another world その3 真の天才の誕生
目の前には、架空の世界にいるような羽根のはえた天使のような剣士がいた。
「主は我に似ている。我の力を使わないか?」
「俺があんたの力を…………」
俺は悩んだ。確かに、とてつもない力だった。しかし、俺は力を使うことを体が拒否した。
「俺はいいよ………どうせもう死ぬし………」
「主はまだ気づかないのか?」
「何に気づくというのだ?」
「力はもらえるものではなく、もらうべき物なんだよ」
「意味がわからないよ……何が言いたい……」
すると、その天使のような剣士は剣をだして俺に突き刺した。頭の中に何が送られている気がした。
「いだい………う、うぁ~~~ッ。痛い。頭が痛い。何なんだ………うぁ~~~ッ」
頭が引き裂かれるほどの強い刺激と激痛がする。でも、何か思い出しそうだ………
「俺の過去は…………」
少しずつ甦る記憶…
「俺は、高斗と一緒に待っていた………」
あと少しですべてが………
「3年前………ある浜辺………二人で………」
「そうさ………君は日本の人間ではない………」
「俺は~~~~~~。ソ倭の人間だ。そして、君とも話したことがある気がする………確か…」
「我の名はルシファー。君のもう1つの心にいる者だ」
「思い出した………確か3年前の秋……」
俺は、元々の国籍はソ倭なんだ。そして、ある科学者の息子。その科学者は、日本とロシアについてずっと調べていた。俺たちもいろいろ手伝った。そんなある日だった。ある黒服が家を訪ねてきたんだ。
「ちょっとでいいから、そこの学者を貸してくれないかな?」
低く、恐い声だった。よく見ると、すぐに日本人だというのがわかった。抵抗すれば良かった。でも怖かった。
「すぐに戻るから…………」
そして、一年たっても帰って来なかった。俺は高斗と二人で探したが、力尽きて倒れてしまった。
「じゃあ、君は何なんだ?」
「我は君の光の心。君の理想さ」
「理想の姿………」
俺はルシファーに心を許し、そのまま1つになっていった。
「理想、正義、絶対的な力。俺は自分の本当の自分になるんだ…………」
「1つだけ忘れるな。光も闇もどちらも正しいことを………」
「じゃあ、君は何で光の存在なんだ………」
「我は元々1つの存在…………だった……」
「…………それ以上は聞かないよ……」
「さぁ、行こう!」
俺の意識はゆっくり戻っていった。
「ずいぶん遅かったな………頭はひえたか?」
「……………」
「まぁいいや……それじゃ……」
一瞬で間合いを詰めて、昭子の首もとに剣をかまえ、今にも振りおろせば首がはねそうな位置にある。
「お前は、何者だ!」
「俺(我)は光のパラディン。シャイニングルシファーの力を受けた者だ。我(俺)は絶対的な正義を貫くソ倭の救世主だ!」
新作を書いているので、更新がかなり遅くなると思います。