ、澪野」

俺はそう叫んだ。

「無理はするな…………いくぞ!」

「は………はい!」

「イメージするんだ!お前ならできる!」

「これが………俺のイメージだぁ~~」

俺の創造棒はショットガンに変わり、澪野に援護を求めた。

「一気にいくぞ!」

このモンスターはこちらの攻撃に合わせて拡散し、また集合する習性がある。ならばそれを利用する。

「澪野!俺が拡散させるから1匹ずつ仕留めろ!」

「了解」

ショットガンはもともとこういう敵に有効で、それを逃したやつを仕留めるのに適役が澪野。そして、

完全勝利(オールクリア)



だからこそこの仲間はパーティーであり、友達でありたい。俺はそう強く願っている。



迷宮森林に入って10日が経った日だった。辺りは殺気と暗雲に満ちた空気だった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ