暴走する力
少し、お話がわかりにくいですが、頑張って理解してください(笑)。
兄の目付きが変わった。今までの軽い表情ではなく、殺気と威圧を持ち合わせた目付きになっていた。
「絶望はどんな光さえも屈服させてしまう………絶望に勝てるのはそれを超える絶望だけ………もう一度聞く。高斗くん。君の闇の力を使わないか?」
「さっきもいっただろ。俺は闇の力を使わない。たとえ兄さんに負けても使わない」
「なら、君の心に話しかけてみよう。君の心なら、本当の気持ちが分かるだろう」
「やれるもんならやってみろ!」
俺は、勢いよく兄に向かって行った。
「喰らえ~~~~ッ」
兄は、俺の剣をいとも簡単に受け止めた。
「ぬるいよ。ぬるすぎる。戦いは、こうするんだよ。五身術」
兄は、5人に分身した。しかも、かなりの力を使っているようだ。
『我を使え。我を、このルシファーを使え』
また、心の声が聞こえた。
『るしふぁー?』
『我を使え。我なら負けることはない』
俺は、兄の攻撃を必至に耐えながら、ルシファーと話していた。
『君はなんなんだ』
『我は、君の闇の力であり、光の力でもある』
『闇であり光…………一緒ではないの?』
『我は一人だ。ただし、一緒というのは間違いだ』
『……………君を使うことはできない』
『………………………』
『わかってくれ………』
『…………君は必ず我に頼る。そのときまで待とう』
ルシファーとの会話の最中も、俺の劣勢は変わらない。なんせ5対1なんだから。いくら戦っても、きりがない。そこで、俺はある策にでた。
「ソニック・ウェーブ乱気流」
俺は、剣を振りながら自分ごと回り、ソニック・ウェーブの乱気流バージョンを使った。危険な賭けだ。失敗すれば、俺は間違いなく兄にやられる。でも、もう後戻りはできない。このまま剣を振り続けた。
このままうまくいくと思った。やはり、兄には通用せず最悪の状況になっていた。
「高斗くん。こんなもんか…………がっかりだよ。絶望を見よ…………ダークエンドナイト」
兄は一瞬で俺の目の前に踏み込み、俺の剣をはじいた。そして、
「闇は光だ…………」
兄は俺にそう言い残し、剣で俺の左胸を貫き更に、逆の手でもう一本の剣を出し今度は右胸を貫いた。俺の意識は今にもとびそうだ。必至にこらえていたが、俺は意識を失った。
「さぁ。起きた君は闇かな。それとも光かな。それともバケモノかな………」
遠のく意識の中で、俺はあるやつを呼んでいた。
『……………ァー』
『……………………』
『ルシ………ァー』
『……………………………』
『ルシファー。力を貸してくれ。兄を倒すことのできる力を………』
俺の意識はすぐ戻った。
「やっと君がきたか…………ルシファー」
「やっと見つけた…………我兄よ……」
「そうだな………弟ルシファーよ……」
高斗の自制心はなく、闇のルシファーに支配されていた。しかもルシファーは、瑛太をみて暴走していた。
「なぜだッ…………なぜだぁ~~~~~~~~~」
怒り狂うルシファーはスピード、パワーともに俺の力を越えていた。でも、冷静さを失いただ暴走するだけであった。
要するに、高斗はルシファーの強さを頼ります。しかし、そのルシファーはある事情で暴走している。そんなところです。兄との戦いが終わったら、ダイジェストでも入れてみたいですね。多分、次は木曜日だと思います。