第78話 シュレア姫のスキル
そこへ、
【デイリーミッション。
シュレア姫の解呪経過を確認せよ。
報酬:シュレア姫のスキルステータス。】
と、デイリーさんの声と文字が現れ、シルヴィオは思わず動揺した。
『か、解呪経過を確認って……、解呪された後でそのことを確認すればいいじゃない!経過って、今まさに行われてることを確認しろってことですか!?』
【そうですよ。確認してください。】
とデイリーさんの声がする。
『シュレア姫は今、オッパイ丸出しなんだよ!?』
【──彼女、上位の魔族ですよね。】
と、デイリーさんの声がピシャリと飛ぶ。
【このまま何もしないと言い切れますか?そもそも素直に解呪に協力しているとか、おかしいんですよ。あなたの体を“魔王の器”として狙っている魔族が、ですよ?】
『それはそう……だけど。』
確かにシルヴィオとしても、いくらシルヴィオの従者である設定だからと言って、シーラが素直に従うことには違和感があった。
【呪いは魔族の領分です。私たちとは違う、魔族を守護する神のもの。私たちの使徒にもそのいったんの力は与えていますが、そこまで詳しくはありません。ですからわからないのですが、アレは本当に必要なことなのでしょうか?私はあの子が心配なのです。】
『──アレ?』
そう言われて、思わずシルヴィオは振り返る。すると、シュレア姫を恥ずかしがらせない為なのか、後ろから膝立ちで椅子に腰掛けたシュレア姫の両脇から手を伸ばし、シュレア姫の胸に上級聖水を塗るシーラの姿が。
前に遮るものがない為、シュレア姫の裸の胸と、それを揉むシーラの手がバッチリと見えてしまった。思わず目がチカチカする。
後ろから探るように刻印をなぞるシーラの手つきは、蕾のようなシュレア姫のオッパイを好き勝手に揉んでいるかのようだ。恥ずかしそうに頬を染めるシュレア姫の姿が、なんとも扇情的でもある。
いや、確かにシーラは見えない刻印を後ろから探って確かめつつ、上級聖水を正確に刻印の傷口に塗り込めているのだが、これではデイリーさんが、シュレア姫を心配するのも無理はないかも知れなかった。
「ま……まだかかりますでしょうか?」
「刻印が結ばれた順番に塗り込む必要がありますので。もう少々お待ち下さい。」
そう言いつつ、シーラはシュレア姫の胸の上で絵を描くように指をすべらせる。
よく見ていると、なるほど確かに、傷口には上に重なって新たに付けられたと思われるものがあり、新しい線から上級聖水を塗り込めているようだ。
そして、シーラが何度も刻印を往復するにつれ、段々とその傷が薄くなっていく。上位の魔族であるシーラに頼まなければ、その順番はわからなかっただろう。
シルヴィオのスキルについて知っていて、わざわざ口外することもない、侍女の立場であり、呪いについても詳しそうだったので頼んだのだが、シーラでなければ、呪術師以外で解呪出来なかったかも知れなかった。
『僕が見る限り、必要な手順のように思います。刻印が刻まれた順番通りにやらないと解呪出来ないなんてこと、シーラじゃないとわからなかったと思います。』
【……いいでしょう。必要と認めましょう。】
ため息をつくように、デイリーさんがそう言った時だった。
「ひっ、あっ!?そ、それは必要なのでしょうか!?」
「必要です。ここを通りますので。」
真顔でシュレア姫の胸の先端をつまんでいるシーラに、
『ひ、必要なんだと思う、多分……。』
と言うしかないシルヴィオだった。
【デイリーミッションクリア。
シュレア姫の解呪経過を確認せよ。
報酬:シュレア姫のスキルステータス。
シュレア姫のスキルは、上級錬金術師、上級道具職人、宝導手師。】
と、デイリーさんが納得してくれたのか、デイリーミッションをクリアし、シュレア姫のスキルについて教えて貰えたのだった。
『……宝導手師ってなんですか?』
前世でも今世でも聞いたことのないスキルだった。宝に導く、という言葉から、なんだかお金の臭いがする。
【宝導手師は、レアな素材を見つけやすい職業スキルですね。鉱物だったり、薬草だったり、なんでもレアなものであれば見つけやすいですが、逆に普通の薬草や、鉄鉱石などは見つけにくい為、レアな素材のある場所の近くに住んでいないと、無駄になってしまう死にスキルとも言われていますね。】
『上級錬金術師と相性良さそうですね?』
【上級道具職人とも相性は良いですよ。必要な素材を自力で見つけ出せますから。ただまあ、レアな素材のある場所には、危険が伴うことも多いので、見つけることは出来ても、取りに行かれるかはまた別のようですが。】
すぐに有用なのは、上級錬金術師、上級道具職人の2つのようだ。その2つのスキルがシルヴィオの興味を強く引いた。
『そのスキルがあれば、シュレア姫を外に連れ出せるかも知れない……。そういうことですね!?デイリーさん!!』
シルヴィオはデイリーさんに問いかけた。
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