BF1のボスを倒せ
「おーい、おーい。大丈夫か…………」
ようやく俺は目を覚ました。
「さすがに本気を出しすぎたかな。ハハハ」
さっきのデュエルは俺は完敗だった。
「零二さんは何でそんなに強いんですか」
「強さに理由なんていらないだろ。しいていうなら、俺は戦いが好き。ただそれだけだ」
零二の言うことは、俺にはよく理解できる。
「で、君はいつまで俺のパーティーにいるつもりなんだ?」
俺は、表情をくもらせた。
「なぜそんなことを聞く?」
「君が強き者なら俺と行動はともにしないだろうと思っただけだ」
「BF1のボスを倒すまでだ」
「やはり君は面白いよ。最高のライバルになる気がするよ」
「遺跡の場所は理解できているのか」
「心配ないだろう。俺のパーティーメンバーは頼りになるから」
ピーピーピー
零二にメールが届いた。どうやらパーティーメンバーが遺跡を見つけたようだ。
「すぐに行こう。ザ・ラフィコーンへ」
俺たちが遺跡のBF1に入って一週間。遺跡探索はまだ続いていた。遺跡の中は地上と同じような街があり、ただのダンジョンとはまた違っていた。
「はぁーーーーっ」
「まだまだぁーーっ」
「いくわよ」
「いつでも………」
俺のパーティーはみんな強い。だって、俺と零二、さらにカレン、最後に陵。キル数ベスト3に俺だったから、俺が一番弱かった。みんなの強さについていくのが精一杯だった。
「ここがボスの部屋ね」
「ああ………そうみたいだな」
「危なくなったら、テレポを使う。それが約束だ」
「テレポって、ワープリングじゃ駄目なの?」
「スキルのほうが安心だろう」
「いくぞぉーーっ」
俺たち4人はボスの部屋を開けた。中には、大きな影が見えた。大きな剣。あれは大剣というよりは、刀だった。パンダ。相手は俺の50倍くらい大きいパンダだった。
意外と俺たちの善戦だった。4人の息もぴったりで、あっという間にパンダのHPも3分の1まで減った。パンダの名前は『ライトパンサー』と言うらしい。ライトパンサーは刀を捨てて、大剣を使い攻撃してきた。
「くっ………スピードが上がってるぞ。気を付けろ」
カレンが逃げ遅れた。
「危ない…………」
カレンはなんとか無事なようだ。しかし、目の前にはとてつもない光景が広がっていた。
「陵っ…………おまえ………」
「俺が………おとりになる………そのすきをつけ………」
「俺たちにそんなことが…………」
「わかったよ。いくぞ。カレン、高斗」
俺は納得できない。誰かが犠牲になるなんてそんなことはさせない。ライトパンサーの大剣が陵に降りかかった。
「あばよ………」
その瞬間、俺は陵の身代わりになって斬られた。
「高斗ぉーーーっ」
俺は動かない。
「何でだよ。何で俺の代わりに………」
「俺は死なない。このゲームをクリアするまでは………」
「嘘だろ………生きているのか。高斗……」
「あたりまえだ。これで終わりだ。ダミーブレードッ」
俺は、ライトパンサーに自分の大剣を投げつけて、残っている剣で何度も何度も斬りつけた。ライトパンサーのHPもあとわずかだ。
「零二さん。あとは頼みます」
「OK。ガンブレイクッ」
ライトパンサーを斬り上げ、その反動で一回転しながら、銃で撃ち抜いた。その瞬間、俺の投げて刺さった大剣は爆発した。
「えっ………」
「ダミー………だよ」
俺たちはBF1のボス。ライトパンサーを犠牲も出さず倒すことに成功した。