8話
プロリーグ観戦から数日後。体育館に集まった三人は、いつもと違う空気をまとっていた。
「この角度のシュート、エンリケ選手が上手かったよな!」健斗が声を弾ませる。
「じゃあ俺は本田選手のフェイクを真似してみる!」翔真が笑いながらドリブルを始める。
「二人とも、すごい楽しそう!」美咲も思わず笑顔になる。
理屈や確率の話はどこかへ消え、ただ夢中でプロ選手の動きを真似する。
シュートが外れても、フェイクがぎこちなくても、三人は大笑いして次の動きを試した。
その姿は無邪気で新鮮で、まるで子どものようだった。
――
練習の合間。顧問の先生が体育館に顔を出した。
「バスケットボール部から誘いが来てるぞ。合同練習を兼ねて、3×3の試合をやらないかって」
一瞬、三人は顔を見合わせた。
「本気の部員と試合……!」健斗が拳を握る。
「確率的に勝てるかはわからない。でも挑戦する価値はある」翔真が真剣な声を出す。
「やろう!絶対楽しいよ!」美咲が力強く言った。
――
その瞬間から、三人の練習は一気に熱を帯びた。
シュートの角度を繰り返し試し、フェイクのタイミングを何度も確認する。
笑いながらも真剣に、汗を流し続ける。
体育館に響くボールの音は、観戦で得た興奮と、試合への期待を混ぜ合わせたリズムになっていた。
三人の青春は、次の挑戦へと走り出していた。




