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科学者と星降る夜

作者: Camellia

星が降る夜に私は君の前に現れる。それはすべての代償を払って得た時間

君は少し驚いて いつもの笑顔を振りまく どうしたのかを聞いてきたが 私は口にすることができない

君は今の状況を理解したように 一人語り始める 

 

 「ある科学者がいました。その科学者は無口で愛想が悪く結果が求められる科学者の成れの果てなんて思われていました。しかし、それはあくまで仮の姿彼女は結果を求めるために仕事人としての精神を貫いた結果でした。私はそんな彼女を悪いような人間であると思いません。彼女はだれよりも研究室に残り研究をしていました。そんな人を成れの果てなんて思うのは科学者として真実の追及をやめてしまったら、それこそ科学者の成れの果てではないかと思うのです。ある日、私はブラックコーヒーを彼女のデスクに起きました。モニターとのにらめっこをここ数時間続けていた彼女はまばたきをしながら少し驚いた様子でそのブラックコーヒーを受け取り、ありがとうと言っていくれました。もちろん、彼女にありがとうを言わせるためにそうしたわけではないので、シンプルにいい人であるというのが私のその時点での結論でした。それから、彼女と会話をすることが増える中で、彼女は代償という言葉をよく口にすることがあるなと思いました。何を行うにも選択し、代償を払うと。それが現実になったのはそれから1年と半年がたった時でした。研究の最終段階に際して、研究者自身を被験者として実験を行うことになりました。そこで選ばれたのが彼女です。実験の結果は失敗に終わり、彼女は帰らぬ人になりました。これは約1か月半前になり、彼女の四十九日は今日になります。今日はふたご座流星群の極大期です。彼女がどんな代償を払ってきたのかわかりませんが、彼女は報われたとは言えない人生としてそこに幕を閉じましたが、科学者としては来世があるなんて言えませんが、もしあるのであればその時は幸せになってほしいと切に願います。」


 私がまばたきをすると、彼女はそこにはいませんでした。彼女は対価を受け取ることができたかはわかりませんが、最後に彼女に笑っていたように感じたのは錯覚だと思います。


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