記憶をなくした少女
「大丈夫か…………」
ひどい火傷をおっていた。彼女のHPはどんどん減っていて、俺の回復魔法スキルじゃとても追いつかない。ここの周辺に町がある様子はなく、ただ草原が広がっている。少女が意識を取り戻した。
「あづいよ~(涙)あづい~。いだいよ~。ママー」
「落ち着け!君は死なさない」
「いだいよ~。いだいよ~。ママー」
少女はなかなか落ち着かない。このままでは、どうしようもないと思い湖を探した。
少し先に川があった。
「もう少しの辛抱だ!」
「いだいよ~」
俺は、不器用な手つきで彼女の火傷の手当てをした。軽い応急処置だが、彼女は泣くのをやめた。
「ありがど~ー」
そう言って俺に抱きついてきた。
「君の名前は?」
「えっと………か…り」
「えっ」
「かおり。だった気がする」
「気がする?まぁいいや。なんでここにいたの?」
「えっと……わからない」
「わからない?君のママの名前は?」
「わからない」
「君の歳は?」
「わからない」
「………………………………………」
俺は沈黙したまま考え込んだ。どうしようもないと思った。
「俺の家に来るか?」
「……………うん……」
これからどうすればいいのだろうか。俺は考え込むことしかできなかった。
BF100
「これからどうなるでしょうか?」
「どちらにせよ、彼女の存在はこれから必要不可欠になるでしょう」
「お時間です。瑛太様」
「わかったよ。すぐ行くよ。監視頼んだよ」
「了解しました。瑛太様」
「高斗…………俺はおまえとは違うものを見ていながら同じものを求めているんだよ。君はどうしたいの?このゲームをどう終わらせたいの?それがはっきりするとき、道は開かれるよ………」
「どうしましたか。瑛太様」
「独り言だよ。今日もがんばらないとな」
「たまには休みもしっかりとって下さい」
「大丈夫さ………そのための力だからね」
「お気をつけください」