第2話 脅威の六人衆
登場人物紹介
セゼル 魔法使い、フレアの弟子
ヨイチ 8代目伝説の弓使いの弟子
スバル 名刀使い
リンゼ 鎖鎌使い
フレア セゼルの師匠、伝説の魔法使い
ヨイチ 7代目伝説の弓使い、8代目の師匠
バル 闇の忍者、闇軍団六人衆の一人
ムニル 魔槍使い、闇軍団六人衆の一人
ノルン 黄金戦士、闇軍団六人衆の頭領
ネッド 炎銃使い、闇軍団六人衆の一人
エルガ 闇軍団総大将、闇将軍
*登場する名称等は全てフィクションです。
フレアの指導で鍛えるセゼル。
突然村が襲われ、セゼルはヨイチと村を離れる。途中で仲間のスバル、リンゼと合流し進む所に闇軍団六人衆のサザビが襲う。
何とかサザビを倒したのも束の間、今度はミランが現れ戦いに。ミランを負かし情報を聞こうとした矢先、新たな六人衆が現れた。
「約束だ…、闇将軍の...、目的!うぐっ!」
「ミランさん、お喋りはいけませんねぇ。」
「何!あなた。」
「私は闇軍団六人衆が一人、闇の忍者バル。」
「ミランさんはあなたの仲間じゃないの!」
バルは倒れたミランを見る。
「相手に負けるような奴は仲間では無いですよ。まして、闇将軍様のことを話すなど言語道断ですね。」
セゼルはバルを睨み付ける。
「あなただけは絶対許せない。」
バルに攻撃しようとするセゼルをリンゼが制す。
「セゼルさん、奴は怒りに任せても勝てませんよ。それがあの闇の忍者の策略です。ここは私に任せて下さい。」
「リンゼさん…。」
リンゼがバルに向き合う。
「さあバルさん、勝負といきましょうか。」
「あんたリンゼとか言ったね。なかなかヤルようだねぇ。」
「私はセゼルさんのようにはいかないですよ。」
「いいねぇ、楽しみだよ。」
バルが構える。リンゼも構えた。
二人は同時に攻撃を開始する。
バルの忍者刀がリンゼを狙うが、リンゼは鎖鎌で応戦する。
「アンタ、敵にしちゃ勿体無い。闇軍団に入りなよ。」
「私は闇に呑まれたりはしません。」
「なら倒すしかないねぇ。」
バルの攻撃が激しくなる。
「ねぇ、スバルさん。リンゼさん大丈夫ですかね。」
「セゼル、心配には及ばないよ。あの程度の奴に後れを取るリンゼではないからね。」
言われて見ると、リンゼさん余裕そうだ。
「おい、リンゼ!何で反撃しないんだ。」
「バルさん、余裕無さそうですね。」
「うるせー、今倒してやるよ!」
バルが大きく構えた。
「覚悟しやがれ!」
リンゼが素早くバルの懐に飛び込み、一撃を食らわす。
「うぐっ…。」
バルは倒れ込む。
「バルさん、戦いでは余裕を無くせば隙が出来、そこを狙うのがあなたの策ではありませんか。」
「その…とおり…だよ...、リンゼ。」
「さあ勝負はつきました。ここは退いて下さい。」
「ふっ…、私も…六人衆…一人...。情け…は…いらん!」
そう言うとバルは自害した。
「闇に堕ちれば末路は地獄ですか。バルさん、あなたも以前は立派な忍者だったんでしょう。」
「リンゼさん…私…。」
「セゼルさんが悔やむことではありません。この世に闇が迫っているせいなのです。」
「皆さん、ミランさんとバルさんを弔ってあげましょう。」
町外れに二人を弔い一行は次の町へ向かう。
周りも暗くなって来た。
「セゼルさん、この辺りで休んだ方がいいですね。」
「あそこに小屋があります。」
小屋からは明かりがもれ、煙も上がっている。
「どなたかいますか。」
中から住人が出て来た。
「おやおや、こんな時間に皆さんどうしましたか。」
「今夜一晩泊めてもらえますか。」
「それはお困りでしょう。さあ、中へお入り下さい。」
「助かりました。あの、失礼ですがお名前は。」
「私ですか...、ムニルと申します。」
「ムニルさんはここで一人でお住まいなんですか。」
スバルが剣を構える。
「セゼル、気を付けな。」
「まあまあ、剣士の方そんなに殺気立ってはいけませんよ。」
「スバルさん、どうしたんですか?」
「こいつは闇の手の者だよ。」
「剣士さんはお見通しなんですね。そうです、私は闇軍団六人衆の魔槍使いのムニルと申します。」
「アタシらの寝込みでも襲おうとしたのかい。」
「そんなことはしませんよ。闇軍団とは言えあなた方は我々の仲間を弔いました。勝負は明日、明るくなってからで良いでしょう。」
「そんな言葉信じると思うかい。」
「スバルさん、そんなに興奮するものじゃないですよ。」
「ならリンゼは信じるのかい。」
「闇に堕ちたとは言え、六人衆も元はそれぞれの達人です。私は信じますよ。」
「さあ、皆さん休んで下さい。明日起きるまでは何もしませんよ。」
ヨイチはふと夜中に目が覚める。
ムニルは小屋の外にいるようだ。
「ムニルさん、眠れないんですか。」
「ああ、ヨイチさんでしたね。起こしてしまいましたか。」
「ムニルさん、どうしても戦うのですか。」
「我々六人衆は戦うことでしか生きてゆけないのです。」
「闇の呪縛みたいなものは解くことが出来ないんでしょうか。」
「いいですかヨイチさん。本当に恐ろしいのは闇将軍ではありません。闇将軍さえ操る真の闇の存在です。」
「では真の闇を倒さないと…。」
「闇の軍勢は無くならないでしょうね。」
暗がりから誰か来る。
「ムニルよ、分かっているだろうな。」
「ノルン、私は闇に関わる争いは終わらしたいのですよ。」
「ならば最早遠慮はせぬぞ。」
「元よりそのつもりですよ。ヨイチさん、皆さんを連れて西の斉賀洞と言う所に向かって下さい。」
「西の斉賀洞ですか...、そこには何が?」
「行けば分かります。ここは私が食い止めます。時間がありません、早く!」
第3話 予告
ノルンに立ち向かうムニル。六人衆の激しい戦いが始まる。一方斉賀洞に向かったセゼル一行が見たものとは。
次回 「斉賀洞の秘密」
ムニルさん…まさかの…ですが、次回には新たな展開が!
ではまた。




