決闘《デュエル》 その2
「くらえッ」
俺は上手く神風丸を使いこなし、兄さんに攻撃をしかける。
「はッ…………おっと…………はぁーーッ」
しかし、兄さんには無意味ですべて見切られる。
「今の君では無理だよ」
「うっせえーなー。これからだよ!」
「………懲りないなぁ……(汗)」
なんで俺は剣を持っている。何故澪野と零二は倒れてる。なんで俺はこんなに怒ってるんだ………
(ただ兄さんとデュエルしてるだけなのに……)
自分にすら制御できない闇を俺はもってしまっているようだ。どうすることもできない闇。俺はそんな闇をただ発散しているだけだった。これじゃあ、あのときと一緒だ……兄さんの夢の世界と同じように俺は失うのか?でも、何を失うんだ?俺に失うものなんか……
「目を覚ませよ!」
「!?」
兄さんは俺の顔面を拳で殴り言った
「お前は何故生きる?お前は何故戦う?」
どうゆう意味だ?何を言ってるのか俺にはわからなかった。
「お前は何故このゲームの中で生きようと思ったんだ!」
「それは………兄さんを………」
「バカヤロー!そんなわけないだろ。そうなら何故俺を説得せずに戦うんだ?」
俺が戦う理由………
「そうだぜ………高斗君よッ!」
さっきまで倒れてた零二が立ち上がり俺に言う
「今のお前じゃ、お兄さんどころか俺にすら勝てない!」
「そんなわけないだろ!今だって………」
「ふっ………どうかな……」
零二は常に間合いを超接近戦の位置をとり、素早い対応力と超人的な集中力で俺を翻弄する。
「ほほう。零二とやらがここまでとはな。さて、どうするの?弟よ……」
速い。速すぎる。動きについていけない。俺と零二は何が違うんだ?
「ソニック・零」
零二の動きが更に速くなる。目がおかしいのか、零二が3人いるように見える。
「終わりだ!」
3人の零二が同時にかかってくるように見えた。何も出来ず、俺は攻撃を喰らってしまった。そのまま倒れた
「だから言ったでしょ。今では勝てない…………」
バタン………
零二は力を使い果たしたように倒れていった。
零二も勝てなかった。兄さんにも歯が立たない。……………悔しい!…………悔しい!
そのとき俺は思い出した。
「兄さん。わかったんだ………だから……」
「………権利者コード。No.03 神風瑛太。システムプロセスデータ書き換え。神風高斗の損傷をなかったことに」
俺のキズが消えた。別の何かも……
「剣を持ち、たった一度のチャンスで俺を倒してみろ!弟よ」
「全解放。これが………俺のすべてだ!神速………」
「もうやめて!これ以上戦う必要ないでしょ」
「えっ………」
俺の力が抜けていく……
「吉良澪野。彼女もすばらしい潜在能力を秘めている。これ以上調べることもないだろう」
「権利者コード。No.03 神風瑛太。システムプロセスデータ書き換え。神風高斗の疲労をMAXに……」
「兄………さん」
俺は疲れ果てたかのように倒れた。
「……くん………高斗くん……」
「はぁッ……」
目を覚ましたらそこは宿屋だった
「やっと目を覚ました。よかった……」
「ここは………」
コンコン……コンコン……
「どうぞ……」
ドアノックの後に入ってきたのは兄さんだった。
「君の答えを聞こう。パーティーを組むか、組まないか。どちらだ……」
「俺は………強くなりたかった。兄さんの創った世界で自分を強く生かしたかったんだ。だから………」
「………それ以上はいいよ。吉良も零二もくる。明日の8時。広場で待ってるよ……」
兄はそう言い残し、部屋から出ていった