another world その2 蛙は海を知らない
久しぶりの投稿です。
誤字、脱字などあったら言ってください。
「これより、決闘を始める」
周りからは、大きな歓声がする。別に俺は、この組織に入るつもりはなかった。でも、ソ倭の奴らなら話は違う。彼らの真意が知りたかった。何故、日本を支配しようとしたか………
バンバン…………バンバン
銃声が鳴り響く。昭子はスナイパーのようだが、見た目から接近戦もできそうな奴で、俺は攻めることができなかった。これが事実。1つの地域で、天才だの秀才だのスペシャリストだの言われても、結局はちっぽけな存在。
『井の中の蛙大海を知らず』
こんな言葉があるが、まさに俺のことだと思った。自分の力の無さを知った。
戦いの中で、死という言葉が頭の中にでてきた。俺はこの少女に負けて殺される。もう悟るしかなかった。次第に彼女の銃弾が俺の足や肩に当たりはじめた。
「目標の粉砕を実行します」
彼女は呼吸1つ乱さず、冷静な対応で的確に俺を撃ってくる。でも、俺だって負けていない。彼女の撃つ銃弾を見極めて、少しずつ彼女との距離を縮める。
「あと4歩………あと3歩………あと2歩……」
冷静な表情をする彼女にも、焦りはあるようだ。よく腕を見ると、震えていて集中力が無くなってきているように見えた。
「いまだ………」
俺は、彼女の隙をついて完璧なタイミングで攻撃を仕掛けた。
「もらったぁ~~~ッ」
これで俺の勝ちだ。そう思っていた。
「ハァッ」
俺の動きが止まる。あと数センチ、剣をふりおろしていたら………
「ごめんね。本気だして………えっ…知らなかったの……ソ倭の人間のほとんどが、特別な力を使うことを………これは超能力だよ……」
彼女の言っていることはよくわかった。そして、彼らの力ならあんな機械の1つや2つはすぐに創れることを………
「君だって同じだろ………神風くん……」
「何で俺の名を………」
「それは君が一番わかっているよね。考えなよ。生と死の狭間で………」
昭子は、俺の持っていた剣を奪い、俺の右胸に突き刺した。俺は気を失った。
「これでいいんだろ………ネロ……」
「彼には思い出してもらわなければならないからな。過去のことを………」
俺は死んだのか………復讐どころかキズ1つつけられなかった。ある声が聞こえた。
「主の力はその程度なのか?」
「誰だよ…………」
「……………………」
「誰だって聞いてるだろ………」
「………君は似ているな。我に。そして、我の弟に………」
どうやら、自分の意識の中で生と死をさまよっているらしい。目の前に、あるものが見えてきた。少しずつはっきりと………
読んでいただきありがとうございました。
ネロが男口調ですが、女の子なんでそこだけ気をつけてください。
次回も読んでいただけると嬉しいです。