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仮題『歩』/『知』/『晴れ』
場合によっては、アリかも?
無知でいようね、痛みに弱いのなら。
仮題『歩』
二足ではなくとも 並ばなくとも
流れる景色に花束を送ろう
葬送には弔辞を きみには祝福を
死んでしまったわたしから
無くなってしまっては 征くことすら
ただ続くことすらも ままならない
それゆえに きみの小さな鼓動は
何よりも尊く 眩しいものなのだ
仮題『知』
遥か高く 傘の上にあるものを
どこか遠く 壁の向こうにあるものを
噛んで 混ぜて 飲み込めるほどに
あなたの喉は 強くはなくて
自分の形に切り取るためのメスに
仰々しい名前をつけたのは
文字列と 記号の組み立てた足場が
脆いものだと わかっていたから
仮題『晴れ』
からりと青く 燦めいて
引かれた白線と鉄の鳥が
連れていってしまう郷愁に
手のひらを透かして 骨の色
曇ってくれと願う前に
閉ざしてくれと祈るほどに
不純なあなたの心根と
三百と六十のパノラマ
いいね、よく乾きそう。




